【Fury FC113】フライ級王座決定戦に挑む、DREAMER鈴木崇矢「僕はデビュー戦がアレだったので……」
【写真】いつも通り、元気いっぱいでした (C)MMAPLANET
18日(日・現地時間)、テキサス州ヒューストンのイメージン・ベニューズで開催されるFury FC113で、鈴木崇矢がトニオ・フィゲイレドとFury FCフライ級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima
格闘DREMAERS出身、オーディションの時から「UFC世界チャンピオンになる」と公言してきた21歳は、キルクリフFCで練習を重ね2025年を終えた。当初、4、5試合を戦うという予定は狂い、僅か1試合にとどまった2025年で鈴木は如何に力をつけたのか。
そしてFury FCから先をどのように考えているのか。MMAファイター人生、その旅はまだまだ最初の一里塚を迎えたに過ぎない21歳のMMA DREAMERに話を訊いた。
もう試合ができないなら、日本で戦おうと思いました(笑)
――崇矢選手がFury FCでタイトルマッチを戦うというのは、かなり前に聞いていました。ただ12月の試合が流れて、その後の情報が入ってきていないなかで今週にあるとSNCで知った次第で……インタビュー依頼がギリギリになってスミマセンでした(※取材は14日に行われた)。
「こちらこそ、スミマセン。そうなんですよ、もともとは12月15日に組まれていたのですが、相手の都合で流れて。ビザの書き換えで一旦帰国して、トンボ帰りしたのに1カ月スライドって言われて(苦笑)」
――ところで2024年末にヘンリー・フーフトと一緒にインタビューをさせてもらった時に、2025年は4、5試合と経験を積んでいくという話でしたが、4月30日にXFC Young Gunsでガブリエル・ベロミニに右フックを決めてパウンドアウトでTKO勝ちした1試合を戦っただけになってしまいました。
「僕としては夏ごろにもう1試合、年内にもう1試合と3試合は戦うつもりでした。でもオファーが来ては、流れるというのを繰り返して……。結果、9月になった時には『もう試合ができないなら、日本で戦おう』と思いました(笑)。それもヘンリーとエージェントのジェイミー(ガル。ミッキー・ガルの妹)に伝えました。そうしたら、すぐにFury FCからオファーが来て、有難かったです。でも試合までにビザが切れるから、一度帰国したんです」
――日本で戦うのではなくて(笑)。
「ハイ(笑)。あの時は髙谷さんと相談して、本気で日本で試合をしようと考えていました。縁のある所、修斗かGrachanで戦っていたかもしれないです」
――それは、それで見てみたかった気もします。
「アハハハ。Road to UFCに出るということを考えると、あの時点ではあと2試合はしておかないと選考に引っかからないかもっていう心配もありました。だから日本で戦おうと思ったのですが、結果的にFury FCでタイトル戦という凄く良いオファーを貰えました。最初はチャンピオンシップではなかったのですが、帰国中に『タイトルマッチになったけど、それで良い?』っていう連絡があり、『ぜひっ!!』と即答しました」
――なるほどです。そんななか水を差すようですが、ヘンリーが言っていた「日本の5勝1敗は、米国の2勝1敗」という発言は本当にその通りだと、胸に残りました。そこはレスリングがどれだけできるかということが軸にある言葉だったかと思いますが、ベロミニはレスリングが強いという相手ではありませんでした。実際、2025年の1年で崇矢選手のレスリング力はどこまで上がったと実感していますか。
「試合と練習は違うというは大前提で。キルクリフにもD-1オールアメリカン・レスラーがいます。そういう選手たちとひたすらレスリングとグラップリングをやってきました。試合でどれだけレスリングを武器にできるかは、正直なところ未知数ですが、やってきたことは確かです。だからローカルの試合で、レスリング力がある選手と試合をしていないことに不安は感じていないです。
帰国した時に倫也さんと遊びながら組み合った時に、『構え、めっちゃ米国じゃん』って言われました(笑)。何が米国なのか分からないですけど、僕のレスリングはそうなっています。僕の前手の位置が、米国らしいです(笑)」
――そこまで板についてきたと?
「ただ周りがめちゃくちゃ強くて、階級もバンタム級やフェザー級の選手が多いから、テイクダウンは取れないです。でも間違いなくできるようになっていることは、膚で感じています」
僕は(堀口)恭司さんと戦いたいから
――その倫也選手がいるATTまで、キルクリフFCから車で15分程度です。日本人選手が集まるATTをどのように感じているのでしょうか。
「アハハハハ。そこ聞きますか(笑)。正直、軽量級の選手が多いのは良いなと思います。でも僕は(堀口)恭司さんと戦いたいから。それにヘンリーも軽量級を充実させると言ってくれているので。やっぱりヘンリーの情熱、人柄は絶対ですしね」
――押忍。米国のフィーダーショーの事情がそれほどわかっていないのですが、今回はヒューストンでの大会で試合の何日前に現地入りするのでしょうか。
「金曜日の夜にヒューストンについて、土曜日の朝が計量です。ちょっと、厳しいスケジュールです。今日もコーチから、『フライトがあって浮腫むから。もう少し体重を減らしていこう』という話があったんです。そうなのかって思って、すぐにタケ(大宮司岳彦トレーナー)さんに電話をしました。
でもフィーダーショーですからね。ファイトマネーや待遇じゃないです。UFCを目指すために戦う場所なんで。それこそ僕フロリダに拠点を移すと決めた時に、LFAでチャンピオンになって、そのままUFCに行くって目標を書いていたんです。LFAでなくFury FCになったけど、UFCファイトパスで配信されている大会のチャンピオンシップを戦える。目標に近づいているのは絶対で。思った通りに来ているので、サポートしてくれる人達に本当に感謝しています」
――多くの人と違う道を歩むことに遣り甲斐を感じていますか。
「う~ん、僕は僕ですから。誰かと比べるといっても、じゃあ誰と比べるんだっていう話しになっちゃうじゃないですか。だから他の人のことは、気にしていないです」
――なるほどです。では今回の対戦相手は「日本と違うbyヘンリー・フーフト」のいう米国の5勝0敗のファイターです。
「ハイ。なんというのか、ちゃんと強いです。倒す感覚を持っているので、怖さもあります。突っ込むと、右を当てて倒しています。でも判定までもつれている試合もあって。そうなると、やっぱり相手次第で。相手のミスを拾ってKOデキる嗅覚はありそうです。ただ、僕のような選手とは戦っていないので。僕のような選手と戦うと、どうなるのか。そこは楽しみです」
――少しワイドスタンス、腰が低い。そして、少し後ろ足が内側に入っている構え。あれでよく奥手が相手に届くなと思います。
「あんなにしぼっているのに、ですよね。相手が出てくるときにクロスを当てたり、ステップインして打っています。それこそ日本にいると戦えない。ちゃんと強キャラが来たと思います。パンチは重そうですが、実際に向き合わないと分からないことは多いです。
スピード、手の長さ、場の支配。アマチュアからFury FCで戦ってきた選手で、地元で戦う。空気の支配力とか、慣れとか諸々を含めた時にケージのなかでどういう展開が生まれるのか。ワクワクもあるし……恐怖心とは違うけど、気になること、気を付けないといけないことはたくさんあります。そこに対して、積んできたことをどうぶつけることができるのか。当日になると分かることに関しては、やっぱり楽しみです」
あの時と同じループに入っていないか、自問自答して
――鈴木崇矢という青年はどれだけハードな練習でも、MMAをやることが楽しそうで。ただし、試合になると楽しさに流されない。凄くシビアに捉えている選手だと思っています。
「あっ……あのう……。いや、なんて言って良いのか。リモートじゃなかったら、ハグさせてほしかったです(笑)」
――勘弁してください(笑)。格闘家は思春期が長いんですよ。
「思春期真っただ中だと思います(笑)。やっぱり僕はデビュー戦がアレだったので……。あのPOUNDSTORMでの負け試合が、本当に骨身にしみて……良い教訓になっています。調子が良いし、試合が楽しみでワクワクしている。でも、『今の俺、あの時の自分に重なるな』って思うことがあるんです。あの時と同じループに入っていないか、自問自答して。
前に進むけど、しっかりと確認を怠らない。あのデビュー戦があったから、そういう風にデキていると思います。今回はより、そこに敏感になってやっていました。これまでのファイトウィークとも違ってきています」
――ここでのタイトルは通過点。ゴールに向かって戦うわけですから、勝つことを前提にこれからをどのように考えているのでしょうか。
「勝って、ベルトを巻いて。マイクでダナ・ホワイトにアピールします(笑)。『いつでも戦えるから、オファーをくれ』って」
――“I’m always ready to fight. Give me a call.”ですね(笑)。
「はい。UFCにそのまま行けるオファーを待ちます。それぐらいの気持ちでマイクアピールをして……3月、4月大会の声が掛からなかったら、Road to UFCで戦おうと思います」
――やはりコンテンダーシリーズはないと?
「ハイ、ヘンリーがコンテンダーシリーズは条件が良くないから、僕の年齢では狙うべきじゃないという考えなんです。僕はコンテンダーでもRoad to UFCでも良くて。Road to UFCはもう申し込んでいます。Road to UFCの良い所は3試合戦えることですよね。勝てば確実に契約できますし」
――ただし、Road to UFCの優勝者のパフォーマンスが本場所で芳しくないという話もなされているようです。UFCとのレベル差が大きいと。
「う~ん、去年から豪州やニュージーランド、それにモンゴルも入ってきたじゃないですか。だからフライ級は以前より、レベルが上がっていると思います。中国、韓国、日本が勝てなくなっているのが現実ですし。あのグラジのチャンピオンのモンゴル人、出てきますかね」
――オトゴンバートル・ボルドバートルですね。申し込みたいけど、その連絡が来ていないとマネージメントサイドが言っていたことがあります。
「ニュージーランドや豪州、モンゴルは強いイメージがあります。ああいう選手が出てくると、面白いですよね。ちょっと気合が入ります。米国で戦績を積むのも良いけど、Road to UFCだからこそモンゴル人のような荒々しいファイターと戦えるというのはあると思います。MMAをし過ぎていないというか。ファイトしにきている感じがあって。MMAの先に、そういうファイトが必要になることもあるし。そういう相手と戦えるのも、Road to UFCの良さだと思っています」
――押忍。UFCなのか、Road to UFCになるのか。とにかく大切な試合にむけて、最後に意気込みをお願いします。
「必ず勝ってきます。本当に勝つことしか考えていなくて。もう、やってきたことを信じて戦うだけで。支えてくれる人達に感謝して、やってきます。本当にいつも、ありがとうございます!!」
■視聴方法(予定)
1月19日(月・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
■Fury FC113主な対戦カード
<Fury FCバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] アブドゥル・カマラ(シエラレオネ)
[挑戦者] マテウス・シウバ(ブラジル)
<CFFCフライ級王座決定戦/5分5R>
トニコ・フィゲイレド(米国)
鈴木崇矢(日本)
<ライト級/5分3R>
アルトゥル・ミネフ(ウクライナ)
デレック・カンポス(米国)
<フライ級/5分3>
パリス・モーラン(米国)
ゲルマン・オルピネダ・ポンセ(メキシコ)
<ミドル級/5分3>
ブランドン・ホームス(米国)
プレストン・ラグレンジ(米国)
<アマ・ライト級/3分3>
カルロス・エンヒッキ(ブラジル)
パトリック・オリンマ(米国)
















