【Pancrase355】猛者カリベク戦前のISAO「やりがいのある相手、意味のある試合を意識してやりたい」
【写真】カリベクの強度をISAOらしく吸収できるか (C)MMAPLANET
27日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE 355にて、ISAOがカリベク・アルジクル・ウルルと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
元フェザー級&ライト級KOPのISAOが約4年ぶりにパンクラスに帰ってくる。ISAOは4年前=2021年5月に中島太一を判定で下し、2023年11月にBellatorに参戦。第二次サークルケイジ挑戦となったイーブ・ランジュ戦では勝利を掴むことが出来なかった。
その後も継続してBellator参戦を模索していたものの、自身の怪我とPFLによるBellatorの買収劇により、実戦の場から遠ざかる結果となってしまった。ホームリングとなるパンクラスからの再出発、カリベク戦を前にしたISAOに話を訊いた。
――ISAO選手、お久しぶりです。2023年11月のBellatorでのイーブ・ランジュ戦以来、約1年8カ月ぶりの試合が決まりました。この間はどのように過ごされていたのですか。
「当時はBellatorと契約していたので、引き続きBellatorで試合を組んでもらう方向で動いていました。それで準備を続けていたら夏頃に練習で足首を骨折してしまい、しばらく練習できなくなったんです。そうしたら今度はBellatorがPFLに買収されてしまい、Bellatorそのものが消滅、契約もリセットされた状況です」
――Bellatorへの継続参戦を視野に入れていたのですね。
「はい。実際に試合を組んでもらうように動いてもらっていたんですけど、交渉の途中で買収の話がでてきて、契約はどうなるの?みたいな感じではあったんですけど、結局(契約が)なくなった、みたいな感じですね」
――怪我で試合ができなかったのは仕方ないにせよ、団体の買収は選手の立場ではどうしようもない出来事です。Bellatorが買収された時点でどういう契約になっていたのですか。
「色々とマネージャーから契約状況は確認してもらっていたのですが、直近の試合で負けた選手は契約更新しない、勝った選手はそのままPFLと契約することになりそうということで、自分の場合は契約終了ということになっちゃいましたね」
――時間は経ってしまいましたが、ランジュ戦を振り返っていただけますか。
「ちょっとコンディションが良くなかった部分があって、時差ボケやブランクがあったのかもしれないですが、何か感覚がよくなかったですね(苦笑)」
――いつもは自分から試合を作っていくISAO選手が受けに回っていたことが意外でした。コンディション的なところで体が重かったのでしょうか。
「自分の体が動きづらいところろもあったし、相手のランジュも独特な動きをする選手で、そこを警戒しすぎたかもしれないです」
――結果的にBellator再挑戦は敗北で終わり、Bellatorそのものが消滅となってしまいました。さらに怪我での欠場もあり、まさに激動の時間を過ごしていたと思うのですが、復帰に向けてどんなことを考えていたのですか。
「そこまで深くは考えていなかったんですけど、今回こうしていい相手と試合を組んでもらって、しっかり勝ち星を上げて、ここからという感じになると思います。この試合を落とさずに勝つこと。ここが大事だと思います」
――復帰の時期としては今年の夏頃をイメージされていたのですか。
「今年に入ってからちょっとずつ練習を再開して、半年後~夏くらいまでには試合をやりたいと思っていました」
――パンクラスでの復帰は以前から考えていたものだったのですか。
「マネージャーと次の試合について話し合っているなかで、試合間隔も空いているから、まずは1戦復帰戦をやって、それから将来的なことを考えていこうという結論になったんです。そこでパンクラスが試合を組んでくれるということになって、お願いすることになりました。いきなりまた海外の大会に挑戦するのではなく、一度国内で復帰戦をやって…という感じですね」
――そういった中でカリベク・アルジクル・ウルルと試合が組まれましたが、試合が決まった時の心境は?
「こういった強い外国人選手を呼んでもらって感謝しています」
――例えばただ復帰する・パンクラスに出るというだけではなく、意味のある相手と戦いたかったですか。
「そうですね。これからはやりがいのある相手、意味のある試合を意識してやりたいと思っています。そういう意味でカリベクはワクワクする相手ですね」
――ISAO選手の戦績を振り返ると2010年にアルトゥール・ウマハノフと対戦していますが、中央アジア系の選手と対戦するのは今回が初めてです。現代MMAでは中央アジア出身の選手が一大勢力になっていますが、そういった相手と戦うことをどう感じていますか。
「実はそうなんですよ。ヨーロッパや南米の選手とはやってきたのですが、中央アジアの選手とやったことがないんです。みんな相手を怖がらず、ガンガン攻めるタイプの選手が多い印象です」
――話せる範囲で構いませんが、カリベク相手にどのように戦いたいですか。
「実際にやってみないと分からないですが、変な打撃をもらわないように慎重に戦って、相手の勢いを上手く流しながら、自分のペースで先に先に持っていけるようにしたいなと思います」
――受けて立つところは受けて立ち、流すところは流す、と。
「そうですね。基本的に相手の攻撃をもらわないようにしながら、仮にもらっても致命傷は受けないようにしつつ、自分の攻めるところで攻める。そういう試合をしたいです」
――ISAO選手は今年10月で37歳になりますが、今のパンクラスを見て感じることはありますか。
「自分もおっさんになってきたんで、回りはみんな年下ばかりだなと(笑)」
――逆にキャリアを重ねたからこそ出来る戦い方、試合の勝ち方も分かってきましたか。
「そこはまさに試合で肌で感じてみて、ですね。実際に組んだ感触だったり、力の使い具合だったり、相手の呼吸だったり……コンタクトして色んなことを感じながら試合を組み立てていきたいです」
――所属しているNEVER QUITにも菊入正行選手をはじめ中量級の強豪が多いですよね。
「みんな元気はつらつで強いので(笑)、そういう選手たちと普段から肌を合わせているという部分には自信を持っています」
――今はカリベク戦に集中していると思いますが、例えばもう一度海外にチャレンジしたいのか、それとも国内のビッグイベントとしてRIZINにも興味があるのか。そのあたりはどう考えていますか。
「カリベク戦に勝てば道が開けて海外の方向もあると思いますが、今はこの試合に勝つことがすべてですし、ここで勝つことが出来れば色々と動いていけるのかなと思います」
――残りの格闘技人生で完全燃焼したい、やりきりたいという想いは強いですか。
「はい。これからも強い相手・やりがいのある相手を求めて、悔いなくやっていきたいと思います。どういった舞台で試合をしていくかは周りと話し合いながら、決めていきたいと思います」
――ISAO選手の久々の試合を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。
「久しぶりの日本での試合なんで、たくさんの方にいい姿を見せられるように、しっかり作り上げて、いい勝ちを見せたいと思います」
■視聴方法(予定)
7月27日(日)
午後1時15分~ U-NEXT