【Special】挑戦、Evolve MMAトライアウト─06─上久保周哉「今は試合に集中しています」
【写真】シンガポール大会に出場後、トライアウトに参加。濃密な刻を過ごす上久保 (C) MMAPLANET
8月29日(水・現地時間)、Evolve MMAが発表したトライアウトがついに9日(金・同)からシンガポールで始まる。
イヴォルブMMAでは、15日までのトライアウトで合格したファイターは3年契約で年棒年俸48000ドル(約530万円)、住居の提供、マネージメントによるキャリアップとスポンサーの獲得のサポートを受け、イヴォルブMMAでのトーニングが約束される。
書類審査を通った70名のファイターから、20名という枠に残るのは誰になるのか。MMPLANETでは日本か参加する7名のファイターの意気込みをトライアウト開始までお伝えする。
Evolve MMAトライアウト・チャレンジ企画、第6弾は既にONEに参戦している上久保周哉手に話を訊いた。
本日9日(金・現地時間)、シンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE81「Heart of the Lion」でムハメド・アイマンと戦う上久保にとってのトライアウトとは。
──9日にアイマン戦が控えている上久保選手ですが、11日からのトライアウトにも挑戦します。大変なスケジュールになっていますね。
「トライアウトの申し込みをしたのは、試合が決まる前でした。そして、試合が決まってから……ちょっと、確認します──10月半ばにトライアウトの書類審査が通ったという知らせがあったんです。この時は試合は決まっても、日程はまだもらっていなかったので、もしかしたら重なるかもという想いはありました」
──トライアウトの存在を知った時は、どう思いましたか。
「発表があってその日すぐに知って、破格の条件だと思いました。自分もどれぐらい格闘技ができるのか分からないので、やれることはやろうと申し込みました。ウォリアー・シリーズのセレクションもそうでしが、モノにできる可能性のあるモノは全てモノにしていこうと思っています。だから発表があってからは、すぐにどういう風に申し込もうかと考えました」
──売り込み方向を考えたと(笑)。
「ハイ、MMAの成績、最近の柔術の試合結果、ムンジアルに出場していること。それと柔道をやってきたことと一番最近の試合はONEで戦っていると書きました。そしてONEの試合の映像を送りました」
──トライアウトでは、どのような自分を見せたいですか。
「組みに賭けるところがあるので、一番は組みですね。あとは打撃も鍛えがいがあると思ってもらえればと(笑)。そんなに自慢できるほどの打撃はないのですが……」
──格闘家人生を考えると、凄く大切なトライアウトですが、その前に試合があります。
「試合があくまでも最優先です。そこでケガをしてトライアウトを受けられないのであれば、それはそういうものです。タイミング的にはこういうことになったのですが、それほど気にしていないです。試合後に万全の状態でなくても、そこで頑張ればアピールになりますし。もちろん、試合もアピール材料にしたいです」
──好材料としたいアイマン戦ですが、どのような印象を持っていますか。
「打撃は丁寧な感じで、組みも強い。組みも強いけど、あまり試合には出していない。でも実際に組むと強いと思います」
──ダニー・キンガド戦ではテイクダウンを何度も許し、抑えられて負けた。ただし、他の試合ではテイクダウンを奪って勝ち、あるいはテイクダウンを切ってバックに回ったり、打撃を入れるなど、試合によって見えてくる部分が違ってくる選手に感じられました。
「ハイ。周囲は組みは大丈夫だと言っていますが、自分はそんな風に思っていないです。サウスポーを試していたり、試合によって印象が本当に違う選手なので、この間に強くなっていることが十分にあると思っています」
──そこを踏まえて上久保選手がやらなければならないことは?
「圧力を掛けることです。向こうは自分の距離を保って、下がらせてから好きに動いてくるので、そこを負けないようにしないといけないです」
──上久保選手は国内でトップになる前に、ONEで戦績を積み重ねるという非常に珍しい選択をしました。
「もともと自信をもって試合をするタイプではないので、ONEで戦っていくことに自信があるわけではないです(笑)。でも、自分の限界……どこまで行けるのか、成長せざるを得ない状況に自分を置くことは良いと思っています。
強い選手と試合をすることで、そのための準備期間も強くなれる要素だと思います。フェニックスFCでサーワン・カカイと試合をすることが決まり、試合はなくなってしまったのですが、あの期間で技術的に伸びた確信があります。なので……そういう状況に身を置いた方が強くなれるんじゃないかと思っています」
──東南アジアの選手は急激に力をつけています。そういう選手と試合をすることは、日本にいては実現していなかったです。
「格闘技云々というより、これから生きていく中で良い経験ができていると思っています。他の人が経験できないことを自分は経験できているので。日本で消耗して海外に出るより、良いと自分では考えています」
──まずは試合、トライアウト前に意気込みをお願いします。
「あんまり自分がそんなに強いと思っていないです。一生懸命やれることをやって、自分のことは信用していないので磯野(元)さんと濱村(健)さんと作戦を考えて、自分のできることをやろうと思います」
──その結果をもってトライアウトに臨むと。
「トライアウトも大切ですが、今は試合に集中しています。今は試合でベストパフォーマンスを出すことだけを考え、トライアウトが始まれば、トライアウトに切り替える。そこはできる人間だと思っています」
■ONE81対戦カード
<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)王座統一戦/5分5R>
[正規王者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[暫定王者]ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
<73キロ契約/5分3R>
クリスチャン・リー(米国)
徳留和樹(日本)
<キックボクシング71キロ契約/3分3R>
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
ソーグラオ・ペッティンディーアカデミー(タイ)
<女子ストロー級(※56.7キロ)/3分3R>
ティファニー・テオ(シンガポール)
ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エイドリアン・パン(豪州)
下石康太(日本)
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ジョージ・マン(英国)
ジョー・ナタワット(タイ)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
アンドリュー・ミラー(英国)
アラヴェルディ・ラマザノフ(ロシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
イ・ソンジョン(韓国)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
ヒマンシュ・コシィック(インド)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
パニコス・ユーサフ(キプロス)
ムエンタイP.K.センチャイムエタイジム(タイ)
<散打/3分3R>
シャゼイブ・リンドゥ(パキスタン)
フォン・レイ(中国)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ムハメド・アイマン(マレーシア)
上久保周哉(日本)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ヒシャム・サムスディン(マレーシア)
シエ・ビン(中国)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アンソニー・アンゲレン(オランダ)
メアス・スー(カンボジア)