【ONE73】ONE世界ミドル級王者エヌサンに挑戦、長谷川賢―02―「完全に楽しんでやろうと思っています」
【写真】これまでのことも、これからもことも考えず――サークルケージで戦うことに、無心で挑んでほしい(C)MMAPLANET
29日(金・現地時間)、ミャンマーはヤンゴンのトゥウンア・ナショナルインドアスタジアムでONE73「Sprit of a Warrior」が開催される。今大会のメインでONE世界ミドル級王者オンラ・ンサンに挑戦する長谷川賢インタビュー後編。
長谷川をAmeba TVが制作するドキュメンタリー番組= ONE DAY が追い、MMAPLANETではこの一戦に向けて、長谷川の心境を尋ねた。舵を切った――長谷川、オングラ・エヌサン戦に向けての想いとは。
<長谷川賢インタビューPart.01はコチラから>
――一点、気になるのが長谷川選手はメガトン時代も含め、90キロ以上の相手でンサンのように動ける相手と戦った経験がほとんどないということなのですが。
「どうなんですかね。93キロといっても、結局はライトヘビー級ではなくてミドル級の選手なので、それほど気にしていないです。でかくて戦える選手……粗い部分もあるので狙い目だと思っています。
それにTitan FCで戦ったマット・トンプソンは動けましたしね。あの試合は色々と厳しくて……本当に触れてもらえないですけど。試合の3日前の深夜に米国に着いて、そこからドタバタ続きで。時差ボケで寝ることができなくて本当に大変だったんです。
相手も普通に強くて、判定がどう転ぶか分からない試合でした。でもあの試合でやり切れたので、今回もやり切るだけです」
――ンサンが粗いというのは?
「間違いなく強いです。粗さで勝っている。その粗さがプラスに出ているときは勝っている。逆にマイナスになることもある」
――対して長谷川選手は繊細な受けができるかと。
「だからこそ、ここでそれを魅せないといけないです。今回、楽しみなことが多いです。普通に強い相手ですけど、僕が伸ばしてきたところをぶつけることができる。チャレンジャーですし面倒臭いことがないから、やれること全部やろうと思います。気持ちも乗っています。何も気にしないで、試合に集中できています」
――会場はアリーナに空調がなく、中継用のライティングもあり非常にケージ回りは熱いという印象があります。暑さ対策のようなことを考えていますか。
「していないです。でも、偶然なのですがGENのエアコンが壊れていて、怪我の功名というかめちゃくちゃ熱いなかで練習を積むことができました(笑)。皆に気を使って暑さ対策をしているわけではないので、そこも良かったです」
――新天地、ここで見せたいというモノはありますか。
「僕は完全に楽しんでやろうと思っています。ONEに舵を切ったわけだし、毎日たくさん練習してきたことを見せるだけです。強くなるために毎日を過ごしてきたのから、ここで俺はやり切るだけです。
試合だからしんどい場面もあると思いますが、気持ちも折れないし。そこも楽しみたいです」
――この間の練習は減量と戦ってきた時期より、充実していましたか。
「どうだろう……ずっと必死にやってきていたので。ただ、今年に入ってからはちゃんと練習できています。どうやって取り戻せば良いのか分からなくて、腐っていた時期とは違います。2月の林(源平)戦までは、皆がなんとく気を使っているのが伝わってきていたし。自分で気を使われているのが、凄く嫌で――そういう日々を過ごしていました。
負けたら、勝利する日まで取り戻すことができない。失ったモノが大きすぎて……人生が狂ったと感じていたので。でも、本当のことを言うと次の試合に勝ったからといって、何か取り戻せるわけではないんです。
失ったモノ……あそこでチャンスを掴めなかったことは、凄く大きなことで。それを取り戻せるモノではないから、もっと厳しいことをしないといけない。道は険しくなったけど、諦めないことが一番です」
――やり直しもきかないからこそ、RIZIN後の何か吹っ切れた時の長谷川選手の気持ちぐらいに戻っているのではないかという気がしました。
「あぁ、言われてみると気持ちはあの時と近いかもしれないです。やるだけやってやろうって。強くなっているんです。その強くなっていることが楽しい。極論を言うと、僕は試合をしていなくても格闘技をやっていると楽しい人間です。
でも、格闘家なので試合をします。腕試しをしないといけない。これが仕事なんだから……でも趣味でもある。仕事だけど並行して強くなることが楽しい。だから……何だろう、今は強くなれる状況だと思えているので、試合が楽しみです」
■ONE73対戦カード
<ONE世界ミドル(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]長谷川賢(日本)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
レオナルド・イッサ(ブラジル)
ローマン・アルバレス(北マリアナ諸島)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
サゲッダーオ・ペットパヤータイ(タイ)
マー・ジャワン(中国)
<フェザー級(※70.3キロ)/3分5R>
ハファエル・ヌネス(ブラジル)
山田哲也(ロシア)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
アフマド・カイス・ジャスール(アフガニスタン)
チャン・レイ(中国)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジェレミー・ミアド(フィリピン)
クリッサダ・コンスリチャイ(タイ)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ソー・ダルワイト(アフガニスタン)
マイト・ヤイン(ミャンマー)