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【UFC319】バック&マット・ヒューズで完全制圧。チマエフがデュプレッシーを下して世界ミドル級王者に

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
カムザット・チマエフ(UAE)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45.
ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)

コールの段階から王者デュプレッシーとの距離を詰め、止められる挑戦者チマエフ。試合が始まると、チマエフが右前蹴りからスイッチしてダブルレッグで組んだ。デュプレッシーも首を抱えて返すが、チマエフがトップをキープする。再度ポジションを奪取したチマエフは袈裟固めへ。デュプレッシーの右腕を挟む、いわゆるマット・ヒューズポジションで左の拳を落とし続けるチマエフ。デュプレッシーはブリッジで脱出を試みるも、チマエフが押さえ込みを返すことができない。

残り半分で、ようやくデュプレッシーが右腕を抜いた。チマエフはニーインザベリーからマウントを狙う。デュプレッシーのケージキックを防いだチマエフがサイドをキープ。しかしデュプレッシーもマウント奪取は許さず。反転したデュプレッシーのバックに回るチマエフだが、前に振り落とされてしまう。それでもダブルレッグでデュプレッシーに再び背中を着かせて初回を終えた。

2R、互いにハイを見せたあと、チマエフがダブルレッグからバックに回った。ヒザで削りながらバックコントロールを続けるチマエフが、立ち上がったデュプレッシーをグラウンドに戻してバックマウントを狙う。これは凌がれたが、チマエフがバックをキープする。チマエフはバックコントロールから左足を差し入れてRNCへ。一度デュプレッシーが凌ぐも、バックマウントを狙い続けるチマエフ。デュプレッシーを立ち上がらせることなく、パンチとヒザで削り、腕を首に回していく。そのままチマエフが徹底的なバックコントロールでラウンドを制した。ホーンが鳴った瞬間、デュプレッシーもチマエフに対して笑顔を見せ、グローブタッチを行う。

3R、デュプレッシーはサウスポーにスイッチして左ミドルを放った。かわしたチマエフは、ニータップからデュプレッシーの両足をすくい上げて尻もちを着かせる。立ち上がるデュプレッシーをボディロックからグラウンドに戻したチマエフがサイドに回った。1Rと同じくマット・ヒューズポジションをセットしたチマエフは、左を連打。ケージ中央で押さえ込まれたデュプレッシーは、右腕を抜くもマウントを奪われる。さらにバックマウントへ移行したチマエフが、デュプレッシーの首を狙う。しかしチマエフもデュプレッシーの体を伸ばし切ることはできず、スクランブルに持ち込むデュプレッシーをガブって反撃を許さなかった。

4R、デュプレッシーのワンツーにスピードがない。チマエフはニータップを切られるも、デュプレッシーをケージに押し込みバックを奪う。バックコントロールを徹底するチマエフ。デュプレッシーが前転すると、そのままサイドに回った。やはりマット・ヒューズポジションを狙うチマエフに対し、デュプレッシーもケージウォークで凌ぐのみ。体を起こしたデュプレッシーのバックからヒザで削ると、ここで珍しいブレイクが掛かる。再開後、デュプレッシーの左ミドルを受けながら組みついたチマエフが、ボディロックでテイクダウンを奪う。やはりバックコントロールを選択したチマエフがRNCを狙いながら、このラウンドも完全に押さえた。

最終回、チマエフが左ハイを見せる。デュプレッシーが跳びヒザからワンツーを放つと、ニータップの体勢へ、これはデュプレッシーにかわされたが、やはりニータップからバックに回り、グラウンドに引きずりこんだ。そして当然のごとくマット・ヒューズポジションへ。左のパンチで削りながら、デュプレッシーの右腕をアメリカーナで抱える。デュプレッシーも極めさせないが、そうなるとバックを奪われるというループに陥ってしまう。しかし立ち上がって強引にチマエフを振り払うデュプレッシー。この試合初めてトップを奪うも、チマエフがハーフガードからレッスルアップでリバーサルに成功した。

デュプレッシーはクローズドガードでチマエフのパンチを受ける。なんと、ここでもレフェリーがブレイクを命じた。納得のいかない表情を浮かべるチマエフだが、再開後は右カーフを当ていく。デュプレッシーもワンツーをヒットさせ、チマエフのシングルレッグを投げで切り返す。そのままバックに回り、RNCを狙うも、チマエフが凌いでタイムアップとなった。

裁定は文句なくジャッジ3者ともフルマークでチマエフ。プロデビュー以来15連勝でUFC世界王者となった。チマエフは「ただ、ジムでやっていることをやっただけだよ。凄く強く、本当に気持ちが強かった。アフリカンライオンだ。サンキュー・ブラザー」とデュプレッシーを称える。

敗れたデュプレッシーもマイクを向けられ「信じられないトップコントロールだった。フィジカルも凄くて、ならポジションを許して力を使わせようと思った。でも、まぁこういうことになった。皆、応援ありがとう。皆の力がないと、僕らは旅を続けられない。過去最強になって戻ってくる」と答えた。


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