【ONE76】MMA2戦目、ゲイリー・トノン「小さなグローブで相手を殴ったことが、自信を与えてくれた」
【写真】特徴的な髭をたくわえてきたトノン (C)MMAPLANET
27日(金・現地時間)、フィリンピンはマニラのMOAアリーナで開催されるONE77「Reign of Kings」で、ゲイリー・トノンが2度目のMMAを戦う。
3月のデビュー戦では打撃を主体に戦ったトノン、その意図は何だったのか。世界最高峰の極め技師からMMAファイターへ、その道程なるトノンに話を訊いた。
──2度目のMMAが迫ってきました。今の気持ちを教えてください。
「前回に比べると、全てにおいて気持ち良く準備できているよ。MMAデビュー戦から3カ月、普段の練習においてもしっかりと前進できている。そういう部分で、ケージに上がるというメンタル作りも前よりは容易くなっているね。
ケージで戦うということは、違う人間が僕のことを痛めつけるところに身を置くわけだから、本当にタフなんだ。トレーニングの数が増えるだけ、そういうことに対して身構える必要がなくなってきた。そして、自信になっている」
──まだ1試合ですが、この1試合を戦ったかどうかが大きいわけですね。
「絶対的にね。まだ1試合しか戦っていない、経験が不足していることは確かだ。でも1試合の経験は積んだ。これからのための一歩を踏み出している。そして、毎日のように成長し続けている。一度戦った経験が、目標に向かって後退しているわけがない。目標にむかって、その過程になるわけだからね」
──リカルド・コーミナー戦では、あえて打撃で戦ったように見えました。
「スパーリングで殴るということを経験していても、やはり実際のファイトとは違う。だから、実戦のなかで打撃を使うという経験は何事にも代えがたいんだ。だって、僕にとって正真正銘の初めてのMMAファイトだったんだから。寝技でポジションを取ったときも、言ってみればあえてパウンドをした。僕はすでに相手をサブミットする方法は分かっている。練習も含めれば100万回も経験してきたことだからね(笑)。
でも、ポジションを取って人を殴ったことはなかった。だから、そういう違った状況を経験する必要がある。ただ極めて終わるのではなく、色々なことが経験できたMMA初戦だったよ。ああいう試合がこれからも繰り返されるということではなくけど、前進するために必要だった。金曜日の試合はどうなるのか、自分でも分からない。ただし、もっともっと経験が必要なことは分かっている。そして、今回はサブミッションするという流れになりやすいかもね。まぁ、試合が始まってどうなるのか──だね」
──バックを取ったのだから絞めてくれよぉと、正直思いました。
「ハハハ、いろんな人たちに神経を使わせたみたいだね。それはコーチ達も含めてね。みんな、僕がどんな風に戦えるのかナーバスになっていた。でも、それがMMAという戦いの醍醐味だと思う。
僕は常に将来を考えている。何かが必要になった時、手遅れになりたくないんだ。僕の最大の武器で勝っても、この次は打撃を使わないと勝てないかもしれない。レスリングが必要かもしれない。そういう状況が来る以前に、経験値を上げておきたかった。
KOすること、テイクダウンすることを恐れることなく使えるようになるには、その状況がやってくる前に経験しておくべきだと考えていた。その結果、最初に言ったように今回の試合は気持ち良く準備できている。スタンドに立って、あの小さなグローブで対戦相手を殴った。それが僕に自信を与えてくれたんだ」
──ではバンコクに続き、マニラと東南アジアで戦うことに関して、どのように思っていますか。
「アジアを縦断するなんて、ONEで戦わないと経験できなかった。自分のエリアのことしか知らないような人間になりたくなかったし、こうやってそれぞれの国の文化、習慣、人々に触れることができて凄く楽しんでいる」
──今回の対戦相手、ラフール・ラジュですが……。
「近くにいるかもしれないから、大きな声では言えないよ(笑)。一挙に距離を詰めてパンチを振るい、クリンチをしてくる。そしてテイクダウンを奪ってパウンドでTKOというのが彼のスタイルだろう。
ただし、金曜日にそういう試合展開を狙うことはないだろう。テイクダウンをするのは、僕が相手だと良い判断じゃない。スタンドで倒したいだろうね。逆に僕がスタンドでパンチを当てて、テイクダウンからグラウンドに持ち込む方が良い。
まだ2戦目だ、僕には穴もある。相手のことを研究して、試合内容が云々というのはまだ早い。僕の知らない技を持っているかもしれないし、彼にだって色々な可能性がある。それがMMAだよ」
──ゲイリー、今日はありがとうございました。金曜日の試合、楽しみにしています。
「ありがとう。日本のファンも僕の試合を楽しみにしてほしい。そして、来年3月のONE東京大会で僕の名前がそのカードで見られることを期待しているよ。いつも、僕のことを応援してくれてありがとう」
■ ONE77対戦カード
<ONE暫定世界バンタム級王座決定戦(※65.8キロ)/5分5R>
マーチン・ヌグエン(豪州)
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
シャノン・ウィラチャイ(タイ)
青木真也(日本)
<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ヘンゾ・グレイシー(ブラジル)
近藤有己(日本)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アジズ・パフルディノフ(ロシア)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ラフール・ラジュ(インド)
<キック・72.5キロ契約/3分3R>
アルメン・ペトロシアン(イタリア)
クリス・ンギンビ(オランダ)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
パイコス・ユースフ(キプロス)
ハン・ジィハオ(中国)
<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
ポンシリ・ミタシット(タイ)
<ムエタイ・68キロ契約/3分3R>
チャムアックトーン・ファイタームエタイ(タイ)
ブラウン・ピナス(オランダ)
<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
レネ・カタラン(フィリピン)
ステファー・ラハディアン(インドネシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ソー・サイ(カンボジア)
シエ・ビン(中国)