この星の格闘技を追いかける

【2017~2018】石原夜叉坊─03─「今の僕の気持ち、興奮って伝わりますかね? マジでぶっ倒す」

Teruto Ishihara【写真】「交通事故じゃない」MMAができるようになったという夜叉坊、次戦への期待値が上がる (C) TERUTO ISHIHARA

9人のファイター達が語る2017年と2018年、石原夜叉坊の足跡と一里塚─最終回。

バンタム級に階級を戻すことを決めた夜叉坊は、2月11日のホセ・キニョネス戦と戦うことが決まっている。

「チョット跳び抜けたい」。バンタム級転向の決意の背景には、確実に自分自身が変わった感覚を夜叉坊は持っていた。

<石原夜叉坊インタビューPart.01はコチラから>
<石原夜叉坊インタビューPart.02はコチラから>


──エメットといえば、アルファメールの同門でライト級からフェザー級に転向、体重オーバーでしたがリカルド・ラマスにKO勝ちを収めた?

チームメイトの階級転向が、バンタム級へ戻るきっかけとなった(C)Zuffa LLC/Getty Images

チームメイトの階級転向が、バンタム級へ戻るきっかけとなった(C)Zuffa LLC/Getty Images

「そうです。エメットがラマスに勝つ前にフェザー級に転向して(※10月21日のUFN118でフィリッピ・アランテスに判定勝ち)、あの試合を見て『これはフェザーではやっていかれへんわ』と思ったんです。

チャンピオンのマックス・ホロウェイ、エメット、んで僕が並んだら同じ階級ではないですよね? もうレベルが違い過ぎて、自分の限界が見えたのでバンタム級にトライしようって思いました」

──日本にいた時と、今の夜叉坊選手では筋肉量なども違ってくるかと思いますが、問題なく落とせそうですか。

「僕がフェザー級に上げたのは、日本で不摂生が酷すぎたからです(笑)。こっちに来て2年、ちゃんとした生活をやってきて体重も普通で70キロ少し。それをフェザー級で戦うから無理やり74キロとか75キロにしていました。

普通にしていたら70キロ、いつでもバンタム級に落とせる状態でした。世界を見て、世界を獲りたいならバンタム級にいくしかないです」

──そこも夜叉坊選手自身の判断で。

「そうですね、自分で決めています。ずっとこっちで自分のことだけ考えてやってきているので。あとは一緒におるトレーナーの井田(圭介)さんの存在も大きいですね。サクラメントでトライアスロンの選手なんかを見ている人で、自分と相性もバッチリの良いトレーナーです。

ちょうど井田さんからもエメットの試合を見たタイミングで『どう思った?』って聞かれて、僕の意見を伝えたら同じ考えで。『ちょっと挑戦してみようか』と。

勝ったり負けたりを繰り返すんやったら、フェザー級でもやっていけます。でも、ちょっと跳び抜けたいな。俺、エェところまで行きたいわって思ってしまっているところがあって。そうなってくると、バンタム級で戦うしかないッスね。

皆、どう思っているんですかね? 日本では俺がバンタム級に戻すことを?」

──それは夜叉坊選手を知る人たちは、ようやくバンタム級に落とすぐらい本気に取り組んでいるんだと喜んでいると思いますよ。

「アハハハ、お前やっと準備できたんかって。そうしたら廣田(瑞人)さんはライト級に戻すし、面白いですよね」

──勝負のバンタム級転向、2月11日の対戦相手キニョネスは6勝2敗の選手です。

「6勝2敗のメキシコ人選手に負けていられないですよね。ぶっ倒しますよッ!! ぶっ倒しますから、マジで楽しみにしていてくださいッ!!!! いや、もう倒して証明したいです。インタビューやし、ちゃんと言葉にせなアカンのですけど、今の僕の気持ち、興奮って伝わりますかね? マジでぶっ倒しに行きますからッ!!」

──ここまでやってきたことを出せる。そういう意味で、楽しくもあるのですか。

「えっ、ソレ分かってくれているんですか」

──それは夜叉坊選手の口調で分かります(笑)。クリスマスでホームシックに掛かっていた人とは思えないです。

「アハハハハ。やっと自分をコントロールできるようになってきたんです。自分を把握して、技術を出せるようになってきたというのか、色々と練習でも試せています。やっと、そういうことができるようになったので練習をしていても、めっちゃ楽しいんです。

これまでの僕にはなかった感覚が、今あるんです。自分をコントロールしているっていう。今までは何も考えず、相手がやってきたことに合わせてカウンターを出したりしていたのが、今は相手を動かすことができている」

──相手を自分の掌の上で転がすことができているということですね。

「そうなんですよ。自分の動きで罠にはめることができたり、ホンマに楽しいです。やっと、MMAとして面白くなってきました。そのなかに殴るだけでなくて、テイクダウンが入ってきたり。

そういう状況下で、しっかりと作戦を立てて相手をはめたいですね。テイクダウンがあるから、打ち合っている時だけでなく、溜めをつくって自分のタイミングでパンチを当てることができるようになりました」

──おぉっ、それは楽しみです。

「だから、ソレを見せたいんですよッ!! 交通事故のカウンターだけじゃないぞって見せたいです。いやホンマ、楽しみにしとってくださいよ。

もう頭も柔くして、臨機応変にいきますから。で、最後は倒しますッ!!」

PR
PR

関連記事

Movie