【LFA215】人生を賭けたTUFでしくったシャポリンが、ロジェイとのフライ級王座防衛戦で仕切り直し
【写真】現在所属するパラゴン柔術の総帥フランジーニャ、ブラジル時代からの指導者トム・サントス。そしてMMAファイターとして歩みを共にしてきたタバタ・ヒッチと(C)LFA
2日(水・現地時間)、LFAより8月22日(金・同)にカリフォルニア州ベンチュラのベンチュラ・カントリー・フェアグラウンズで開催されるLFA215でライト級とフライ級、2階級の選手権試合が組まれることが発表されている。
Text by Manabu Takashima
同イベントはLAの北、ベンチュラで開かれる世界最大のコーンホールの祭典=The Throw Down Cornhole festivalの期間中に行われる。コーンホールとは米国で知られているパーティーゲームで、布袋にトウモロコシの粒を詰めたビーンバッグをボードの穴に投げる余興だ。今ではルールを制定してプロのトーナメントもあるという。
22日から24日のお祭り期間中にはコーンホールのトーナメント、コンサートにモトクロスのアクロバットショー=ナイトロ・サーカス・モータークロス・デモンストレーション、アメリカン・ソウルといっても過言でないヴィンテージトラック・ショーなど数多くの催し物の見られるなかで、初日の目玉としてLFAは実施される。
メインはリッチー・ミランダに、イスラエルのイライ・ブラジライが挑戦するライト級選手権試合。コメインはフライ級王者エドゥアルド・シャポリン・エンヒッキが、2度目の王座防衛戦でデヴォン・ロジェイの挑戦を受ける。
2023年11月にコディ・デイヴィスを破り、LFAフライ級チャンピオンになったシャポリンは、昨年8月に暫定王者イゴール・シケイラとの王座統一戦で初防衛に成功、20周年を迎えたTUFシーズン33に出演し、UFCとの契約を目指した。
チーム・コーミエーとチーム・ソネンの間でサバイバル戦が繰り広げられているシーズン33、シャポリンはダニエル・コーミエーの1位指名を受けるなど本命視されていた。しかし、こともあろうが彼は放送1回目=エピソード#01でチェール・ソネンのナンバーワンピック(※全体では2番目の指名となる)ジョセフ・モラレスのRNCの前に、初回で一本負けを喫し早々の脱落となってしまった。
とはいえ、それもシャポリンというニックネームに相応しい敗北だったかもしれない。この愛称は1970年代にメキシコで制作され、ブラジルでも人気を博したエル・チャプリン・コロラドというTV番組が由来となっている。エル・チャプリン・コロラド=赤いバッタは間違いを続けながら、最後は事件を解決すると呼ばれるヒーローだった。エドゥアルド・エンヒッキ少年は15歳でキックボクシングを始めると、トーナメントでコーチの指示とは違いセオリー無視の動きを続けながら最後は勝利を手にすることで、(ポルトガル語の発音で)シャポリンと周囲から呼ばれるようになった。
シャポリンはヒーローでもまるで性格の違うソーを模して、ムジョルニアならぬピコピコハンマーを手にケージに上がる。「人生を変える時」と意気込んで参加したTUFでのしくじりもシャポリンならでは。最後はUFCファイターになることを信じ、今や地元開催といえるベンチュラ大会でLFAに戻ってくる。
そんなシャポリンの再出発となる防衛戦の相手ロジェイは、カナディアンMMA屈指のフライ級の実力者だ。
キャリア8勝2敗、LFAでは3連勝中。前回の試合では、ミドルキックでKO勝ちを収めている。
もちろんロジェイにとっても、LFAフライ級王座獲得とシャポリン越えはUFCに近づくことを意味している。今年のコンテンダーシリーズの最終週は10月14日で、まだカードは確定していない。6週間のインターバル、UFCを目指すならショートノーティスとはいえない規定路線と捉えることができるだろう。