【Shooto2020#03】平良達郎と16歳差対決に臨む、清水清隆「上から目線で言えることはない」
【写真】実力者が絶対に譲れない戦いに臨む(C)MMAPLANET
29日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるプロ修斗公式戦で、清水清隆が平良達郎と対戦する。
7戦全勝の20歳から指名を受け、その対戦を飲んだ36歳の清水。パンクラス王者から修斗にベルトを持ったまま転じ、2015年には各プロモーションのトップ選手との対戦で4連敗を喫して以降、安定度が増し、かつフィニッシュ率も高まっているベテランに──16歳の年の差対決を前に心境を訊いた。
──平良選手との試合が近づいてきましが、決定以前に20歳の選手からターゲットにされた時にはどのような気持ちでしたか。
「そういう世界ですからね。逆に口にしたことが大したものだと思いましたよ。それに、この子とは近々やるだろうなという気もしていたので、そのタイミングが今なのかという感じでした」
──舐めんなよという気持ちはなかったですか。
「あぁ、でもそれ相応に勝っていている選手ですし、自分も勝ったり負けたりですから、上から目線で言えることはないです。そういう気持ちはなかったです」
──そうなのですか!!
「僕が連戦連勝だったらそういう風に言えるかもしれないですが、去年も扇久保にやられていますしね。発言権なんて僕にはないですし」
──扇久保選手との試合は、清水選手のなかでは『やられた』試合になっているのですね。
「判定で負けたので、『あれは頭突きだから』というのは格好悪いですよ。だから平良選手も1人の対戦相手として見ています」
──ではMMAファイターとして平良選手に対し、どのような印象を持っていますか。
「まぁそつなく、全部やれますね。やっぱり若いから修斗、格闘技界を背負っていく逸材になるかもしれない選手です」
──それだけ勢いが感じられますか。
「触ってみないと分からないですけど、自分とやれば彼がどこまでなのか分かるんじゃないですか。フィリピンのラカイの選手はちょっと分からないですけど、まぁ若者同士でやって連戦連勝っていうのはそこそこ強ければできることですし。でも、まぁ普通に強い人と戦ってきたわけでないので、物差しがなくて分からないです。こういうことは彼に負けた選手に失礼な言い草になってしまいますが」
──「舐めんなよ」という気持ちはないようですが、余裕が感じられます。
「まぁ、そっちスね。舐めるなよというのはチョットは思いますけど、10戦未満の選手ですしね……。このまま負け知らずでいくのかは彼次第だし。(前田)吉朗さんだったり、本当に強い選手とやっていないので、分からないです。こればっかりは」
──ボクシングなどは強い人は最初から強いと思えるのですが、MMAは多くの場合がキャリアを重ねて強くなっていく競技に感じています。だから3戦目では勝てない相手に、15戦目だったら勝てるとか。MMAはそういう戦いなのかと。
「あぁ、なるほどですね。そういう部分で、多分まだ差はあると思います。切れるカードは僕の方が多いでしょうし。経験が必要な競技ではあります。それでも、そのまま行ける選手かもしれないということは意識して戦いますよ。思い切りが良い、あの勢いに飲み込まれると危ないですしね。そこをいなすことができれば僕が勝てます」
──その経験という部分において、2015年の4連敗……中村優作戦、春日井たけし戦、菅原雅顕戦、そして神酒龍一戦。DEEP、HEAT、修斗、パンクラスのフライ級トップと戦い、最後の神酒戦以外は本当に僅差、逆に3連勝だったかもしれない試合でした。あの1年を経て、勝手ながら清水選手は強さを手にしてきたという印象があります。
「中村に負けた後、持ち直さないといけないと思っていたら負けが続き……、プライベートでも色々とあって精神的な部分が大きく影響していたと思います。で、最後に神酒にやっつけられて。一度勝てば持ち直せると思っていたのですが、ズルズルと4連敗してしまいました」
──最初の3試合に関しては、実力的に負けていないという気持ちはなかったですか。
「いやぁ、もう結果なので。過程ではなく……出た結果に対して、何か想うことはないです。とにかく何をやっても裏目に出ていましたね。あの時は何をやってもダメでした。
2015年に4連敗して、ウチの秋葉(尉頼)が死んで……。アイツの死が自分のなかでは……ターニングポイントになっています。俺だけでなく、ウチの皆はそうだと思いますし。それと長南さんが教えてくれている指導が合致してきて、2017年ぐらいからハマってきました。
練習仲間もそうですし、堀江トレーナーとの練習も凄く自分に合っていて──そうなるとケージを広い視野で見られるようになりました。余裕があるというのか……。2015年には全くなかったことです」
──昨年、ベルトを獲り逃しましたが、また頂点を目指すうえでも若い平良選手を相手にどのような試合をする必要があると考えていますか。
「お客さんが早く会場を出られるようにやっつけた方が、締まりが良いですよね(笑)。日曜日はどの試合もバンバンバンと決着がつくと思います。
36歳と20歳、16歳差の試合なんてなかなかない。ジジイが抗って勝つか、若者がしがみついてくるのかをファンの方々に見て頂いて、『清水がやっぱりKOしたね』とスカッと後楽園ホールを後にできる試合にしたいです」
■Shooto2020#03対戦カード
<修斗世界フェザー級選手権試合/5分5R>
斎藤裕(日本)
内藤太尊(日本)
<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
平良達郎(日本)
<バンタム級/5分3R>
手塚基伸(日本)
安藤達也(日本)
<ストロー級/5分3R>
木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(日本)
黒澤亮平(日本)
<修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝/5分3R>
黒部三奈(日本)
大島沙緒里(日本)
<修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝/5分3R>
杉本恵(日本)
中村未来(日本)
<フェザー級/5分2R>
野瀬翔平(日本)
小林孝秀(日本)