【Breakthrough Combat04】熊崎に激勝。21歳、フィリピンMMAの未来オルニド「満足なんてできない」
【写真】2003年10月生まれの21歳、どこまで強くなっていうのか楽しみ (C)MMAPLANET
14日に開催されたBreakthrough Combat04で、熊崎夏暉との激闘をフルマークの判定勝ちで制したジョン・オルニド。
text by Manabu Takashima
2年2カ月振りの来日で確かな成長を見せ、日比ヤングプロスペクト対決を制したオルニドは熊崎に最大限の尊敬の念を抱くと同様に、試合内容は完璧でありながら「僕はこんなもんじゃない」と日本初勝利を振り返った。
今日の試合が厳しかったのに、どうして上の舞台で戦うなんてことを口にできるんだい?
──2年2カ月振りの来日で、日本初勝利を挙げました。おめでとうございます。今の気持ちを教えてください。
「最高だよ。フィリピンで3週間だけどしっかりと3調整をしてきて、勝てて良かった。凄く嬉しいよ」
──ジャッジ3者とも30-27をつけ、フルマークの判定勝ちでした。満足感の方は?
「ノー、満足なんてできないよ。もっと良い戦いができたはずだ。僕にはそれだけの力がある。正直、僕のレベルはこんなもんじゃない。この試合は僕じゃなかった。今日のデキには、残念だった」
──15分のファイトで、ハードな局面はありましたか。
「ノー。ゲームの流れは、完璧だったよ。彼がテイクダウンをしても、ホールドしてきても、グラップルの展開になっても僕が勝てると思っていた」
──テイクダウン防御とスクランブル、ここは2年前の来日から明らかに成長した部分でしたね。
「その通りだ。今ではジムで毎日のようにモンスターのような仲間と練習をしている。柔術黒帯のプロフェッサー・ジェリー(レガスピ)、マーク・ストリーグル、トロイ・レガスピ、マルヴィン・グランデ、ガドウィン・ランバヤン、彼らと毎日のように顔を合わせているんだから、レスリングとグラップリングには本当に自信を持っている」
──とはいえ、試合後は足を引きずって背負われて移動もしていましたが……。もともとケガをしていたのでしょうか。
「初回にカーフキックをチェックされて、痛めた。かなり痛かったけど、試合中は我慢しないとね」
──なるほどです。ところでジョンが良いパンチを何度か入れましたが、熊崎選手は腰が落ちても諦めることなく向かってきました。
「普通はアレで終わりだよ。でも、彼はそうじゃなかった。本当に尊敬している。クマザキは、リアルな日本人ファイターの在り方を見せてくれた。計量の時とか、凄く良いヤツで。僕自身、こんな良いヤツとどう殴り合えば良いんだって思ってしまうぐらいだった。
でも試合になると、絶対に諦めない心を持っていた。僕には彼のような絶対に勝負を投げない人間との戦い必要だった。クマザキのこれからの成功を願っている」
──この勝利は、キャリアを築いていく上で大切なモノになったかと思います。ここを足掛かりにどこを目指そうと思っていますか。
「ビッグネームになること(笑)。大物になりたい。僕は漢、ファイターで、ウォリアーだ。誰と試合が組まれても、戦う。それが僕にとって自然なことなんだ。相手の名前を教えてもらって、金を用意してもれば誰だろうが倒すから」
──特定のプロモーションなど、目標は持たないのですか。
「ノー、まだ僕には早い。まだ学校に通っていて、卒業が先だ。ここから上を目指すには、まず学業を終わらせないと。もっと練習が必要だからね。今日の試合だって勝てたけど、ハードファイトになった。ちょっとしたケガもあって、3カ月ほど前からあまり練習ができないのと同時に、勉強の方が忙しくて。今回の試合は3週間ほどしか、満足な練習ができなかったんだ。
今日の試合が厳しかったのに、どうして上の舞台で戦うなんてことを口にできるんだい? そんなことを話すのは、スクールが終わってからだよ」
──では最後に日本のファンに、一言お願いします。
「日本の皆のサポートに、本当に感謝している。皆のイケメンは、お呼びが掛かればいつだって駆けつける。そして、ミスター・ショータイムの満喫してもらう。あとフィリピンの皆、家族、愛する人たちサポートにも感謝いている。いつだって、皆にショータイムを届けるよ。皆、愛している」