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【The Shooto OKINAWA06】当真佳直戦へ、田上こゆる─02─「修正してきたところを見せたい」

【写真】躓きをステップにできるか、勝負どころの田上だ(C)MMAPLANET

17日(日)、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto Ookinawa06のメインで、当真佳直と対戦する田上こゆるのインタビュー後編。

プロデビュー以来、注目を集める存在になっていたことで、ファイトスタイルも研究されつくしてきたのだろう。特にマッチョ戦では、安芸柊斗戦で喫した初めての敗北を生かしきることができなかったように感じられる。しかし、そのなかで見せたカーフキックとスタンドの構えに新しい可能性が感じられたのも事実だ。
あとは敗北と自分自身に、どう向き合っていくのか――そんななかで田上が、再スタートと新たな自分について語った。

<田上こゆるインタビューPart.01はコチラから>


――マッチョ戦の2Rは、田上選手がムエタイのようなアップスタイルで構えていました。通常はクラウチングスタイル……前傾姿勢でガードを固め、パンチとローで攻めていくことが多かったと思います。

「そうですね。2R目は少し構えを変えました。構えを変えられたら相手も嫌かなと思ったのと、フェイントも出しやすいし、あの構えのほうがカーフも出しやすかったので。僕としては、あの構えのほうが蹴りを出しやすいんです。そういう狙いもあって構えを変えていました」

――その2Rを見ると、田上選手はアップライトスタイルのほうが得意なのではないかと……。動きもスムーズでしたので。

「あぁ、そうですね。打撃だけの試合やったら、あの構えのほうが得意です。でも、あの構えやと相手がテイクダウンに来た時、踏ん張りきれないというか。僕は踏ん張るほうが、テイクダウンをカットしやすいので。踏ん張っているほうがパンチも出しやすいですし。

だから、あの構えはホンマに蹴りを中心にする時だけですね。あれを3R通してやっていたら、相手に押されてしまうと思うので。構えを使い分けられるのが一番良いですよね」

――試合の中で構えや重心を切り替え続けるのは、難しいですか。

「難しくはないです。変え続けたほうが、相手もやりづらいでしょうし」

――田上選手がキックボクシング時代に所属していた及川道場は、首相撲をはじめムエタイの技術を大切にしているジムだと思います。だから田上選手も、もともとはムエタイのアップスタイルが体に染みついているのではないかと感じました。

「あぁ、そうですね。及川道場ではメッチャ首相撲をやっていました。あの構えは及川道場でずっとやっていたものです。あの時に教わった首相撲は、今でもメチャクチャ使えますし。おかげでアマチュアの頃から、どの試合でも組み負けると思ったことはないです」

――あとは構えを使い分けるバランスが重要になりますね。

「構えを変えた時にどうするか、ですよね。ただ構えを変えるだけではなくて、構えを変えたらパンチや蹴りのコンビネーションも変えることが大切やないですか。それがないと、相手に対するフェイントにもならないので」

――その意味では、連敗を脱するための打開策は見えてきているのでしょうか。

「はい。練習では寝技に対する自信もついてきていて、それも含めて今回の試合が今までで一番楽しみです。どこまで自分の力を出すことができるか。最近のように守るスタイルではなくて、それこそアマチュアの時のような打撃で前に行くスタイルを出したいです。もう組まれても自信があるので、今回の試合で修正してきたところを見せたいですね」

――次の対戦相手、当真佳直選手はMMAとしてバランスの良いファイターです。

「打撃も寝技も、しっかりやっている選手やと思います。どちらで来ても、やり合いたいです。打撃で来たら打ち合うし、寝技で来たら自分がバシッと極めるところまで持っていきたいですね。そうやって成長したところを見せたいです」

――相手の地元で試合をすることは意識していないということでしたが、沖縄自体についてはどのような印象を持っていますか。

「沖縄は小学4年生の時に1回行ったことがあって。この2~3年は、友達とも沖縄に行きたいなぁと話をしていたんですよ。今回は沖縄へ行って、しかもメインで試合をさせてもらうので……しっかりフィニッシュしてから、家族も来るので観光して帰ることができたら最高ですね。だから今回はホンマに楽しみです。早く試合がしたくて」

――安芸戦の後、つまりマッチョ戦の前にもインタビューさせていただきましたが、その時とは表情も声も違うように感じられます。

「アハハハ。もちろん、負けたことはショックでしたよ。でも今は、もう1回やったら勝てる自信がメチャクチャついてきたので。もし次に同じ相手と対戦することがあれば、再戦でフィニッシュして勝つほうが面白いと思いますし。……今はそうやって考えることができています。もちろん、まず目の前の試合に一つひとつ勝っていくことからですけど」

――なるほど。

「安芸戦で初めて負けた時は、もっと打撃も寝技もやらなアカンと思いました。そうやって練習してマッチョ戦の結果やったんで、もっと気合いと練習量が足らんのかなと。マッチョ戦の後から、練習内容も変わりました。スパーリングしていても動きが良いっていうのは感じます。意識を変えることで、こんなに変わるんやなって。自分の中では今回、過去最高の状態で試合に臨みます」

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