この星の格闘技を追いかける

【on this day in】5月29日──2010年

29 05 10【写真】2万人の観客を大興奮に導く。It’s Showtimeがオランダで見せた光景は幻だったのだろうか(C)MMAPLANET

It’s Showtime
@オランダ・アムステルダム、アムステルダム・アレナ
「さすがにアリーナ席を全面開放というわけにはいかなった。いってみればゴール裏を解放しているという感じだ。それでもオランダ・サッカー界の名門アヤックスの本拠地・5万3千人収容のアムステルダム・アレナに2万人ものファンが押し掛ける。記者に対しても、非常に厳しい持ち物チェック&身体チェックが行われるのは、オランダにおけるキックボクシングというスポーツの暗部の影響なのか──なんて思いつつ、きっとサッカーでも変わりないのだろうと独り言ちて会場に足を運びいれた。急斜面の客席を埋め尽くしたファン、ファン、ファンの群れ。TVタレントがリングに上がったり、キックを題材にしたリアリティTVショーがお茶の間で視られるわけでもない。いってみれば、欧州全土に存在するキックのジムから、試合を勝ち上がってきた実力者が一同に会すということで、これだけの人が集まった。街の公会堂や公共の体育館で行われてきたキックが、この場に通じている。これが5年前、旧体制のK-1最終年に見られたIt’s Showtimeの勢いだった。スペイン、フランス、ベルギー、イタリア、ハンガリー、そしてブラジルと勢力拡大を続けたIt’s Showtimeはその後、急速に台頭したGLORYと、新(今となってはこれも旧)K-1の狭間で、K-1に加担。しかし、その門出となったスペイン・マドリッド大会における未払い問題を機に、It’s Showtimeサイモン・ルッツ代表はGLORYサイドと接近し、It’s Showtimeの売却を決めた。僅か、この日から2年2カ月後の話だ。この間、オランダでは大々的なキック(格闘技)イベントが、政府より締め出しを食らい開催不可能に。GLORYはGLORYで、ルッツのいう『キックをもう一段上のレベルに引き上げる』手段として米国進出と選択。残念ながら今も苦戦を強いられている。米国進出はキックにとって大長征だ。調整を行うには頑強な基盤が必要となる。オランダという本丸を失ったことが、GLORYのみならず、キックボクシング界全体に与える悪い影響が、今も続いている……」

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