【ONE97】ONEで連勝を狙う三浦彩佳 「パンダ選手と……もう一つ上のステージで戦ってみたい」
【写真】日本人選手でONEのTシャツを着て、取材を受けたのは実は彼女が初めてかもしれない (C)MMAPLANET
8月2日（金・現地時間）、フィリピン・マニラのMOAアリーナで開催されるONE97「Dawn of Heroes」で、三浦彩佳がONEチャンピオンシップ2戦目を戦う。
2月のラウラ・バリン戦で、払い腰から袈裟固め&アームロックで快勝した三浦の相手はサマラ・サントス。2試合連続で王者シィォン・ヂィンナンに挑戦している選手とのマッチアップだ。サントス戦に向け、マニラ入りしたばかりの三浦の話を訊いた。
──今回は常に注目を浴びていた三浦選手の試合が、豪華カードに埋もれてしまった感があります。
「そうですね（笑）。いつも何かしら、取材とか入っていたのが今回は周りが余りにも凄くて、そっと試合まで来ました」
──プロとしては物足りなさを感じていますか。ONEになり公開計量がなくなったことで、e-fightさん恒例の三浦彩佳・水着でパスの報道もなくなりましたし（笑）。
「見せ場が一つなくなりました（笑）。ただ、特に注目を集めたいと思っているわけでもないですし、いつも通り過ごせて良かったです。試合でもいつも通り勝って、そこを皆に見てもらえれば良いと思っています」
──ところでONEの計量方法は三浦選手にとっては良いころだらけではないかと。
「ハイ、凄く楽になりました。リカバリーはそれほどないのですが、体的に凄く楽です。直前まで食べながら、追い込み練習ができました。2月のラウラ・バリンとの試合の時はビビッてしまって早めに落とし過ぎたのですが、今回は既にアンダーになっている状態でもしっかり食べて、力がちゃんと出る状態です」
──計量の日に選手がフルーツや軽食といえども、朝食を摂っている姿を見るとこの計量方法の方が体に良いと思えます。
「体に良いから気持ち的にも余裕が出て、楽になりました。もう『あと〇〇グラム!!』という恐怖感から解放されたことは凄く大きいです。試合直前までコンディションを変えることなく練習できるので、試合に向けて精神的に安定できます」
──つまりは従来の減量方法では、一度試合前にコンディションを崩す必要があったということですね。その心身ともに良好なコンディションで迎えるサマラ・サントス戦です。シィオン・ヂィンナン戦と、もう1試合映像をチェックしたのですが、なぜ11勝も挙げることができているのか……不思議に感じる選手です。正直なところ。
(C)ONE
──逆に勝ちパターンがチェックできていないことで、怖さはないでしょうか。
「そうですね、分からない部分が多いです。最後の試合がパンダ選手なので、あの試合が今の彼女に一番近いのかと思っています。相手の動きを見て、攻撃を受ける選手という印象があります。いつもと同じように組んで倒すことができれば、勝てると思います」
──あれぇ……もう、打撃を使ってという言葉は封印されたのですか（笑）。
「アハハハ。無理して強気に『打撃で行きます』っていうよりも、素直に自分のできるところで勝負しようと。プロフィールよりも背が高い選手なのでダブルでいければと思いますが、自然と組んだらいけてしまうかもしれないです」
──首投げは、かも……ですか（笑）。
「かも、です（笑）。寝技でも漬けられているイメージの選手ですが、手足が長くて首投げだとバックに回られる可能性があるのでダブルレッグで倒し、ノースサウスとか上から極める技を試すことがでできればと思っています」
──それでも首投げになる可能性が高いと踏んでいるのですが……。
「首投げだったら、その後は肩固めとか、袈裟固めからヒザ蹴りを入れていこうと思います。袈裟でも、膠着でなく動いていけるようにしたいです」
──首投げと袈裟固めでだけで勝てることは、それも大きな武器になります。ただし、それだけでは勝てない相手が出てくる。そこを考えると、進化する必要が出てきますね。
「ハイ。それに袈裟固めで勝つと、つまらない試合になるので極めていきたいです」
──そのための練習はどこでやってきましたか。
「いつもと変わらないですが、Tribeで男の選手と寝技の練習をして、AACCやHERTSの土曜日の午前中のプロ練習に参加してきました」
──HEARTSの土曜日のプロ練習は男子選手が集まる練習では?
「そこに藤野恵実選手と杉山しずか選手が加わっている感じです。AACCでは浜崎（朱加）選手はあまり時間が合わなかったのですが、アミバさんや本野美樹ちゃんとやってきました。本野さんは柔道出身なので、2人でやるときは組み合いにならないよう打撃でやろうって話して（笑）」
──なるほどぉ（笑）。藤野選手はデビュー戦で戦って以来、練習仲間でありセコンドにもついてもらってきました。対藤野選手との練習で成長は感じられますか。
「凄く強い力で押されても、どうしようかと考えられるようにはなりました。前よりは良くなっていると思います。何より恵実さんのおかげで、ビビらずに前に出られるようになりました」
──話を伺っていて、試合まで5日ですが十分にリラックスできているように見受けられました。
「2月の方が緊張していました。前回は海外が初めてで空港を出るのも大変でしたし、それよりは随分と落ち着いていられます。日本人選手も多いですし、（若松）佑弥君がいるので、色々と話せて安心できます」
──ONE女子フライ級王者シィォン・ヂィンナン、パンダとの距離はまだあるかと思いますが、この試合を経てどのようなキャリアアップを考えていますか。
「私もここ1年半で4連勝していますし、パンダ選手とやってみたいです。もう一つ上のステージで戦ってみたいと思っています」
──そのためにサマラ・サントス戦、どのような試合にしたいですか。
「次のステップに向かうためには、ここで完勝することが大事だと思っています。前回の試合がまぐれかと思われているかもしれないので、ここも同じようにしっかりと勝ちたいです」
