【Bellator123】UFN50から僅か16キロ離れた地で、新生ベラトール本格始動。メインはカーラン×フレイレ
【写真】Spike中継第一弾で組まれたフレイレ×カーランの再戦が、体制変更後第一弾のメインとなる(C)MMAPLANET
5日(金・現地時間)、コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナでBellator123「Curran vs Pitbull2」が行われ、スコット・コーカー体制が本格的にスタートする。
知っての通り、同日はUFCがアンカスビルから僅か16キロしか離れていない、同州レッドヤードのフォックスウッズでUFN50を開催。昔懐かしい墨田川決戦ならぬテムズ川決戦、興業戦争というフレーズを用いてしまうほど──当事者は大変だが──MMAの元気の良さが、この地域一帯で見られることになる。
ベラトール、シーズン11開幕戦のメインカード開始時間は米国東部時間の午後8時、UFCは午後9時スタートとなっている。ただし、UFNの中継を行うFoxsports1では午後7時より、東海外在住の活きの良いファイターの出場が目立つプレリミの中継が始まることになっている。TV中継では実質1時間遅れとなり、奇襲攻撃を仕掛けられたベラトールは、ボビー・ラシュリーの同プロモーション初陣をオープニングに、パット・カーラン×パトリシオ・フレイレの世界フェザー級選手権試合をメインに置いている。
両者は2013年1月のベラトール85ではカーランの王座初防衛戦でフレイレが挑戦、一進一退の激闘の末に王者がスプリットで勝利を収めている。その後、カーランはシャウブラット・シャムカラエフを相手に2度目の王座防衛に成功したものの、11月にダニエル・ストラウスに敗れ、ベルトを手放している。しかし、即リマッチとなった今年の3月に執念のRNCで逆転し、王座返り咲きに成功した。この間、フレイレはRFAで活躍していたジャレッド・ダウニングを相手に7カ月後に再起を果たすと、シーズン9フェザー級トーナメントを制し、再挑戦の権利を手にしている。
そして、フロド・カズブラエフがビザ取得に手間取っている間に、カーラン×ストラウスのラバー・マッチ期間に突入し、挑戦がお預けとなっていたフレイレは、ついに2014サマーシリーズ開幕戦=Bellator121で再戦に挑むことになった。ところがカーランの負傷により、両者の対戦は今大会に持ちこされることとなった。前回は接戦ながら、パンチの精度で上回ったカーランがフレイレを振り切ったが、その後のフレイレの打撃の成長具合は恐ろしいモノがある。
特に昨年9月のベラトール99=シーズン9フェザー級T一回戦では、元UFCファイターのディエゴ・ヌネスと対戦し、足を使って回りながら、一瞬の踏み込みからの左フック一発でKOした試合は見事だった。さらに決勝のジャスティン・ウィルコックス戦でも、距離を詰めてきたところで、左ダメージを入れ、最初のダウンを奪っているシーンも印象深い。
待ちの姿勢からの左フック、ダメージを与えたあとの怒涛のラッシュ、加えて右ストレートも威力を増しているフレイレ。間合いの計り方と、踏み込みの鋭さだけでなく、テイクダウンのねちっこい攻防でも集中力を切らせることがない。とにかく倒すという気合が半端でないフレイレが、挑戦者としては慎重すぎた前回の反省点を生かし、どのように自らのアクションを起こすのか。破壊力満点のショートの左、そして真っ直ぐの右も待ちの姿勢で使うには、カーランの前蹴りや左ジャブは厄介過ぎる。相手の踏み込みでなく、自らの動きでKOパンチを放てる距離を如何に作ることができるのか。フレイレが悲願を達成するには、その辺りが鍵を握っている。
王者カーランは、ベルトを取り返したとはいえ、2試合連続で自分のペースで戦えてないことは確か。近距離で強さを発揮するフレイレを相手に、彼に必要となってくるのは、やはり手の圧だろう。そして、ジャブで動きを止めることができない場合、カーランが頼るべき武器を用意しているのか。ショートを好むフレイレに対し、時折り見せるエルボーなど、非常に有効なように思えるが──果たして。
■Bellator123 対戦カード
<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] パット・カーラン(米国)
[挑戦者] パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
シーク・コンゴ(フランス)
レイバー・ジョンソン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
キング・モー(米国)
ダスティン・ジャコビー(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ボビー・ラシュリー(米国)
ジョシュ・バーンズ(米国)
<バンタム級/5分3R>
マルヴィン・マルドナード(米国)
リコ・ディシーロ(米国)
<バンタム級/5分3R>
スティーブ・ガルシア(米国)
キン・モイ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ジョシュ・ディークマン(米国)
マイク・ウェッセル(米国)
<ミドル級/5分3R>
ブレナン・ワード(米国)
タムダン・マックローリー(米国)
<ミドル級/5分3R>
ダン・クレイマー(米国)
ペリー・フィルキンス(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
マイク・ムシテリ(米国)
マーク・グリフィン(米国)
<フェザー級/5分3R>
ピート・ロジャース(米国)
フィリップ・マルチンス(米国)
<バンタム級/5分3R>
ブランドン・フレミング(米国)
ブレア・タグマン(米国)
<ライト級/5分3R>
ルーカス・クルーズ(米国)
アンドリュー・カランドレリ(米国)
<フェザー級/5分3R>
マット・ベセット(米国)
スコット・クレイブ(米国)