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【DEEP】LUIZとの再起戦に臨む田村ヒビキ、1カ月前の台湾遠征、柔術T出場の真相とは

Hibiki Tamura【写真】近鉄線布施駅から徒歩1分という立地もあり、大盛況のパラエストラ東大阪を率いる田村ヒビキ(C)MMAPLANET

29日(土)、東京都江東区のディファ有明で開催されるDEEP CAGE IMPACT 2015。2カ月連続で東京都下で行われるDEEPのケージ大会に大阪から田村ヒビキが出場する。

かつてKOTCで勝利し、修斗では環太平洋王座に近づきながら、戦場を変えて連敗劇を喫した田村は、このところDEEPを主戦場にしている。そして、昨年12月の岩瀬茂俊戦の敗北から8カ月、再起戦でLUIZと戦うこととなった。

34歳、自らのジムも順風満帆といった状況で田村はどのようなモチベーションを持ち続け、現役として戦い続けているのかを訊いた。

──DEEP CAGEでLUIZ選手と対戦する田村ヒビキ選手です。7月にBJJの試合で台湾へ行っていたそうですね。

「ハイ。7月の24日から26日まで行っていました。もともとMMAの試合が去年の12月の岩瀬戦からケガとかもあって間隔が空いてしまっていたんで、試合勘が鈍るのが嫌だったのと、柔術でも強い選手と戦ってみたかったのでエントリーしました。台湾で柔術をやるって決めたあとで、LUIZ戦の話が来たんです」

──そこで台湾遠征を取りやめるという気持ちには?

「いえ、ならなかったです。ホドリゴ・カポラルが出てくるという話だったので。カポラル選手もMMAをやっているし、ルールは違っても、そういう強い選手と肌を合わせたら得られるものがあるんじゃないかと思いました。僕も彼も黒帯のミドルとオープンにエントリーしていて、でもカポラル選手が体重オーバーでミドル級では戦えなくなったんです(苦笑)」

──なんという……。

「ミドル級は彼とワンマッチ決勝で、カポラル選手としか戦わないということが分かっていたから台湾へ行ったというのもあったんです。トーナメントで何試合も戦うと、ケガのリスクも高くなりますし。でも、ミドル級では戦えなくて(笑)。結局、アブソも僕とカポラル選手と2人だけのエントリーだったので戦うことはできたんですけど」

──カポラルは最強ATOSの黒帯です。

「強かったですねぇ。7分過ぎにモンジバカを極められました。崩しやポジショニングが上手くて、先手を取られ続けました」

──ATOS所属でもカポラルはベリンボロや50/50でない、どちらかといえば上から攻めるイメージが強いです。

「ハイ、完全にトップゲームですね。本当にMMAをやっている人の柔術で、かつ要所で巧かったです」

──LUIZ選手とは全く違いますが、試合の1カ月前にカポラルと柔術が出来て良かったですか。

「ルールは違えども柔術の世界大会で3位になる実力者で、MMAでもREALで圧勝していて、強い選手と戦えて良い経験になりました」

──ところで田村選手は34歳になり、タイトル戦線が遠ざかった状況で、かつ拠点は大阪です。5年前にKOTCでトニー・ハーベイと戦った頃とはあらゆる面で環境が違います。今、田村選手は何をモチベーションにして戦い続けているのでしょうか。

「あのあとに朴光哲さん、ISAO選手、クォン・アソルと修斗、パンクラス、HEATに負けるまで上を見ていましたね。周りもジプシータローや鎧トシヒロ、同世代も辞めていきました。僕がDEEPのあと修斗でデビューし直した時の世代、新人王トーナメントに出ていた頃の選手はもう皆、いてないですね」

──と同時にパラエストラ東大阪には練習生が450人もいるとか。

「いえいえいえ、200人ぐらいです。めっちゃ増えているじゃないですか(笑)。でも、本当にありがたい話です」

──でも、そうやって道場も上手くいっていてなお、現役生活の拘りを持つ理由は何なのでしょう?

「さっきも言われていましたけど、やっぱりKOTCの時、そのあとの修斗の時とはモチベーションの持ち方は違うとは思います。あの頃は『俺が』、『俺が』って『勝てば上に行けるでしょ』みたいな感じやったんですけど、今は会員さんもたくさんいるし責任もあるので。例えば中蔵(隆志)さんとかタクミさん、池本(誠知)さんとか、道場長をやりながら選手をやってきた人達を間近で見てきました。

大変さは分かっていたつもりやったのが、いざ自分がやってみると『皆さん、よくこれをやられていたな』って改めて理解できました。自分が道場から外に出られない、それが大前提にあります。幸い、岸本(泰昭)君とかレッツ(豪太)とか集まってくれるので、練習面では恵まれていますけど、モチベーションは変わっていますね」

<この項続く>

■DEEP CAGE IMPACT 対戦カード

<小池秀信引退試合・無差別級/5分2R>
小池秀信(日本)
佐々木有生(日本)

<フェザー級/5分3R>
横田一則(日本)
高橋憲次郎(日本)

<フライ級/5分3R>
和田竜光(日本)
ソ・ジェヒョン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
ヤン・ムンファン(韓国)

<ライト級>
岩瀬茂俊(日本)
下石康太(日本)

<バンタム級>
遠藤大翼(日本)
五月女健(日本)

<ライト級>
LUIZ(ブラジル)
田村ヒビキ(日本)

<ライト級>
川崎泰裕(日本)
江藤公洋(日本)

<フェザー級>
オーロラ☆ユーキ(日本)
新居卓(日本)

<フライ級>
小田切勇(日本)
安谷屋智弘(日本)

<ライト級>
熊殺しの成田(日本)
新里佳彦(日本)

<フェザー級>
小川顕広(日本)
中野謙(日本)

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