【Special】月刊、青木真也のこの一番:番外編─終了までタップせず、試合後に落ちていたと判断されると?
【写真】強くなるため、勝利を得るために日常を送る青木だが、レフェリーやジャッジに勝敗を委ねる姿勢を持つ (C)MMAPLANET
過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画――番外編。
ここでは4月23日、UFN128でリッキー・シモンのギロチンを耐えきりタイムアップに持ち込んだかと思われたマラブ・デヴァリシビリだったが、終了後に落ちていた判断されTKO負けとなった。ジャッジの裁定になれば判定勝ち濃厚だったデヴァリシビリは足を動かし、タップせず、タイムアップに持ち込んだ上での敗北を青木はどう見ているかを尋ねた。
――UFCでマラブ・デヴァリシビリがリッキー・シモンにギロチンを仕掛けられ、終了時点で足をバタつかせ、タップもしていなかった。レフェリーも時間が来たから試合を止めた。そして上半身を起こしたデヴァシビリが立ち上がることできず、落ちているということで3R5分00秒でKO負けとなりました。この試合について、青木選手の見解を聞かせてもらえますか。
「う~ん、昔に日本でもありましたよね。落ちている状態で時間になって、そこで気が付いたけど一度、失神していたのだから続行はさせられないと」
──ただ、あのケースは完全に落ちていて、足を動かしたり、試合が終わって上体を起こすこともなかった。
「難しいですね。レフェリーの判断に任せるしかない。レフェリーが効いていて、もうできなかったという風に判断すればTKO負けだし」
──ならば試合時間中にその判断をしなければならないのではないかと。どのような形であろうが、15分間終了の合図があった。その時に負けを宣告されていないのに、ダメージがあったから負けだよ……では、時間制の競技の本質が変わって来るのではないかと。
「でもKOと一緒で、試合続行不可能と判断されればしょうがないですよ。レフェリーの判断でなく、話し合いとかするから論争になる。そこはレフェリーの判断でないと。僕は個人的にレフェリーが気付かないなら、そのままで判定結果を尊重しないといけないかと思いますけどね。その選手が自分の足でコーナーまで戻ることができれば。逆にカクンと落ちてしまっていたら、ストップでもしょうがない」
──では立ち上がることができなかったデヴァリシビリの負けは青木真也的には致し方ないと。
「起き上がることができなかった。コーナーに自分の足で戻れなかったのなら、ダメ。アウトですね、俺の判断だと。だからあの選手のセコンドは、抱えてだろうが立ち上がらせてコーナーに戻るべきだったんですよ。
戻れないというのは、効いているというのを見せてしまっているわけで。なら負けにされても仕方ない」
──ムエタイでローを蹴られ、痛そうな顔をしてはならないのと同じで。
「そこと同じです。効いていても、顔にだしちゃいけない。チョークはカクンと行くときは行くんで、足をバタつかせていた直後に落ちるというのもあるし。レフェリーも、そこで止めることができなかったのも理解できますしね」
──結論として──。
「コーナーまで戻れないヤツは負け。戻ってからコールを受けてからは病院にいこうが、ソイツの勝ちなので。それが勝負師です。今回のケースは、負けでもしょうがないです」