【KNOCK OUT60】カルロス・モタとUNLIMITEDフェザー級王座決定戦。有川直毅「俺なら全然勝てるな」
【写真】テイクダウンがある距離とタイミング。今回の相手は、それが分かっているモタだけにUNLIMITEDの新たな展開が見られるかもしれない(C)TAKUMI NAKAMURA
30日(火)東京都渋谷区の国立代々木競技場第二体育館で開催されるKNOCK OUT60「K.O CLIMAX 2025」で、KNOCK OUT-UNLIMITEDフェザー級(※57.5キロ)王座決定戦で有川直毅がカルロス・モタと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
2023年12月に伊藤盛一郎とパンクラス・フライ級暫定王座決定戦を争い、RNCで一本負けを喫した有川。この敗戦後、有川は海外での試合を模索しながら、新たな戦いの場としてKNOCK OUT・UNLMITEDルールを選択した。
そして11月のKNOCK OUT-UNLIMITED 57キロ契約ワンデートーナメントでは川野龍輝、山野邉嵐、今村流星を下して優勝。この流れでモタとの王座決定戦に駒を進めた。
「UNLMITEDは自分のためにあるようなルール」と豪語する有川はMMAファイターの目線からUNLMITEDルールの特徴と可能性を語ってくれた。
REDルールでキックの選手とやりたいとも思っている
──カルロス・モタとUNLIMITEDフェザー級王座決定戦で対戦する有川選手です。有川選手は11月のUNLIMITED 57キロ契約ワンデートーナメントで優勝して、今回の王座決定戦に臨むわけですが、なぜUNLIMITEDルールに挑戦しようと思ったのですか。
「僕が最後にMMAで負けた試合がパンクラスのタイトルマッチ(2023年12月、伊藤盛一郎に一本負け)だったんですけど、目の前でベルトを獲れなかったことで正直燃え尽きちゃったところがあったんですよね。小池(義昭)代表からは『まだ辞めるなよ』みたいな感じで言われていたんですけど、自分の中では一区切りというか、やり尽くした・出し尽くしたのかなと思っていました。ただ自分が何のために格闘技をやっているのかと言ったら、刺激を求めているからなんですよ。
それでタイトルマッチで負けてから3カ月ほど格闘技を全くやらずに普通の生活をしていたのですが、やっぱり刺激のある人生じゃないと俺はこのままダメになると思って、もう1回格闘技をやりたいと思いました。ただそこでもう一度パンクラスのベルトを目指すとなると、そこには燃え尽きていた部分があったので、新たな道を選びたいと思っていました」
――その新しい道としてKNOCK OUTを選んだ理由とは?
「自分には海外で試合をするという目標もあったので、海外で試合することを視野に入れていて、実は一度豪州のHEXでタイトルマッチの話があったんですよ。それで話を進めようと思っていたら、対戦相手が、DWCS参戦が決まったか何かでキャンセルになったんですよね。他にもUAEWやジャングルファイトからも話があったのですが、色んなことを考えすぎちゃって。なかなか決めきれずにいた時に、UNLIMITEDルールのトーナメント募集の情報を目にして。
UNLIMITEDルールは寝技がなくて自分に合っているルールだと思ったし、賞金も魅力的だったので自分から応募させてもらいました。ただその時点ではどんな選手が出てくるか分からなかったし、正直リスキーな選択だったとは思いますが、再起をかけるならそのぐらいのことをやらないとダメだと思って応募しましたね」
──結果的にトーナメントで優勝することが出来ましたが、このルールは打撃一発で試合が終わる、ストライカーが勝利しやすい、番狂わせが起きやすいルールだと思います。試合前はそういった緊張感はなかったですか。
「トーナメントにはキックボクサーも多く出ていて、僕は試合でキックボクサーの打撃を体感したことがなかたので、どんな感じだろうな?とは思っていました。ただ自分の打撃だったらキックボクサー相手にも通用すると思っていましたし。僕らは山本“KID”徳郁選手や須藤元気選手が立ち技でも勝つところを見てきた世代なので、UNLIMITEDルールは面白い選択なのかなと思いました。今回の試合からは脱線してしまいますが、いずれはREDルールでキックの選手とやりたいとも思っているんですよ」
──そうなのですね。 そこまで有川選手に立ち技に対して興味を持っているのは意外でした。
「自分の打撃がどのくらい通じるんだろう?というのはいつも思っていることですね。トーナメントの1回戦ではONE Friday Fightsにも参戦しているキックボクサーの川野龍輝選手と対戦して、相手はMMAグローブに慣れていなかったとは思うんですけど、自分の打撃を効かせた感覚もあったし、決勝でもKrushに出ている今村流星選手から打撃でダウンを取ることが出来ました。自分のMMA仕込みの踏み込みはキックにはないものだと思うので、それをREDルールでも見せたいなとは思います」
UNLIMITEDルールに特化して、たまにMMAをやるぐらい
──有川選手のREDルール挑戦は楽しみです。その前に今回はモタとの一戦ということで、そこについて聞かせてください。対戦相手としてモタにはどのような印象を持っていますか。
「モタと中村悠磨選手がやった試合を現地で見させてもらったんですけど、元気があって動きがダイナミックで、そこでポイントを稼いでいるように見えました。あの試合は1Rにいいパンチをもらったあとにテイクダウンを仕掛けて盛り返したのは格闘IQが高いなと思いましたが、正直あの相手にそのぐらいの試合かと思っちゃったし、面白い選手だなと思うと同時に俺なら全然勝てるなと思いましたね」
──MMAでの実績を考えればモタが圧勝してもおかしくない試合だったと。有川選手としては攻略する糸口やチャンスは見えていますか。
「栗秋(祥吾)選手とやった試合を見ても、意外とキックボクサーの栗秋選手にポジションを返されているところもあったので、そういうところを見るとUNLIMITEDルールにアジャストできてないのかなと思います。モタはUNLIMITEDルールで2試合、僕はワンデートーナメントとはいえ3試合をやっているので、そこで得た経験値は自分の方が勝っていると思います」
──練習そのものはUNLIMITEDルールに特化した形で続けているのですか。
「そうですね。前までは壁レスとか今まで通りのMMAの練習もやっていたんですけど、今はUNLIMITEDルールに特化して、たまにMMAをやるぐらいです。というのもMMAでは打撃を効かせられなかったらしっかりポイントを取る試合をしたいと思っていて、その名残りじゃないですけど、MMAの練習をしていると抑えつけちゃうところがあったんですよね。でもそこもUNLIMITEDルール用に変えようと思っていて。UNLIMITEDル―ルはグラウンドになったらすぐブレイクになるので、どれだけ攻撃的にいけるかを意識するためにもUNLIMITEDルールに特化した練習をしています」
──UNLIMITEDルールに特化した練習をすることで、新たにここで殴ることが出来る・蹴ることが出来るというタイミングやポジションも発見出来ましたか。
「出来ましたね。だからUNLIMITEDルールはMMAにも活きると思いますね。今、ウチ(K-PLACE)でもMMAの選手をUNLIMITEDルールに誘って練習をしています。MMAでも際を狙うのは一番大切なところだし、UNLIMITEDルールはその際に特化したルールだと思うんですよね。大沢ケンジさんがジムの選手を『UNLIMITEDルールをやらせてからMMAに出す』と言っていますが、その考えは分かるなと思います」
もっとUNLIMITEDを普及させたい
──組技においてスクランブルという攻防があるように、打撃にもスクランブルがあって、UNLIMITEDルールはその攻防を強化するルールかもしれないですね。
「間違いないですね。ウチは結構組み・スクランブルのジムだと思われているかもしれませんが、打撃のスクランブルが出来ている選手は少ないと思うんですよね。そういう部分を自分がジムに持ち込んでいるので、相乗効果にはなっていると思います」
──今回はUNLIMITEDルールのタイトルマッチですが、今後はUNLIMITEDとMMAの試合を並行することも考えていますか。
「やっぱりMMAで育ったので、いずれはMMAに戻りたいなと思う気持ちもありつつ、自分はUNLIMITEDもめっちゃ好きで。自分に合っているルールだと思うので、もっとUNLIMITEDを普及させたいと思います。UNLIMITEDはやっている側はめちゃめちゃしんどいんですけど……見ている側はものすごく楽しいじゃないですか(笑)。
格闘技は選手の自己満で終わるのもいいと思うんですけど、人に見てもらうエンタメの部分もあって、その意味でもUNLIMITEDが普及した方が絶対に格闘技そのものが盛り上がると思っています。今はUNLIMITEDをしっかりやって、来年もUNLIMITEDでどんどん試合をやりたいですね。その上でいつかMMAの試合にも復帰したいと思います。UNLIMITEDで打撃とアグレッシブさを磨きつつ、寝技も最低限忘れないようにしておきます(笑)」
■視聴方法(予定)
12月30日(火)
午後1時15分~U-NEXT
■KNOCK OUT60対戦カード
<KNOCK OUT-REDライト級(※62.5キロ)選手権試合/3分3R>
[王者] ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ)
[挑戦者] 久井大夢(日本)
<KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級(※70.0キロ)選手権試合/3分3R>
[王者] 海人(日本)
[挑戦者] シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
<KNOCK OUT-BLACKウェルター級(※67.5キロ)選手権試合/3分3R>
[王者] 中島玲(日本)
[挑戦者] ユリアン・ポズドニアコフ(ウクライナ)
<KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(※46.0キロ)選手権試合/3分3R>
[王者] Kiho(日本)
[挑戦者] 山田真子(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITEDフェザー級(※57.5キロ)王座決定戦/3分3R>
カルロス・モタ(ブラジル)
有川直毅(日本)
<KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級(※60キロ)/3分3R>
ゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッー(タイ)
軍司泰斗(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED68キロ契約/3分3R>
松嶋こよみ(日本)
漁鬼(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED60キロトーナメント決勝/3分3R>
TBA(――)
TBA(――)
<KNOCK OUT-BLACK59.0キロ契約/3分3R>
龍聖(日本)
玖村修平(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED77キロ契約/3分3R>
スパイク・カーライル(米国)
宮原穣(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED61.5キロ契約/3分3R>
大雅(日本)
プンルアン・バーンランバー(タイ)
<KNOCK OUT-REDバンタム級(※53.5キロ)/3分3R>
乙津陸(日本)
星拓海(タイ)
<KNOCK OUT-RED61.5キロ契約/3分3R>
重森陽太(日本)
ロム・イーサン・タイガーレオン(タイ)
<KNOCK OUT-BLACK48キロ契約/3分3R>
ぱんちゃん璃奈(日本)
サネーガーム・サックチャムニ(タイ)
<KNOCK OUT-UNLIMITED63キロ契約/3分3R>
中村悠磨(日本)
ふくやーまん(日本)
<KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級(※55キロ)/3分3R>
前田大尊(日本)
川野龍輝(日本)
<KNOCK OUT-REDフェザー級(※57.5キロ)/3分3R>
“狂拳”迅(日本)
皆川裕哉(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED60キロトーナメント準決勝/3分3R>
平川蓮斗(日本)
タン・フォン(中国)
<KNOCK OUT-UNLIMITED60キロトーナメント準決勝/3分3R>
町田光(日本)
新田宗一朗(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED60キロトーナメント・リザーブ戦/3分3R>
宇山京介(日本)
オルベン・キンジ(日本)
<KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級(※60キロ)/3分3R>
荒井幸太郎(日本)
滝澤直樹(日本)
<KNOCK OUT-BLACKライト級(※62.5キロ)/3分3R>
隼大(日本)
栗野耕作(日本)
















