【No-Gi Worlds 2014】MH級=脱いでも強いキーナン。UH級=37歳、生涯現役コンプリードが出場
【写真】9月第1週のアメリカン・ナショナルズでは道着&ノーギで事実上の4冠を達成しているキーナン・コーネリアス、ノーギワールドでも本命だ(C)IBJJF
4&5日(土&日・現地時間)、カリフォルニア州アズサにあるアズサ・パシフィック大学内のフェリックス・イベントセンターにて、IBJJF主催の世界ノーギ柔術選手権が行われる。MMAPLANET&JJ globoがお届けするノーギワールド・プレビュー、最終回は重量級4階級の模様を紹介したい。
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【ミディアムヘビー級】
この階級の本命はなんといっても、柔術界の若き革命児キーナン・コーネリアス(アトス)か。ギあり柔術では相手の裾を複雑に絡めるワームガードを開発して世界を席巻するキーナンだが、道着に頼らなくてもその強さは抜群。昨年はADCC大会にて優勝者のホムロ・バハルを一方的に攻め続け、柔術EXPOでもルーカス・レイチに見事な下からの腕十字を極めている。最近は大会に出るたびに新技術を披露し世界を震撼させ続けている天才児は、今回は何を見せてくれるのだろうか。
コーネリアスの対抗馬となるのは、ベテランのムリーロ・サンタナ(バルボーザ)だろう。堅実な試合運びの目立つサンタナだが、道場では多彩なテクニックを誇りミヤオ兄弟にベリンボロを伝授し、レアンドロ・ロをも圧倒する強さを誇る等、数々の逸話の持ち主だ。昨年のパン柔術ではコーネリアス相手にスイープ合戦に持ち込まれてポイントで敗れているだけに、ここは雪辱したいところ。
またこの階級には、去年フィリッピ・ペナから奇跡の大逆転優勝をもぎ取った亀ガードマスターことエドゥアウド・テレス(ブラザCTA)、コパ・ポジオのスーパーファイトで完勝を見せたタナー・ライス(アマゾナス)らの強豪もエントリーしている。
【ヘビー級】
昨年優勝のジャクソン・ソウザ(チェッキマット)、ティム・スプリッグス(ロイド・アーヴィン)といった米国若手重量級グラップラーがエントリーした同級で目を引くのは、ヒクソン・グレイシー道場所属で参戦しているケヴィン・ケイシーだ。
ケイシーは最近UFCで豪快なKO勝利を見せたものの、ステロイド陽性反応を見せて一年間も出場停止処分を受けてしまったばかり。スポーツ倫理観からも、このようなケースで彼の出場が許されるべきなのか疑問は残るが、ヒクソン/クロンから黒帯を授かったケイシーのグラップリングの実力自体は折り紙付きだ。第3回メタモリス大会では、試合直前のオファーを受けてキーナン・コーネリアスと戦い、2度にわたって見事な投げでコーネリアスを舞わせている。結局内ヒールで一本負けを喫したものの、「ヤツの闘い方はストリートでは通じないと」文句を付け、この試合を観戦したヒーロン・グレイシーにも「柔術の実力ならケイシーの方が上だ!」という珍コメント(?)を残させている。いろんな意味で試合をするたびに話題を作る存在であることに間違いはない。
【スーパーヘビー級】
現時点であまりエントリーの多くないスーパーヘビー級だが、超大物が数人エントリーしている。まずは元柔術ヘビー級世界王者のベウナウド・ファリア(アリアンシ)。近年は怪物ホドウフォ・ヴィエイラの軍門に下る姿が目立つファリアだが、その必殺のハーフガードからの仕掛けは、相手に固められる心配の少ないノーギの試合ではさらに威力を発揮することだろう。
さらに去年のADCC-99キロ級の覇者、ジョアオ・アシス(チェッキマット)も参戦。ADCCでは決勝にてディーン・リスターの必殺のヒールを完封し、最後にはパスからバックも奪って完勝したアシス。ファリアとの試合が実現すれば、トップ×ボトムの激しい凌ぎ合いが見られそうだ。加えて今年のパン大会を制し、ワールドプロ大会でも準優勝に輝いている新鋭ルイス・パンザもエントリー。相手の足首を一瞬で破壊してしまうアキレス腱固め等、強烈な極めに注目したい。
【ウルトラヘビー級】
この階級のエントリーリストには、アッと驚くレジェンドの名がある。前回の第4回メタモリス大会でサウロ・ヒベイロと激闘を繰り広げて健在ぶりを示したコンプリードことホドリゴ・メディロス(ブラザCTA)だ。多彩なスイープでサウロと重厚な柔術を披露し、観客を魅了した37歳のコンプリードが、世界の第一線においてどのような戦いを見せるのか、まさにオールドファン垂涎の参戦といえるだろう。同門のユーリ・シモエスもエントリーしており、ワンツーフィニッシュを狙ってくる生涯柔術家に注目だ。彼らの前に立ちふさがるのは、先日のパンノーギ大会を制したガブリエル・ルーカス(チェックマット)や、同大会2位にしてドミニカ共和国出身の長身ファイター、アブラハム・マルテ(ヤマサキ)か。