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【PFL2022#02】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(06)工藤諒司「前向きになれて嬉しいですね」

【写真】海外、PFLへの挑戦も日々の延長という風で、気負いは感じられない工藤(C)MMAPLANET

28日(木・現地時間)、テキサス州アーリントンのEスポーツ・スタジアム・アーリントンで開催されるPFL2022#02のフェザー級レギュラーシーズン戦で工藤諒司が、ブレンダン・ラウネーンと対戦する。

ONEを目指し、ONE Warrior Seriesで確実な成長を見せていた工藤だが、コロナウィルス感染拡大によりONEウォリアーは活動を停止、ここからステップアップが望めなくなった工藤はRoad to ONE出場を経て、修斗へ。SASUKEと世界フェザー級王座を賭けて戦うも判定負けを喫した工藤にとって、思わぬタイミングでの北米3番目のメジャーPFからオファーがあった。当然、断る理由はない。そして過去に経験したことがない環境で、過去最強の選手たちが待ち受けている。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第6弾は、PFLに挑む工藤諒司に話を訊いた。


──工藤選手がPFLと契約したという話は長南さんから伺っていたのですが、いつ頃にオファーがあったのでしょうか。

「3カ月ぐらい前ですかね(※取材は4月5日に行われた)。今年になって1月……その後半だったと思います」

──コロナ前にONE Warrior SeriesでONEを目指し、結果を残していました。それがコロナで大会開催がなくなり、修斗の世界王座にターゲットを変更。しかし、SASUKE選手に敗れてベルトを取れなかった。その状況でPFLから声が掛かりました。

「ONEウォリアーがなくなり、修斗でやるしかないと思ってタイトルに挑戦。それも負けて……でも、修斗のベルトをもう1度取りに行こうと気持ちを切り替えて動き始めた時期でした」

──なかなか再起すると決意するまで時間がかかりましたね。

「あの状況からもう1度というのは、なかなかしんどいですし、負けた後は気持ちも落ちていました。だから『もう1回やろう』という気持ちにはなれなかったのも事実です。時間もかかりました。でも、やり直そうと……。修斗で勝ち上がることが大変だということは、自分も良く分かっているつもりでした。それでも海外でやりたいという気持ちがあって──。(石井)逸人や(後藤)丈治も頑張っていますし。自分も負けられないなと思っていました」

──やり直すという判断をするのは大変だったと思いますが、そこでPFLからオファーがあったということですね。

「即答しました、『出ます』って(笑)。こんなチャンスはもうないと思ったので。世界に出ることができる。修斗で一からやり直そうと思っていたのですが、海外でやっていこうと。正直、それまでPFLを注目していたかといえば──そうではなかったです。オファーを受けてから、調べました」

──当然、フェザー級の試合を中心にチェックされたと思いますが、どのような印象を持ちましたか。

「相当ですね(苦笑)。強い選手が揃っていますし、そういうなかであの選手たちと戦っていけると考えると、凄く楽しみです」

──シーズン制のフォーマットで、短時間でフィニッシュするほどレギュラーシーズンで上位フィニッシュができます。しかも、レギュラーシーズンは2試合なのでPFLの組むカードによって有利・不利が出てくるだろうと。

「ハイ、少し特殊ですけど、全てが経験したことがないことなので。新しい……経験ができるかなって考えると、前向きになれて嬉しいですね」

──過去PFLには2018年にライト級で川名雄生選手が出場して勝ち星なし、2019年にヘビー級で石井慧選手が出場し、1勝2敗でプレーオフ進出を逃しています。そういう場で戦うことに、どれだけ自信をもって挑めそうですか。

「やっぱり出し切りたいですね。勝負なのでポンと勝てる時があれば、一発で負けることもあります。そうなると後悔も残るので、全てを出し切って勝ちたいです」

──初戦の相手は昨年ベスト4のブレンダン・ラウネーンが相手です。優勝したモヴィット・ハイブラエフに準決勝でスプリット判定負けでした。ただし、特別な印象に残ったわけでもない。どのような選手だと判断していますか。

「う~ん、まず特徴は背が高くて手が長いです。リーチのある選手で、ジャブも走ります。カーフキックも蹴って来るので、ジャブとカーフキックで自分のペースを掴んで、そこからストレート。あと寝技の対応も上手くて、何でもできる選手だと思います」

──ONEウォリアーでのイ・ミンヒョク戦などパンチを見せて組むだけでなく、組みを見せて殴る。近い位置でも殴ることができていました。相手がアグレッシブに攻めてくるという図式もありましたが、あの時の良さがSASUKE選手との試合はなかなか手が出なかったという印象があります。

「何でも対応できるように……近い距離でも遠い距離でも戦えるように練習しています。ただし次の相手はリーチが長いので、相手の距離で戦って待っていたりするとペースを持っていかれると思います。

なので下を見せたり、中に入って打ったり使い分けが大切になってくるはずです。それこそイ・ミンヒョク戦のような戦い方のように巧く組み合わせていきたいです」

──プレーオフがあるので、得点計算が必要になってきますが、その辺りはどのように考えていますか。

「やはり相手に合わせた戦略が必要で。相手の得意技を警戒しつつ、自分の得意なところをどう出していくか。相手に合わせて、自分の得意なところを使う。そのことを考えていますが、KOを狙い……レフェリーストップとか、そういうイメージでいます。そうやって得点を増やそうと思います」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月29日(金・日本時間)
午前6時30分~Official Facebook

■ 対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
スチュアート・オースチン(英国)

<フェザー級/5分5R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
工藤諒司(日本)

<ヘビー級/5分3R>
アンテ・デリア(クロアチア)
マテウス・シェッフェウ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ヒーナン・フェヘイラ(ブラジル)
ジャマル・ジョーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ランス・パーマー(米国)
クリス・ウェード(米国)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
チョ・ソンビン(韓国)

<ヘビー級/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
サム・ケイ(トンガ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィキンソン(豪州)
ブルーシ・ソウト(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
アリ・イサエフ(ロシア)
クリジソン・アブレウ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ボストン・サルモン(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス(メキシコ)
サバ・ボラギ(ドイツ)

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