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【Shooto2025#04】修斗夜の部メインで夜叉坊と対戦、青井太一「試合中に気持ちが折れたら終わり」

【写真】西のBorder、東の心技館。キッズMMA育ちの時代がやってきた (C)MMAPLANET

18日(日)東京都港区のニューピアホールにて、プロフェッショナル修斗公式戦の昼夜大会=PROFESSIONAL SHOOTO 2025#03 & #04が開催され、夜の部で青井太一が石原夜叉坊と対戦する。
text by Takumi Nakamura

3月に環太平洋フェザー級王者の上原平にスプリット判定で敗れ、あと一歩のところでベルトを逃した青井だが、今大会では夜叉坊戦というビッグチャンスが舞い込んできた。第4代修斗環太平洋ライト級王者・遠藤雄介が代表を務める心技館の一期生であり、アグレッシブなファイトスタイルを信条とする青井。一撃必殺の左を持つ夜叉坊との戦いを前に「お互いストライカーなのでヒリヒリした緊張感のある試合ができる。怖さもありつつワクワクしている」と語った。


――今大会では石原夜叉坊選手と対戦が決まりました。夜叉坊選手は昨年12月に約4年ぶりの修斗復帰を果たしたばかりだったので、オファーを受けた時は驚きましたか。

「あまり大会まで時間がない中でのオファーだったのですが、ここで来たかという感じですね。でもいずれ戦うことになると思っていたので、そんなにびっくりはしなかったです」

――夜叉坊選手が復帰した時点で対戦相手の一人として意識していたのですか。

「あの試合のあとに夜叉坊選手がランキングに入って、その時点で頭の中では対戦相手の候補として考えていました。それは夜叉坊選手に限らず、ランキングにいる選手はどの選手も同じです」

――とはいえ夜叉坊選手はUFCにも参戦経験があり、ネームバリューもある相手です。気持ち的に燃える部分もあるのではないですか。

「そうですね。燃えると同時に少し怖さもあります。夜叉坊選手は相手を仕留める一発を持っている選手なので。僕もタイプ的にはストライカーなのでヒリヒリした緊張感のある試合ができるんじゃないかなと思います。夜叉坊選手は僕がプロになる前から活躍されている選手ですし、怖さもありつつワクワクしていますね」

――3月の環太平洋フェザー級選手権試合=上原平戦はスプリット判定で敗れて、ベルトに手が届きませんでした。試合後はどのような心境でしたか。

「僕自身もランキングに入ったのが、夜叉坊選手が修斗に戻ってきた年末の試合(山本健斗デリカットにKO勝ち)のあとだったので、いきなりタイトルマッチの話をもらって驚きました。試合の時は絶対にベルトを獲るつもりで、ものすごく集中して戦っていたのですが、スプリット判定で敗れてしまって……。試合後にこれからどうしようかなと考えていた時に、夜叉坊戦のオファーがあって、負けたにも関わらずチャンスをいただいたので『やります』と即答しました。この試合のおかげですぐに気持ちを切り替えることが出来ましたね」

――青井選手は2024年一年間で5試合戦って4勝(4KO)1敗と飛躍の一年でした。昨年はたくさん試合をしようという考えがあったのですか。

「2023年は新人王トーナメントに出て、準決勝敗退だったんですよ。自分としては新人王を獲って、ランキングに入って、ベルトに挑戦するという目標があったのですが、いきなりコケてしまって2024年は新人王トーナメントの負けを取り返さなきゃいけないと思っていました。そうしたら1月大会で選手の負傷欠場があって代打のオファーが来たんですよ。これはもうやるしかないと思って試合を受けたらKO勝ちすることができて、それをきっかけにオファーをもらえるようになって、怪我もなかったのでどんどん試合をしたという感じですね」

――それまで修斗では判定勝利が続いていましたが一気にKO勝ちが増えましたよね。何か変えたことがあるのですか。

「それが特に自分では分からないんですよね(笑)。強いて言うなら新人王を獲れなかったことが本当に悔しくて、その悔しさを払拭したくて、早く試合をして勝ちたかったんです。あの悔しさが原動力になって、それが一年間の試合数や躍進に繋がったかなと思います」

――ハイペースで試合を続けることで何がプラスになりましたか。

「一番プラスになったことはやっぱり経験値ですね。練習でも出稽古で緊張感のあるスパーリングは出来るんですけど、やっぱり試合とは別物じゃないですか。試合で色んなタイプの選手と戦うことができて、それが大きな経験になりましたね」

――今回MMAPLANET初登場の青井選手ですが格闘技を始めるきっかけは?

「自分は小さい頃にサッカーをやっていたんですけど、あんまり上達しなかったんです。それで親から個人競技の方がいいんじゃない?と薦められて、そのタイミングで近所に格闘技道場がオープンすることになって、体験しに行ったらめちゃくちゃ格闘技が楽しかったんですよ。それで小学5年生の時に道場に入会しました。その道場が今も所属している心技館です」

――道場に入る前から格闘技を見て興味があったというわけではないのですね。

「特に格闘技が好きだったわけではなく、習い事の一環として始めた感じですね」

――では道場の遠藤雄介代表がプロ修斗で活躍していたことも知らなかったですか。

「そうですね。道場に入るまで先生がどんな選手か知らなかったです」

――道場のオープン時に入会となると心技館の初期メンバーになりますよね。

「特に何期生というものがあるわけではないですが、心技館の一期生みたいな感じだと思います」

――いざ道場に入門して格闘技は自分に合っていると感じましたか。

「子供の頃から長く格闘技をやっていて、練習もキツいから中学とか高校時代はちょっと格闘技が嫌になったんですよ。でも大学に入って20歳くらいの時に同世代の選手がプロで活躍している姿を見たりして、自分も真剣に格闘技をやりたいと思いました。それで2021年に全日本アマチュア修斗で優勝して、プロ昇格してからは修斗でチャンピオンになることを目標に頑張ろうと思いました」

――青井選手は全日本アマ修で優勝する前にFighting NEXUSで2戦していますが、当時はそこまで真剣に格闘技をやろうと思っていたわけではなかったのですか。

「そうですね。あの時も格闘技は凄く好きだったんですけど、失礼ながら自分の気持ちがそこまで固まってなかったというか。試合があるから出てみるという感じだったので、結果は出なかったです。全日本アマ修で優勝してから自分の意思で格闘技をやるようになった感じです」

――ちなみに同い年で、プロで活躍する選手は誰ですか。

「平良達郎選手は同い年ですね。あと弟(青井心二)が僕より先にプロ昇格したんですよ。それもプロでやりたいと思うようになったきっかけの一つですね」

――今は目の前の夜叉坊戦に勝つことが大きな目標だと思いますが、どんな選手になっていきたいと思っていますか。

「今回夜叉坊選手という大物を倒すチャンスをいただいたんで、しっかり倒してまたベルトに絡めていけたらいいなと思っています。ただ自分は具体的な目標があまりない方で、自分が格闘技をやっているのは、ただただ格闘技が楽しくて、強くなりたいから、だけなんですよね。だから言葉にするのは難しいですけど、自分は格闘家として強さを追い求めていきたいです」

――青井選手は自分から打撃で圧力をかけるアグレッシブなファイトスタイルが印象的ですが、それは自分でも強く意識しているところですか。

「普段の僕は決してメンタルが強いわけじゃないんですよ。でも自分でそれが分かっているからこそ、試合中に気持ちが折れたら終わりだと思って戦っています。そういう意味で気持ちを強く持って戦っているかもしれないです」

――今回はメインイベントで予定されていた世界戦が中止となり、青井選手の試合がメインイベントに昇格となりました。より注目度が上がる試合になりますが、どんな試合をファンの人たちに見せたいですか。

「もともとメインだった世界戦が消滅してしまいましたが、今の自分は修斗のメインを張れる選手だと思っています。僕も夜叉坊選手もストライカーで緊張感のある試合ができると思うし、僕は倒す気満々なんでそこに注目してもらいたいです」

■視聴方法(予定)
5月18日(日)
Shooto2025#04 午後17時30分~
Shooto2025#03 午後12時30分~

■Shooto2025#04決定カード

<フェザー級/5分3R>
青井太一(日本)
石原夜叉坊(日本)

<フライ級/5分3R>
シモンスズキ(日本)
フィルダウス・フェイジエフ(ウズベキスタン)

<バンタム級/5分3R>
堀内佑馬(日本)
ライダーHIRO(日本)

<女子スーパーアトム級インフィニティリーグ/5分2R>
村上 彩(日本)
erika(日本)

<67キロ契約/5分2R>
ヨシ・イノウエ(日本)
井上翔太(日本)

<フライ級/5分2R>
梅木勇徳(日本)
大竹 塁(日本)

■Shooto2025#03対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
岩﨑大河(日本)
アレクシス・カンポス(ベネズエラ)

<フライ級/5分3R>
中池武寛(日本)
岡田嵐士(日本)

<ストロー級インフィニティリーグ/5分2R>
黒部和沙(日本)
友利琉偉(日本)

<ストロー級インフィニティリーグ/5分2R>
旭那 拳(日本)
田口恵大(日本)

<ストロー級/5分2R>
牧ヶ谷 篤(日本)
友利幸汰(日本)

<2025年度バンタム級新人王決定T一回戦/5分2R>
瀬戸口怜久(日本)
塚本竜馬(日本)

<フライ級/5分2R>
恐山陸奥太郎(日本)
輝龍(日本)

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