【Breakthrough Combat04】大脇征吾に勝利、策士・椿飛鳥「僕を極めたい選手、募集しています!!」
【写真】決して勝てば官軍とは思わないですが、大喜びできるのも勝者の特権(C)MMAPLANET
14日(水)に開催されたBreakthrough Combat04で、椿飛鳥が大脇征吾から6-4のポイント勝利を収めた。
text by Manabu Takashima
序盤のニンジャチョーク、そして腕十字を凌ぐと、その後もバックを取らせないなど抜群のエスケープ力を発揮。Progressルールの特性と、ケージという環境を最大限に生かした策士・椿の試合後の言葉をお届けしたい。
──再び、評価をあげた試合。今回は勝利で評価をあげました。
「本当ですか(笑)」
──正直、最初のニンジャチョークで終わったかとも思いましたし。
「アッハハハハハ。僕もセットされた瞬間、『あっ、まずい』とは思いました。逆にニンジャを意識すると極まるので、テイクダウンにそのままいこうと思いました。テイクダウンからトップを取ろうと」
──引くと極まるので、頭をつっこむと?
「ハイ。そのまま倒してサイドを取ったのですが、立ち上がって下にされたので良い動きではなかった。結果的にポイントは入ったので良かったかなと」
──大脇選手はそのトップにこだわらず、下になりながら腕十字を仕掛けてきました。椿選手は腕を抜いてリバーサル完成、2Pを取り直しました。あの十字は、どこまで入っていたのでしょうか。
「あの十字は場所がケージ際だったので。大脇選手が力をめちゃくちゃ使っていたから、凌げば絶対に疲れると思いました」
──スタンドの時から、ケージを背負うような位置を取ったのも作戦ですか。
「前回、大脇選手が中島太一選手を極めたのがケージ中央で。グラップラーで極めの強い選手は、頭の上に遮断物がないと有利になる。この試合で自分が勝つために利用すべきはケージ際と5分2Rのラウンド制だと思っていました」
──4-3でリードしたことで、2Rは楽になりましたか。
「というよりも極めの強い人が強いのは最初の2分。めちゃくちゃ強いところを何とかしのいで、試合時間を長引かせれば長引かせるほど僕に有利になると思っていたので。なおかつラウンドを増すごとに疲れって増すので、MMAファイターでなくグラップラーの大脇選手はラウンドを跨ぐことが不利になると試合前から思っていました」
──大脇選手は2Rの終盤にスペースができた時に、座ったままでした。もう一度引き込むにしても、一度立って自分の形で下になるという選択をしなかったときに、これは椿選手が逃げ切ったかと思いました。
「そうですね。自分としても、あの場で立ち上がって時間を稼ぐのではなく、ハーフガードでいることが一番リスクが低いと思っていました。とにかくハーフに入って、相手の仕掛けを最初の時点で切る。カットすることを意識していました」
──仮にですが、中島選手のように大脇選手が何者か分からない時に戦っていたら、今回の試合はどのようになっていたかと思いますか。
「それは……最初の十字で取られていたと思います(笑)。でもバックを取る動きにしても、MMAにはいないタイプで、練習でも経験したことがない選手。寝技の殺傷能力が高い選手でした。めちゃくちゃ強い選手です。今回はルール、階級、ケージということで僕が勝てただけで。大脇選手はグラップリング界で凄く上の選手になると思います」
──他のサブオンリーだと、そうは思わないかもしれないですが、Progressルールだとグラップリングでも椿飛鳥をもっと見たいと思わせてもらえる試合でした。エスケープして、ポイントで勝ち切る。そんな椿選手をグラップリング界の誰が止めることができるのか、と。
「あぁ、本当ですか。今回、勝ちきれたら言って良いかと思っていたのですが──『僕を極めたい選手、募集しています!!』」
──……。
「笑わせているんですよ。笑わせて(笑)」
──たくさんのグラップラーが名乗りを挙げてくるかと思います(笑)。と同時に、MMAの4試合も激闘でした。MMA熱が上昇しているのではないでしょうか。
「本当に今回、Progressルールで勝つと……前回もそうだったのですが、やっぱりMMAで勝つことが僕の人生のなかで一番だと感じています。どこというのは決めてないですが、年内に1試合は戦いたいです。それが修斗になるとは、僕の中では言えないのですが、僕の中で必ず今年中にMMAの試合をしたいと思っています」
──では我儘を許してくれている会社の皆さんに、最後に一言お願いします。
「今日、半休にしてしまったこと許してください。明日からも、仕事を頑張ります!!」