【GLORY18】約5ヶ月振りのイベント再開、メインは世界ライト級選手権試合キリア×ロスマーレンから
【写真】昨年11月にNYで行われたライト級トーナメントの初戦で対戦した両社、この試合ではロスマーレンがキリアを判定で下している(C)MMAPLANET
9月30日(火・現地時間)、GLORYがRoad FCより11月7日(金・同)にオクラホマ州ショーニーのグランドカジノ・ホテル&リゾートでGLORY18を開催、GLORY世界ライト級王者ダビッド・キリアにロビン・ファン・ロスマーレンが挑戦することが発表された。
6月21日にLAで初のPPV大会を開催も、ビジネス的に大惨敗だったとされるグローリー。K-1なき後のキック界をリードするかと思われたが、米国をターゲットにさらなるステップを踏もうという試みによって、純粋な立ち技ファンにとってはやや魅力が薄れつつあるのも事実だ。ヘビー級、実力不足の米国人キックボクサーが不可欠な米国路線よりも、中国で活性化するK-1ルール系の大会や、ムエタイ・ルールを押すタイ系のプロモーションに出場する豊富な人材のほうがより魅力的と捉えられる向きも強くなっている。
そんななか、実に約5カ月振りのイベントも開催地は米国、しかもオクラホマ州のカジノで、開催日時は金曜の夜。Bellatorシーズン11がクライマックスを迎える131回大会まで2週間のブレイクがあり、その狭間を埋める形で行われることとなった。まさに米国で定着するために、Spike中継を念頭に置かれたイベントという見方もできる。世界戦+4人制トーナメントとスペシャルファイトというフォーマットは維持され、ライトヘビー級トーナメント初戦は、米国のブライアン・コレッティがコンゴのザック・ンウェカサ、ブラジルのサウロ・カヴァラリがロシアのアルテム・ヴァキトフと対戦する。セミもミドル級2位の米国人キックボクサー、ウェイン・バレットが出場、オランダのジェイソン・ウィルニスと戦う。そんな米国色の強い大会とはいえ、トーナメント決勝前に行われる世界ライト級選手権試合は、キックファン垂涎の一戦といえるだろう。
今年3月のグローリー14で、昨年11月にジョルジオ・ペトロシアンをKOし、新70キロ最強の称号を得ていたアンディ・リスティを5RKOで下し、初代グローリー世界ライト級王者に輝いたキリア。ただし、今回の挑戦者ロスマーレンとは過去2度戦って2敗と分が悪い。リスティにはスタミナ勝ちした形のキリアにとって、防御を固めてから攻撃を纏め、接近戦に長けたロスマーレンは、直接対決の結果に等しく、スタイル的にも苦手な部類に入る。極真出身、攻防一体型、そしてやや遠目の距離を取りたい王者は、足技でロスマーレンの前に出る力を抑えることが大切になってくる。そんな一戦をキック未開の米国とはいえ、かつてはデル・アポロ・クックがキック王国を築いたタルサから約80キロ離れた土地で開かれるイベントにやってくる観客や、TVの前の視聴者がどのように捉えるのか。大袈裟でなく、グローリーの今後の展開を占ううえで非常に大切な一番となる。