【VTJ 6th】パンクラス王者ISAOと対戦、リオン武 「最後にもう一度頑張れる──と思った」
【写真】笑顔に一点の曇りなし。引き際を大切するために、新たな目標を掲げたリオン武。ファンに気持ちの届く試合を見せることができるか (C)TAKUMI NAKAMURA
4日(土)東京・大田区総合体育館で開催される「VTJ 6th」のメインイベントで現ライト級キング・オブ・パンクラシストISAOと対戦するリオン武。
モチベーションの低下から連敗が続き「このまま続けていてもしょうがない」と思うこともあったという、ここ最近のリオン。しかしVTJという場、そして新たなモチベーションがリオンを再び戦いの場に引き戻した。リオンのVTJに臨む意気込みを訊いた。
――今回のVTJ参戦が決まり、記者会見では「選手生活最後の挑戦だと思って、必ず生き残る」という言葉がありました。その真意を聞かせてもらえますか。
「3年前に宇野(薫)さんに勝ってから、モチベーションが上がらなくなったんですよ。僕はもともと佐藤ルミナ×宇野薫を見て修斗を始めて、修斗のチャンピオン、ルミナさん、そして宇野さんに憧れて(格闘技に)入ってきました。だから修斗のチャンピオンになって、ルミナさんと宇野さんに勝って、格闘家として目指すものがなくなったんですよね。それでも何とか自分を燃やす材料を集めて試合を続けてきたんですけど……やっぱり自分の内側から燃えてくるのと、外から燃える材料を探してきて燃やすのは違うんですよ。最後の最後で底力が出ないというか。それで去年の12月にシンガポールで試合(※REBEL FCでのロブ・リシタ戦)に負けた後、このままずるずる続けてもしょうがないと思って日々過ごしていました」
――例えば宇野戦の後にシュートボクシングで宍戸大樹選手と対戦したり、DREAMのタイトルマッチで高谷裕之選手と対戦したり、色々な試合もありましたが、そこまで燃えるものではなかった?
「宇野さんの時ほどではなかったですね。やっぱり僕は修斗のベルト、修斗の佐藤ルミナ、修斗の宇野薫というものに憧れていたんです。宇野さんに勝った後は、何とかその余韻で頑張っていた感じですね。シンガポールで試合をしたのも自分を燃やすための材料で、UFCを目指して海外で試合をしようと思ったわけではないです。僕は『総合格闘技がすごい』や『世界で活躍する』ではなくて『ルミナさん、カッコいい!』から、この世界に入ったので。僕にとって燃えるものはそっちだったんですよね」
――そんなリオン選手が今回もう一度、戦おうと思ったのはなぜだったのですか。
「去年自分のジムを出して、指導していると生徒たちから『リオンさん、試合しないんですか?』と聞かれることが多かったんです。でもそこでやる気がないとも言えないから、上手く誤魔化しながらやっていて。そうしたらVTJとTUFの件が発表されて、色んな人から『リオンはUFCを目指さないの?』や『このままフェードアウトしたらダメ。辞めるなら辞めるで、引退式や引退試合をやるべきだ』と連絡がありました。それで漠然ともう1試合はやらなきゃいけないんだと思うようになって、自分の練習を再開したんです。ちょうどジムが落ち着いてきて練習が出来るようになったというのもあったんですけどね。
最後の決め手は坂本(一弘)さん。2人で飯を食った時に、坂本さんに現役時代や引退を決めた時の話を聞かせてもらって『お前が辞めたいと思うんだったら、辞めてもいいと思う』と言われた一方で『俺はもうUFCで戦うことが出来ないけど、UFCで戦う可能性が1%か2%でもあるお前がうらやましい』と言われて。その時に坂本さんが面白いことを言ったんですよ、『甲子園と同じだよ。負けたらそこで終わり。でも勝ち続ければ甲子園で野球が出来る。それでいいじゃないか』って。その言葉を聞いた時に、だったら最後にもう一度頑張れると思ったんです。どういう形になるかは分からないけど、現役生活の最後にUFCを目指してみようって。それがもう一度、VTJ参戦を決めた理由ですね」
――なるほど。同じUFCを目指すという目標があっても、リオン選手と他の選手では意味が違うのですね。
「全く違うと思います。僕には僕の格闘技人生があって、あくまでそれが中心です。そこにUFCというワールドスタンダードのものが現れて、最後にそれを目指すという感じです。ある意味、UFCを目指すのは自分のためではないです。坂本さんだったり、今まで僕を支えてくれた人たちへの恩返しです。ここで恩返し出来なかったら、一生恩返し出来ないと思うんで。だから対戦相手はISAO選手に決まりましたけど、相手は誰でも良かったんですよ。それこそプロモーターに『戦って欲しい』と言われた相手と戦うのも恩返しだし、僕がどうこうではなくて、お客さんに喜んでもらえる試合をやりたかったんです。いざ試合になったら、勝つか負けるかのどちらかしかないですから」
――リオン選手の試合をもう一度見たいと思っていたファンはたくさんいると思います。リオン選手はどんな試合を見せたいですか。
「気持ちの強さを伝わる試合をしたいです。テクニックを見たいんだったら、UFCで世界最高峰のテクニックがたくさん見れるじゃないですか。でも気持ちが伝わるというのはテクニック云々じゃないんで。勝負はテクニックだけじゃないし、僕自身テクニックで勝ってきた選手じゃないから、気持ちの伝わる、見ている人たちが感動する試合をしたいです」
――逆に言えば最近はそういった試合が出来ていなかったわけですね。
「全ッ然、出来ていなかったです。自分でも自分の試合を見るのが嫌なくらいなんで(苦笑)。だから僕は気持ちの伝わる試合をしたいです。それに僕にとってはそういう試合をすることが勝利への近道だと思うんです。ポイントを取って取られてじゃなくて、一発殴られたら殴り返す、みたいな。それが出来れば気持ちも伝わるだろうし、勝利にも近づくと思います」
――練習そのものはご自身のジムがメインですか。
「そうですね。あとは修斗GYM東京にも来させてもらっています。久々に試合のための練習をやって、最初は身体が動かなくてしんどかったですけど、今はすごく楽しいです。“生きている”感じがします。どれだけ続けられるかは分からないですけど、この楽しい競技を少しでも長くやりたいので勝ちたいです」
■ VTJ6th対戦カード
<VTJフライ級T決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
シーザー・スクラヴォス(米国)
<145ポンド契約/5分3R>
リオン武(日本)
ISAO(日本)
<155ポンド契約/5分3R>
弘中邦佳(日本)
キム・ドンヒョン(韓国)
<145ポンド契約/5分3R>
宇野薫(日本)
ラージャ・シッペン(米国)
<145ポンド契約/5分3R>
高谷裕之(日本)
高橋遼伍(日本)
<125ポンド契約/5分3R>
マモル(日本)
飛猿☆No.2(日本)
<135ポンド契約/5分3R>
小野島恒太(日本)
佐藤将光(日本)
<128ポンド契約/5分3R>
鈴木隼人(日本)
福田龍彌(日本)
<145ポンド契約/5分3R>
大澤茂樹(日本)
三上譲治(日本)
<155ポンド契約/5分3R>
沼尻和之(日本)
大原樹里(日本)
<145ポンド契約/5分3R>
内藤太尊(日本)
林太陽(日本)
<145ポンド契約/5分3R>
平川智也(日本)
金子大輝(日本)
<女子105ポンド契約/5分3R>
NACHI(日本)
浅倉栞南(日本)
■ VTJ6th対戦カード
<VTJフライ級T決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
シーザー・スクラヴォス(米国)
<145ポンド契約/5分3R>
リオン武(日本)
ISAO(日本)
<155ポンド契約/5分3R>
弘中邦佳(日本)
キム・ドンヒョン(韓国)
<145ポンド契約/5分3R>
宇野薫(日本)
ラージャ・シッペン(米国)
<145ポンド契約/5分3R>
高谷裕之(日本)
高橋遼伍(日本)
<125ポンド契約/5分3R>
マモル(日本)
飛猿☆No.2(日本)
<135ポンド契約/5分3R>
小野島恒太(日本)
佐藤将光(日本)
<128ポンド契約/5分3R>
鈴木隼人(日本)
福田龍彌(日本)
<145ポンド契約/5分3R>
大澤茂樹(日本)
三上譲治(日本)
<155ポンド契約/5分3R>
沼尻和之(日本)
大原樹里(日本)
<145ポンド契約/5分3R>
内藤太尊(日本)
林太陽(日本)
<145ポンド契約/5分3R>
平川智也(日本)
金子大輝(日本)
<女子105ポンド契約/5分3R>
NACHI(日本)
浅倉栞南(日本)