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【Super RIZIN04】フライ級GP制覇へ、神龍誠「決勝には扇久保かトーレスが上がってくると思う」

【写真】抽選会でも一番、素だったのが神龍とアーセンだったように思います (C)TAKUMI NAKAMURA

27日(日)にさいたまスーパーアリーナで開催される超RIZIN04で戦いの火蓋が切って落とされるRIZIN World GP2025フライ級トーナメント。その1回戦で神龍誠が山本アーセンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

公開抽選会ではアーセンに選ばれる形で対戦カードが決まった神龍。アーセンの指名については「舐められていると思う」と話し、扇久保博正の塩を渡すパフォーマンスも拒否。伊藤裕樹と舌戦を繰り広げる場面もあった。

抽選会直後のインタビューでは、神龍の言葉からは自分がトーナメントの主役にならなければいけないという強い意思が伝わってきた。


普段のワンマッチでは格差がありすぎて組まれないカードだと思います

――今回は抽選会を終えた直後のインタビューとなりました。抽選会ではホセ・トーレス×扇久保博正と伊藤裕樹×エンカジムーロ・ズールーが先に決まり、神龍選手が空いている5番のボックスへ。残った選手から選ばれる立場でした。

「本当に抽選は運なので、自分で決められるものではないじゃないですか。だから抽選会が始まったら流れに任せようと思って、特に何も考えてなかったです」

――自分が対戦相手を選ぶことになったら選ぶ相手は考えていたのですか。

「強いて言うなら弱いやつを選んで、トーナメントから脱落させたいと思っていました」

――男祭り後のインタビューで「今考えているのはグランプリに相応しくないヤツを一人ずつ落としていこうかなと思っている」と話していましたが、その気持ちは変わらなかったのですね。

「はい。トーナメントに相応しくない、一番弱いヤツにいこうと思っていました」

――結果的に山本アーセン選手が神龍選手の隣を選択し、アーセン選手との対戦が決まりました。

「抽選会直前のABEMAの事前番組で、アーセン選手が『相性がいいから一番やりたいのは神龍選手』と言っていたらしいんですよ。僕は直接それを見ていないんですけど、抽選会の直前に知り合いからアーセン選手がこんなことを言ったよとタレコミがあったんです。

正直それを聞いた時は『マジで? 俺ってそんなに舐められてるの?』と思ったので、もしアーセン選手を選べるんだったら、そこも狙おうかなとは少し思っていましたね」

――これまでアーセン選手と対戦する相手として見たことはあったのですか。

「見ていないです。レスリングでは格上でもMMAではやってきたことが違うし、普段のワンマッチでは格差がありすぎて組まれないカードだと思います。そういうカードが実現するという意味では、デスティニーシステムの抽選会は面白いですよね」

――例えばトーナメントの出場選手が発表された時、この選手はトーナメントに相応しくないと思う選手のなかにアーセン選手は入っていましたか。

「MMAの成績を見たらそうなりますよね。別にアーセン選手のことは嫌いじゃないですが、客観視した時にトーナメントやフライ級王者を決める8人の中に入るのは違うと思います」

――では過去のアーセン選手の試合を見て、どのような印象を持っていますか。

「強い選手と試合した方が力を発揮するタイプだと思いますね。福田(龍彌)さんとやった時、僕はもっと一方的に福田さんが勝つと思ったんですけど、意外といい勝負をしたじゃないですか。ああやって格上と試合をする方が燃えるタイプなんだと思います」

――強い選手と対戦する方が、ポテンシャルが引き出されるのかもしれないですね。

「そうそう。で、追い詰められると力を発揮する、みたいな」

――もう1カ月もないですが、アーセン戦に向けて何か特別な練習は必要だと考えていますか。

「特に対策をやることはないかなと思います。自分を強くすることが一番なんで。アーセン選手は試合で調子づかせると面倒くさいタイプだから、初っ端から極めを狙っていこうと思います」

――今練習していること・取り組んでいることを継続していけば結果を出せるという自信も感じていますか。

「もちろん。僕がトーナメントで優勝するので。誰よりも自信はあります」

――抽選会では扇久保博正選手からオリジナルの塩を渡される一幕もありましたが、あの時はどんなことを感じていましたか。

「受け取るわけないでしょ(苦笑)。端から何か渡し始めて、自分のところにも渡してくるだろうなと思いましたけど、なんかおふざけモードに入っている感じだし、俺には話しかけてくるなよと思いました」

――扇久保選手が塩を渡し終わった後「7月全員で盛り上げましょう」と声をかけていましたが、あの言葉についてはいかがでしょうか。

「僕はそういうことは一切思わないですね。ああいう言動を見ていても、自分と扇久保は真逆なんだと思います」

――また質疑応答では伊藤選手と舌戦を繰り広げた場面もありました。

「あれも思ったことを思った通りに言っただけです。質疑応答で記者さんに『神龍選手がいうエンタメ枠は誰ですか?』と聞かれたから、それに応えていたら勝手に伊藤が入ってきて。なんでお前がしゃべってんだよ、お前は俺にしゃべりかける口を持ってねぇだろと。根性なしがここぞとばかりに話かけてきたなと思いました」

――他の組み合わせについても聞かせてください。神龍選手が過去に敗れている扇久保選手とホセ・トーレスが1回戦から対戦することになりました。これについてはどう思いますか。

「ここでやることになって潰し合いになったなと思います」

「時代を創る人間はこういうところで突き抜けなくちゃいけない」、「フライ級を創ったのは堀口さん」

――トーナメントを勝ち上がる上で、どちらかにリベンジすることは意識していますか。

「その気持ちもありますが、最終的に誰が2回戦まで勝ち進めるかは投票で決まるので(2回戦以降のことは)マジで何も考えてないですね。決勝には扇久保かトーレスが上がってくると思うので、決勝でそのどちらかに勝って自分がチャンピオンになる。で、来年組まれるであろう防衛戦では決勝でやらなかった方とやるのが一番締まるかなと思います。ただそれも今聞かれたからそう答えたくらいで、今は自分が優勝することしか考えていないです」

――神龍選手のMMAキャリアにおいて今回のトーナメントの重要度とは?

「時代を創る人間はこういうところで突き抜けなくちゃいけないと思うので、このトーナメントで突き抜けたいです。最近負ける時は僅差の判定で負けることが多かったのですが、判定になるにしても圧倒的に勝ちたいですね」

――ファンや見ている人たちには、どのような試合を見せたいですか。

「今回の試合で言えば圧倒的な差を見せなきゃいけないと思っているので、1Rからフィニッシュを狙って終わらせます。フライ級トーナメントとしての最後の試合でもあるので」

――トーナメントの最終試合=第5試合が空いていたら、そこを選ぼうと思っていたのですか。

「そうですね。最後は自分が締めたいと思っていましたし、自分の試合でフライ級トーナメントが面白かったと思わせたいので選びました」

――会見のコメントや今の話を聞いていても、神龍選手の言葉からは自分が主役にならなければいけないという強い意思が伝わってきます。

「僕は優勝を狙っているから主役ではありますよね。そういう意味でも空いている第5試合を選んだのは僕が締めたかったからだし、一回戦が終わったあとに僕の試合しか思い浮かばないようにしたい。トーナメントの一番最後に出てきた僕の試合が一番インパクトがあった、そういう試合にしたいです」

――神龍選手は2020年からRIZINに参戦していますが、フライ級でトーナメントが組まれたり、注目されるチャンスが来たことをどう感じていますか。

「素直に嬉しいですよね。MMAにおいてフライ級って注目されないことが多かったじゃないですか。UFCですら廃止になりかけたことがあったし。でも今はUFCでRIZINでもフライ級がすごく盛り上がってきて、やっとフライ級が注目される時代が来たなと思うし、こういう時代を待ち望んでいました」

――例えば注目されるために階級転向を考えたこともあるのですか。

「それは昔から言われていました。上の階級でやらないと注目されないよって。実際僕がRIZINに出始めた時はフライ級そのものがなかったし、ずっと58キロから59キロのキャッチウエイトで試合をしていて、フライ級で試合すらしてないんですよね。だからその時はいずれバンタム級に合わせなきゃいけないのかなと思っていました」

――その意味では自分がRIZINのフライ級を創ってきた一人だという自負もありますか。

「それで言うとフライ級を創ったのは堀口(恭司)さんですよね。自分はまだそこまでの存在にはなれていないと思うし、だからこそ今回のトーナメントでそうならなくちゃいけないと思っています」

――僕は神龍選手を取材することが多いですが、改めて今回のトーナメントにかける想いの強さが伝わってきました。一回戦から神龍選手の戦いぶりを見届けさせてもらいます。

「ありがとうございます。僕が優勝する姿を楽しみにしていてください」


■視聴方法(予定)
7月27日(日)
午後1時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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