【Shooto2025#04】プロ修斗2戦目はインフィニティで村上彩と対決、erika「MMAのストライカーとして」
【写真】悔しい内容に関する質問に対しても、明るく答えてくれるerika。2戦目で本領発揮なるか(C)SHOJITO KAMEIKE
18日(日)、東京都港区のニューピアホールにて開催されるShooto2025#04で、erikaが村上彩と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
キックボクサー時代にNJKFミネルヴァ日本アトム級、RISE QEENミニフライ級のベルトを巻いていたerikaは、MMA転向後の2024年に全日本アマ修斗を制して同年12月にプロMMAデビュー。吉成はるかを判定で下した。
そのerikaが今年開催される女子スーパーアトム級のインフィニティリーグに参加し、初戦で優勝候補の村上彩と対戦することに。「目指すは全勝優勝」と語るerikaは圧倒的なMMAキャリアの差を埋めることができるか。
――昨年12月、プロMMAデビュー戦で吉成はるか選手に判定勝利を収めました。キックボクシング時代より体が絞れて、体のキレも増していたのではないでしょうか。
「それはメッチャ感じました。理由は分からないんですけど(笑)。たぶんキックボクシング時代よりも対人練習が多くなって、勝手に追い込まれている。常に苦しい状況になっているから――それしか心当たりがありません。アハハハ」
――ボクシンググローブよりもMMAグローブのほうが、しっかりとパンチを当てているように感じました。
「MMAグローブのほうが当てやすいですね。ボクシンググローブよりも握っている感覚があるからか、MMAグローブのほうがやりやすいです。しっかりナックルを当てることができている感覚を、まずアマチュア修斗の時に感じました。『意外とコッチのほうが当たるわぁ』って。MMAグローブはナックル以外の部分が当たると、自分のほうが怪我しますし」
――プロのリングで初めてMMAを戦った感想を教えてください。
「MMAは頭を使う、難しい競技だなって思いました。気持ちだけで戦うことはできないですね。私は結構、気持ちのファイターなんですよ。気持ちで圧をかけて、どんどん前に行くとか。だけどMMAは『試合前に立てた作戦をもとに、試合ではどちらの持ち味を出すか』というイメージを持っていました。実際に試合をしてみても『絶対、良いところを取らせないぞ』という気持ちのほうが強くて。キックボクシングとはまた違う楽しさがあり、追求していくと楽しいだろうなと思いましたね。試合内容は全然、ダメダメだったんですけど」
――キックボクシング時代はガードを固めて、ワンツーと共に前に出て行くスタイルでした。しかしMMAでは相手の様子を見ながら、自分の距離を保ち続ける。このスタイルチェンジは難しいものだったでしょうか。
「難しいというより、スタイルを変えないと勝てないと思いました。MMAとキックボクシングは別競技なので。私の中に『キックボクシングの元王者がケージに入る』という気持ちは全くないです。自分の格闘技人生を一度リセットして、新しい競技をアマチュアから始める――だから『MMAでキックボクシングの打撃を出す』ということじゃないんです。MMAで、MMAの打撃を出す。それはスタイルチェンジではなく一度全てを忘れて、松根良太さんや周りの人たちが教えてくれるMMAの打撃をやる、ということでした」
――最近はMMAに挑戦するキックボクサーが増えています。しかしerika選手の場合は、「レスリングを教わったキックボクサー」ではない。まずMMAの距離感で打撃を繰り出す、MMAの中のストライカーであって。
「それはTHE BLACKBELT JAPANの皆と練習していくなかで、一番感じていたことでした。『キックボクサーのerika』として、この場所にいてはいけない。それは他の人たちに対して失礼ですよね。やっぱりMMAファイターとして、柔術の時間には柔術の練習をする。まだまだ試合で使えるレベルではないけど、いつか寝技で極めたいと思っています」
――キックボクシングをやっていたからこそ打撃の距離感が理解できているようなデビュー戦でした。
「相手に組まれない距離で、自分の圧をかけながら戦うことは意識して練習していました。それが試合でも出ていたなら嬉しいです。とにかく組まれるのは怖いので(笑)」
――アハハハ。デビュー戦では1Rの最後にテイクダウンを奪われました。
「寝かされても立てばいい、と思っていました。いつも練習で寝かされて、ヤバい状態にされてから立つことが多くて。もちろん倒された時は怖かったけど、『いつも練習でやっているから大丈夫』と考えていましたね。
でも自分が思っていたような試合ができなくて悔しかったです。皆さん、もっと私の打撃を見たかったと思うんですよ。『元キックボクシング王者だから、打撃でKOするだろう』って。前回の試合は『いかに寝かされずに自分の打撃を当てるか』を松根さんと試行錯誤して、さらにKOを狙うのは難しかったですね。実際の試合では全然、思っていた試合にならなくて『もっと練習を頑張ろう』と思いました」
――どのような試合が理想だったのですか。
「組まれず、もっと中に入って、一番強いポイントで自分の打撃を浴びせる。それが理想でした。もともとヒザ蹴りが得意なんですけど、ヒザを当てつつ相手に組ませない――そういう展開がつくりたかった。でもやっぱり組まれるのが怖くて、常に安全パイの距離で戦うことしかできていなかったです。それが自分の今の実力で」
――「ヒザを当てつつ相手に組ませない」となると、リングよりもケージのほうが得意ではないですか。リングよりもケージのほうが、背中をケージに預けてヒザを打ち込むこともできます。
「そうですね。ジムではいつもケージで練習していますし。アマチュア修斗の試合はケージで、ケージのほうが相手を追い詰めやすかったです。あとアマ修斗の試合で、相手がテイクダウンを狙ってきて、私が首相撲からヒザを狙い続けるという展開があったんですよ。その時はケージを使ったほうが安心感はありました」
――次の試合はケージで、プロのキャリアではerika選手を大きく上回る村上選手と、インフィニティリーグの初戦で激突します。
「最初に聞いた時は『えぇ~、なんで!?』って言いましたよ。私、まだプロ2戦目ですからね(苦笑)。でも私はキックボクシングの時から、こういうマッチメイクが多かったんですよ。まだキャリアも浅いのに強い選手と当てられたりとか。きっと今回も相手の方は、イージーな試合だと思っているんじゃないですか。その予想を覆せるよう練習しています」
――村上選手については、どのような印象を持っていますか。
「寝技が強いので、意地でも私を寝かせに来ると思いますね」
――打ち合いには来ないでしょうか。
「来ないでしょう。打撃だったら私には絶対勝てないですよ。――いや、ごめんなさい!」
――ごめんなさい、とは?
「こんなことを言うと失礼かなぁ、って……。反対に、寝技だったら私は村上選手に勝てないから(笑)。だからこそ、どちらが自分の良いところを出せるかっていう勝負になると思うんですよね。私はキックボクサーではなくMMAのストライカーとして、寝かされず自分の打撃を出して勝ちます。今回はリーグ戦なので、最初に優勝候補を倒して皆に『erika、ヤバい』と思わせたいですね。あと一つ希望があって――」
――何でしょうか。
「リーグ戦の中で1試合、沖縄でやらせてくれないかなぁって」
――もうスケジュールは決まっていますが……(笑)。
「修斗沖縄大会は毎年4月と11月に行われるじゃないですか。11月16日の後楽園大会でリーグ戦の試合が組まれていますけど、その試合を11月の沖縄大会に変更してほしいです!
私、キックボクシング時代に沖縄で試合したのは3回しかなくて。MMAはアマチュアから全て関東ですし、やっぱり沖縄の皆さんの前で試合がしたいんですよ。それも次の試合で勝たないと言えないと思うので、しっかり勝ちます」
■視聴方法(予定)
5月18日(日)
Shooto2025#04 午後17時30分~
Shooto2025#03 午後12時30分~
■Shooto2025#04決定カード
<フェザー級/5分3R>
青井太一(日本)
石原夜叉坊(日本)
<フライ級/5分3R>
シモンスズキ(日本)
フィルダウス・フェイジエフ(ウズベキスタン)
<バンタム級/5分3R>
堀内佑馬(日本)
ライダーHIRO(日本)
<女子スーパーアトム級インフィニティリーグ/5分2R>
村上 彩(日本)
erika(日本)
<67キロ契約/5分2R>
ヨシ・イノウエ(日本)
井上翔太(日本)
<フライ級/5分2R>
梅木勇徳(日本)
大竹 塁(日本)
■Shooto2025#03対戦カード
<ウェルター級/5分3R>
岩﨑大河(日本)
アレクシス・カンポス(ベネズエラ)
<フライ級/5分3R>
中池武寛(日本)
岡田嵐士(日本)
<ストロー級インフィニティリーグ/5分2R>
黒部和沙(日本)
友利琉偉(日本)
<ストロー級インフィニティリーグ/5分2R>
旭那 拳(日本)
田口恵大(日本)
<ストロー級/5分2R>
牧ヶ谷 篤(日本)
友利幸汰(日本)
<2025年度バンタム級新人王決定T一回戦/5分2R>
瀬戸口怜久(日本)
塚本竜馬(日本)
<フライ級/5分2R>
恐山陸奥太郎(日本)
輝龍(日本)