【Bellator222】正式決定!! ロリマク✖ネイマン & 世界の檜舞台で堀口恭司がコールドウェルに挑戦
【写真】リングだから──という言い訳をさせない場=サークルケージで、堀口が世界に力を示す檜舞台=MSGに登場する(C)MMAPLANET
4月30日(火・現地時間)、Bellatorより6月14日(金・同)にニューヨーク州ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで開催されるBellator222でローリー・マクドナルド✖ネイマン・グレイシー=ベラトール世界ウェルター級選手権試合、そしてダリオン・コールドウェル✖堀口恭司=ベラトール世界バンタム級選手権試合が行われることが正式発表された。
先週のベラトール220でジョン・フィッチを相手に0-1という劣勢のドロー防衛によりワールドGPトーナメント準決勝の進出を決めたマクドナルド。中継内で既にネイマンとフェイスオフを行い、2カ月間のインターバルで戦うことが正式に決まった。
MSGとネイマンが拠点を置く、ヘンゾ・グレイシー柔術ヘッドクォーターは距離にしては僅か320メートル、歩いて3分の距離にあるネイマンにとって地元も地元だ。トーナメント初戦でエド・ルースを破ったネイマンは、一度バックを取ると──極め切るという勝負強さと共に、その態勢になるまでの過程でテイクダウンを切られても、勝負し続けることができる体力、そして精神力を有していることを証明した。地元の声援が、そんな彼をさらにプッシュすることは間違いない。
対して、フィッチを相手に苦戦を強いられ、試合後のコメントでも迷いが見られたロリマクが如何にハードな連戦で、気持ちを持ち直すことができるのか。本来はフィッチを相手に見せたように、テイクダウンに来る相手に対してあれだけヒザ蹴りやハイキックを入れることができるロリマクだけに、それ以前にジャブと腹への蹴りだけでネイマンを疲弊させることも可能だ。
25分間の戦いで、1度でもバックマウントに入れば──という気持ちで向かっていくことができるネイマンに対して、組まれても自らのファイトを貫く精神力をロリマクが作ることができるのか。この気持ちの部分は、勝敗を占ううえで非常に大きな要素になってくるだろう。
そして堀口がコールドウェルに挑む世界バンタム級戦。UFCを離れ、RIZINを選択したことで世界の舞台から離れたように感じられた堀口だが、UFCに所属せずとも日本で結果を残すことで、MSGという檜舞台で全米第2のプロモ―ションのベルトに挑戦するという誰もできない快挙をやってのけた。
もちろん、その背景には昨年の大みそかにコールドウェルを破り、RIZINバンタム級王座を獲得したことが大きな要因となっている。スコット・コーカーとすれば、コールドウェルが堀口に敗れる──しかもギロチンでタップを取られるという予測は一切立てていなかっただろう。
それだけの強豪を下したことで、堀口はこの舞台で戦う権利を得た。そして、ケージで戦うことで「リングだから」という声も払拭できるに違いない。とはいっても、このリングだからという声はコールドウェル敗北の原因として言い訳ではなく、「ケージだったら」という見方に置き換えることができる。やはりMMAはケージが世界標準、金網のなかで堀口がコールドウェルとどのように戦のか。リング使用がコールドウェルが破れた最大の原因であったとしても、何もリングがレスラーに不利で、ケージが有利ではないことは記しておきたい。
ケージは守りやすく、攻めにくい戦場だ。まずリングに比べて、金網を第2のマット代わりにできるため、押し込まれてもバランスをキープしやすい。一方でローブは押し込まれると不安定かつ、隙間を利用できるのでクラッチを組まれやすい。
リングが押し込まれる側にとって利点となるのは、足をエプロンに出すことで体に力を伝えやすい姿勢をキープし続けることができることだろう。これがケージだと、窮屈な姿勢を強いられ、動きづらくバランスも崩しやすくなる。
とはいっても、そのようなリングorケージの特徴よりも、コールドウェルの敗因をリングに求めるのであれば、それは慣れてないという点に尽きる。守りに適したケージであるからこそ、他より秀でたコールドウェルのテイクダウン能力が生きていた。テイクダウンしやすいリングは、相対な見方をすると彼の長所を相殺したことになる。
コールドウェルにとっては、リングに不慣れな点がディスアドバンテージになったことは絶対だろう。ただし、堀口にとってはケージで戦うことは不利な要素にならない。既に十分に経験を積んできている。さらにいえばロープでも見せたように、堀口のウィザードの強さを持ってすると、押し込まれても殴れる強さがケージではより生きる可能性が高い。
ただし、そこも踏まえてなおケージで戦いは、守りやすさ以上にコールドウェルが引き出しの多さを見せることになることも考えられる。
打撃に関しては、サークルケージはリングのように追い込む角はないが、空手の距離感と近づいたときのヘッドムーブ、手打ちにならないで足下から力が伝わる突きを放てるようになっている堀口にとっては問題とはならないだろう。移動先が読めることで、蹴りを使える利点が強くなる。
ケージならリングよりも強いコールドウェルに対し、ケージでも十分に強い堀口。両者の再戦は、日本の男子選手が、初めて北米メジャーのベルトを巻く可能性が十分にある世界戦といえる。