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【RIZIN LANDMARK12】後藤丈治戦へ、中島太一「俺とお前とじゃ歴史が違うよと試合を通して見せたい」

【写真】後藤とRIZINバンタム級戦線に対して――は、アグレッシブな発言が聞かれた中島だ (C)TAKUMI NAKAMURA

11月3日(月・祝)に神戸市中央区のジーライオンアリーナ神戸で開催されるRIZIN LANDMARK12にて、中島太一後藤丈治と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2025年の中島が好調だ。約1年ぶりのMMAとなったDEEP4月大会でのハルク大城戦ではジャブと右カーフでダメージを蓄積させ、大城の左脛裂傷によるTKO勝利。6月のRIZIN札幌大会ではCOROを左フックからのパウンドで沈めた。

今大会で中島は同じ札幌大会で勝利し、連勝中の後藤と対戦。タイトル戦線への浮上を目論むライバルでもある後藤に対し、中島は「僕と後藤選手は今まで戦ってきた相手もくぐってきた修羅場も違う。歴史の差を見せる」と語る。


綺麗に戦うことがあまり意味ないなと思い始めて

──今年はハルク大城戦、CORO戦と2連勝中です。ご自身ではこの2試合を振り返っていかがですか。

「連勝とかそういうことは全く意識していないんですけど、ここ2試合ちゃんとフィニッシュできているのは、RIZINに来てから倒すイメージを持って練習していることが大きいと思います」

──それは自分の中の意識を変えたのか、それとも練習方法そのものを変えたのですか。

「意識を変えると行動も変わると言うじゃないですか。そういう感じで意識を変えて、こういう練習をした方がいい、もっとこうした方がいいと思って、ドンドンドンドン練習も変えていった感じですね。すごく単純なことなんですけど、サンドバッグでも倒すイメージで思いっきり打ち込むとか、相手の顎を打ちぬくイメージで殴るとか、カーフキックだったら相手をイメージして1発で倒すイメージを持って蹴るとか、本当に意識の問題ですね。でもそこの意識を変えて、よりそれがスパーリングや試合に活きるようになった感じです」

──倒す殺気を持つというか、意識を変えただけでも戦い方が変わったわけですね。

「変わりましたし、今までの自分は綺麗に戦うことを目指していたんですよ。それだと相手に怖さを与えられないのですが、倒そうとしすぎると自分のスタイルと上手く噛み合わないなと思っていて。でもMMA、格闘技はそこが本当に大事な部分だと実感していて、自分もそこを磨いていく必要があると思うようになりました」

──中島選手は昨年4月にキム・スーチョルにKO負けしていて、まさにあの試合はスーチョルの勢いや倒す気迫が中島選手のテクニックやスキルを上回っていたように思いました。中島選手もそういったものは感じましたか。

「少なからずあったと思います。自分は練習でのテクニックではあまり負けないと思うんですけど、試合になるとああやって上手くないけど突っ込んで当てる方が勝つことがある。試合はそれが大事だし、綺麗に戦うことがあまり意味ないなと思い始めていて、それで自分の戦い方も変わってきていますね」

──ハルク戦はジャブでハルク選手の目尻を切り裂いたり、ワンツーでぐらつかせたりする場面もありましたが、あれも一発一発を効かせるつもりで打ったのですか。

「そうですね。あの試合は相性も良かったですし、僕が組んでいけばもっと圧倒できたと思うんですけど、そこに行く前に仕留められた感じですね」

──続くCORO戦は左フックからのKO勝ちでしたが、あの試合のフィニッシュは倒すつもりで打ったパンチだったのですか。

「実はあれはたまたまなんですよ。というのも試合前に青木(真也)さんと散々勝負に行くぞと話をしていたのに、実際に試合が始まると下がるという(笑)。結果的にCORO選手が出て来てくれたから得意のカウンターが当てられたというだけで。勝ち方は良かったかもしれないですが、別にあれがやりたかったってわけじゃないので、結果オーライという感じですかね」

──中島選手としてはもっと一方的に自分から攻める試合をイメージしていたのですか。

「それを青木さんにも言われていて、自分もそこを意識してやっているんですけど、僕のスタイルに合っているのかな?という疑問もあったんです。やっぱりボディワークで相手の打撃を避けて、ジャブを打って、カーフを効かせて、というのが自分のスタイルなんで。だから青木さんや第三者に言われたことと自分の得意なことをミックスしてレベルを上げられればいいんですけど……そこは日々の練習で確かめながらやっている感じですね」

──試行錯誤している段階だと思いますが、試合で倒す感覚を掴めたことは大きかったのではないですか。

「そうですね。久しぶりのTKO、KO勝ちだったので。まだ自分でもKOできるんだという自信もついたし、それをまた練習で精度を高めることが出来ているので、いい循環で出来ていると思います」

――そして今大会では後藤選手と対戦が決まりました。今年3戦目になります。

「去年はRIZINで試合をすることにこだわりすぎて、スーチョル戦1試合しかできなかったんですけど、今年はそれを反省して『機会があれば試合をやらせて欲しい』と周りにお願いしていたんですね。それで今年3試合目が決まって、コンスタントに試合できて嬉しいですね」

──RIZINで試合するこだわりを捨てたら、結果的に2試合連続でRIZINで試合が決まるというのも不思議なものですね。

「そこは僕が4月にDEEPでハルク選手と試合をして勝てたこと、RIZINでチャンスをもらったCORO戦で勝てたことが大きいと思います」

まあやっつけるだけ

──さて今大会対戦する後藤選手ですが、今まで対戦相手として意識していたことはありますか。

「今まで接点がほとんどなくて、僕がかなり昔にTRIBE TOKYO MMAに練習に行って、そこで手合わせはしていると思う……くらいですね。前回同じRIZIN札幌大会に出ていて、そこで勝った者同士でやる可能性はあると思っていました。でも正直僕の方が上だと思っているし、もうちょい上位陣というか名前のある選手と組んでくれると思っていたんですけど、色々と試合を断られたりしたみたいで、最終的に後藤選手に落ち着いた感じですね。だからまあやっつけるだけですね」

──一人の対戦相手として後藤選手の印象は?

「何でも出来て綺麗に戦う、イケメンで頭のいいファイターだな。そんな印象じゃないですかね」

──中島選手としては力の差を見せる試合にする、そうしなきゃいけないというところが自分に課しているテーマですか。

「そうですね。でも後藤選手もちゃんと勝っているし、勢いに乗っている部分もあるので、そこは全く油断もしていないですし、しっかり対戦相手として捉えていて、ちゃんと対策もしています。相手のやりたいことは分かっているんで、その対策と自分の強い部分をぶつける練習をやっているので、後藤選手の心を折りたいですね」

──心を折る、ですか。

「はい。後藤選手にもう止めてくれって思わせたいです。僕と後藤選手は今まで戦ってきた相手もくぐってきた修羅場も違うんで、一緒にすんじゃねえよという気持ちです。実力差やレベルの差があるとは言いませんが、俺とお前とじゃ歴史が違うよというところを試合を通して見せたいです」

今までチヤホヤされていた上位陣と呼ばれている人たちとはやりたい

──今年は日本人選手と試合が続いていますけど、ここからは外国人選手との対戦やタイトル挑戦も見据えていきたいですか。

「RIZINは結果だけでなく、勝ち方も問われると思うので。佐藤将光選手に勝ったダニー・サバテロ選手がすぐタイトルに挑戦しないのであれば、彼とやりたいですね。僕だったら勝てると思うので」

──今名前が挙がったサバテロをはじめ、安藤達也選手も連勝中だったり、今のRIZINバンタム級を中島選手はどう見ていますか。

「どちらかと言えば僕もRIZINバンタム級に新しく入って来た側だと思うので、今までチヤホヤされていた上位陣と呼ばれている人たちとはやりたいです。それ以外では安藤選手や福田龍彌選手にも興味があるし、結局全員倒さないとタイトルには行けないと思うんで、片っ端からやっていきたいです」

──ちなみに今回の試合に向けて青木選手からは何か言われていますか。

「いや、別に(笑)。作戦とかそういうものは基本的に全部自分で考えているんで。で、セコンドに人たちに『今回はこういう風に行くんで、こういう指示を下さい』というのを伝える感じです。青木さんや八隅(孝平)さんもそこは知っている感じなので、特に何かを言われることはないですね。試合当日に僕のモチベーションを上げてくれる感じです」

──そこも含めて中島選手本人とチーム全体がいい形で回っているのではないですか。

「そうですね。今はしっかり勝って存在を示さないと先がないと思っているし、僕は本当にいつ終わりが来るか分からない年齢にもなってきているので。でも僕はまだまだ上に行きたいし、若者、下から来るヤツらなんかに負けないし、席は譲らないぞという気持ちですね。そういう意味でも歴史の差を見せます」


■視聴方法(予定)
11月3日(月・祝)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN LANDMARK12対戦カード

<フェザー級/5分3R>
秋元強真(日本)
萩原京平(日本)

<RIZIN女子スーパーアトム級選手権試合/5分3R>
[王者] 伊澤星花(日本)
[挑戦者] 大島沙緒里(日本)

<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
松嶋こよみ(日本)

<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
木村柊也(日本)

<50キロ契約/5分3R>
ケイト・ロータス(日本)
イ・ボミ(韓国)

<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
桜庭大世(日本)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
後藤丈治(日本)

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
MAX吉田(日本)

<62キロ契約/5分3R>
金太郎(韓国)
リ・ユンフォン(中国)

<ライト級/5分3R>
雑賀“ヤン坊”達也(韓国)
ヌルハン・ズマガジー(カザフスタン)

<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
安井飛馬(日本)

<ライト級/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<フライ級/5分3R>
トニー・ララミー(カナダ)
山内渉(日本)

<キックボクシング51キロ契約/3分3R>
KING陸斗(日本)
水野夢斗(日本)

<OP女子スーパーアトム級/5分2R>
NOEL(日本)
海咲イルカ(日本)

<OPキックボクシング57キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
翔磨(日本)

<OPバンタム級/5分2R>
宮川日向(日本)
MG眞介(日本)

<OPキックボクシング63キロ契約/3分3R>
元氣(日本)
林眞平(日本)

<OPキックボクシング51キロ契約/3分3R>
みいちゃんレンジャージム(日本)
伊藤菜の花(日本)

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