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【Special】月刊、青木真也のこの一番:10月─その参─高橋遼伍×青井人─01─「育ってきた選手を大切に」

Ryogo Takahashi vs Jin Aoi【写真】格闘技として良質だったイベントのなかでも、ベストバストといって良い試合だった(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ10月の一戦=その参は10月15日、プロ修斗公式戦から高橋遼伍×青井人戦を語らおう。

青井の可能性、高橋の実力。そして、育ってきた世代に対して青木の想いは。


──10月の青木真也が選ぶ、この一番。第3弾は?

01「高橋遼伍×青井人ですね。高橋選手が試合後に『ここから3年ぐらいが一番強い時期なので、チャンスをください』というようなことを言っていて。その言葉はまさに自分を把握しているなと思いました。20代終盤から30代の序盤が、一番強い。それを分かっているんだから、もっと評価されてほしい。

02あと青井、20歳であの戦いをやっている。アレは意味が分からない。凄い。皆が期待してしまうのが、分かります。20歳ですよね、皆がベットしたくなります。買いたくなる気持ちは分かる。足関節の作りなんかも凄く良かったし。今の日本のMMAシーンであんな技術が見られるとは思ってもいなかったです」

──そこまで評価できますか。

「MMAファイターはずっと強くなれるんだけど、20歳とか25歳の間の経験って凄く大切になってくる。この間に強くなる素養を身につけることができる。だから、年間5試合とか6試合とかしても良いって思います。4試合は確実にこなして、25歳までに20試合ほど経験していく。それができれば本当に強くなれると思う」

──この試合の負けはそれほど痛くない?

「どうなんでしょうね……。レコードを汚してしまうという人もいるでしょうね。でも、僕はそこじゃなくて負けて悔しい想いをしてもリカバリーできると思っています。

以前の韓国人ファイターのように、勝機の無い試合で負けているわけじゃない(笑)。ポジティブな敗北だと感じました。気持ちも見えたし、もっと伸びると皆が思う試合だった。だからこそ、しっかりと育ててあげて欲しい。関西で中蔵(隆史)さんが就いているのも大きいのかな。そこが一番かと思います」

──顔は怖いですけどね(笑)。

「いや、一番良いところに落ち着いたと思います。岡山から出て来てコブラ会でも、中山(タクミ)さんのところでもなく、きっと中蔵さんが合っていると思う。あの年齢の選手は。

その青井にしっかりと勝った高橋選手もまた凄い。空手家と思っていたら、そうじゃない。弟さんがグレコローマンの全日本王者だけど、彼はパラエストラ加古川でMMAを始めたというのが、また興味をそそりますよね。本当に良い試合でした」

──結果論として、ダメージを受ける人が少なかった試合かと。高橋選手が負けると、そうではなかった。

「僕、思ったんですよ──修斗を間近で見させてもらって、良い選手が頑張っていると感じたんです。でも、やっぱりもう少し注目される場にする努力をしてほしい」

──修斗はそこにも勝負論がありますよね。選手個人よりも、試合、勝負を光らせるというのか。

「要は職人だから、試合は良い。小谷(直之)と川名(雄生)みたいに試合は良い。試合は良いから、プラスアルファでしょっていうプロモーション(笑)」

──10月29日のGrandslamと真逆ですよね。アレはあくまでも田中路教選手のための舞台で、そこに出て来る選手の個にスポットを当てていく。

「単発大会だから流れでなくて、そこをやっていくというね。修斗はランキングがあって、チャンピオンがいて、アマチュアから上がって来るから、フォーカスしているのが全体像なんですよね。プロモーションが見ているものが。

でも、プロのファイターとすれば微妙な位置で進学校に進んで中盤で燻るよりも、一つ下の高校に進んでトップを走って良い大学に進むみたいな(笑)。それって必要だと思うんです。また逆にZSTというサークルのような感じのところで、滅茶苦茶にレコードの良かった選手がバリバリの体育会系の入って行く前に、練習会に参加するみたいな。そんな場所で加藤忠治神話が崩壊するという(爆)」

──要はグランドスラムの一戦でなく田中の試合、柏崎の試合、忠治の試合となっている。

(C)MATSUNAO KOKUBO/GRANDSLAM

(C)MATSUNAO KOKUBO/GRANDSLAM

「柏崎はTVの格闘技云々って言ったんですよね。良いなぁ(笑)。そういう若さは大切。あの野郎っていう反骨心がないと。

そうやって話を聞いているとグランドスラムも良い大会だったのでしょうね。10月はTTFチャンレジと修斗を会場で見たけど、格闘技として2つとも良い大会だった。

皆強いし、なんだかんだと言って若い選手も育っている。だからこそ育ってきている選手を大切にしよう……潰さないで。潰すほど、豊富じゃないから。

そんななかで田中路教選手なんかは異常種ですよ」

<この項、続く>

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