【Breakthrough Combat04】ジョン・オルニドと対戦、熊崎夏暉「フィジカルでは外国人選手に負けない」
【写真】仕切り直しのBTC初参戦でメインに大抜擢の熊崎(C)MMAPLANET
14日(水)に開催されるBreakthrough Combat04のメインで、熊崎夏暉がジョン・オルニドと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
柔道出身の熊崎は大学時代に元サンボ世界選手権銀メダリスト・松本秀彦氏の指導を受け、2022年に全日本サンボ選手権でスポーツサンボとコンバットサンボ両部門で64キロ級を制覇。力強い組みとサブミッションを軸にしたファイトスタイルでMMAでも4戦4勝と無敗を誇る。
当初は2月のBTC03でチェ・ハンギと対戦予定だったが、自身の怪我で欠場。今回は仕切り直しのBTC参戦でオルニドとの国際戦が決まった。BRAVEの仲間たちが国内外の様々な団体で飛躍を続けるなか、怪我で出遅れた熊崎はまさに“現状打破”のオルニド戦に挑む。
――試合まで約一週間となりました(※取材は8日に行われた)。本格的な練習を終えて、これから調整に入る段階ですか。
「あとはもう疲労を抜いて、試合に向けて調整するという段階です」
――2月のBTCでチェ・ハンギと対戦予定でしたが、右足首の負傷で欠場となってしまいました。
「実は右足首は過去に怪我したことがある場所なんですよ。今回怪我した時に最初は『試合はギリギリ大丈夫かな…』と思ったんですが、次の日からどんどん腫れがひどくなってきて、病院で検査したら欠場せざるをえない状況でした。前回怪我で欠場したにも関わらず、すぐにオファーしていただいたBTCの関係者の方には本当に感謝しています」
――結果的に欠場にはなってしまいましたが、今年はコンスタントに試合をしたいという希望があったのですか。
「そうですね。2024年は怪我であまり試合ができなくて、少し焦っている気持ちもあって、それで今年はどんどん試合していきたいと思っていました。結局また怪我をしてしまったんですけど(苦笑)、今年はたくさん試合をしていきたいです」
――昨年10月のふくやーまん戦は打撃によるカットでTKO勝利、今年1月の秋田良隆戦は肩固めによる一本勝ちとフィニッシュが続いています。何か最近の試合で掴んだ感覚はありますか。
「前々回の試合からバンタム級に転向して、2試合とも1Rで終わらせることができているんですけど、正直相手もそこまでめちゃくちゃ強敵というわけではなく、『勝って当然かな』という相手だったと思います。だから次の試合では自分が練習してきたことをどんどん試せたらいいなと思っています」
――秋田戦では打撃からテイクダウンまでの流れが非常に落ち着いているように見えました。あれは意識していたのですか。
「僕もプロ4戦目で、最初の頃よりもだいぶ落ち着いて試合できるようになりました。で、自分のやりたいこともどんどんできるようになってきたので、試合慣れはしてきたのかなと思っています。あのテイクダウンの取り方も練習では自分がよく取るパターンなので、それを試合で出すことができてよかったです」
――熊崎選手としてはいかに打撃を被弾せずにテイクダウンして一本を取るというのが理想の戦い方ですか。
「そうですね。自分のスタイルは一本を取りに行くスタイルなので、それをこれからも試合で出していきたいですね。でもその中でも最近は打撃も成長してきているので、次の試合では打撃も見せられたらいいなと思います」
――BRAVEには優秀なストライカーも多いので、打撃も自然に伸びていきますよね。
「本当にそうですね。自分は去年からBRAVEジム世田谷に所属していて、週2回の三郷のプロ練以外に野村(駿太)さんが世田谷にも来てくれるようになって、だいぶ打撃を教えてもらっているんですよ。それで自分も野村さんのスタイルにちょっとずつ似てきて、打撃そのものも上達しているのかなと思います」
――野村選手は伝統派空手出身ですが、組みのレベルも高いですよね。
「そうなんですよ。戦ってきた相手もトップレスラーばかりで、野村さんとは一緒にロータス世田谷に行って組みの練習もやるんですけど、その中でも野村さんは他のトップ選手たちにも全然組み負けしないので。打撃の選手であそこまで組みができるのは結構びっくりします。自分も最終的には全局面で戦えるようになりたいし、これから海外を目指していく上でも、それが一番大事になってくると思っています。トータル的なレベルを上げつつ、最後は一本を取って勝つのが自分の理想ですね」
――ロータスの練習で得意にしている寝技も伸びていますか。
「今までの自分はグラップリングの寝技だったのですが、ロータスではMMAの組み技を学ぶことができているので、組み技・寝技のスタイルも以前から変わってきていると思います」
――今回のBTCではジョン・オルニドと対戦します。熊崎選手にとってはMMAで初の国際戦となりました。
「やっと強い選手と試合ができるようになったうれしさと、初の国際戦ということで少し緊張もあります」
――オルニドには対戦相手としてどんな印象を持っていますか。
「フィジカルも強いし、打撃も組みも全部できるウェルラウンダーの選手かなと思います。ただ自分もフィジカルでは外国人選手に負けないと思っているし、そこも含めて自分が得意なところで戦いたいと思います」
――BRAVEの選手たちは海外遠征や国際戦が増えている状況ですが、自分もその流れに乗っていきたいと思っていますか。
「そうですね。自分が怪我で試合ができていない時に、同期の木村柊也や南友之輔がどんどん上に上がっていって、自分の中でもずっとモヤモヤしていた気持ちがありました。少し出遅れたかもしれませんが、自分もここからどんどん海外の強豪選手や国内のトップ選手と戦っていきたいです。まだ4戦しかやっていない自分が海外の選手とやらせてもらえるのは、大きなチャンスだと思っているので、ここは絶対勝たないといけないなと思っています」
――BTCには現状打破という大会コンセプトがあります。熊崎選手は今回の試合にどんなテーマを持っていますか。
「ここでしっかり勝って『BRAVEには他にもバンタム級に強いやつがいるんだよ』ということを格闘技界に知らしめたいですね。今の目標は次の試合に勝つことですが、最終的に目指しているのはUFCなので、そこに向けて海外でも試合をしていきたいですね」
――今年のRoad to UFCにはBRAVEから神谷大智選手と伊藤空也選手が参戦します。そういった選手が身近にいることもいい刺激になるのではないですか。
「そうですね。先にそういう道を作ってくれた先輩たちがいるので、自分が目指すべき道は見えているのかなと思います。ただ簡単にチャンスが来るわけではないですし、国内で強豪選手と戦うとなったらRIZINだと思うので、RIZINで強い選手と戦いたいという気持ちもあります」
――今大会ではYouTubeで生配信されます。この試合を楽しみにしている人たちにメッセージをいただけますか。
「前回大会を怪我で欠場してしまったんですけど、その分自分ができることをやってパワーアップして帰ってきました。成長した部分を見せられるように頑張るので、試合を楽しみにしてもらえたらと思います」
■視聴方法(予定)
5月14日(水)
午後6時00分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル
■Breakthrough Combat04対戦カード
<バンタム級/5分3R>
ジョン・オルニド(フィリピン)
熊崎夏暉(日本)
<58.5キロ契約/5分3R>
ザヒド・アフメド(インドネシア)
山崎蒼空(日本)
<バンタム級/5分3R>
石井逸人(日本)
上田祐起(日本)
<バンタム級/5分3R>
ガドウィン・ランバヤン(フィリピン)
竹本啓哉(日本)
<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[暫定王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]イ・ソンハ(韓国)
<Progress ライト級/5分2R>
大脇征吾(日本)
椿飛鳥(日本)