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【LFA216】非コンテンダーファイトになるのか。女子ストロー級タイトル戦=ラニー・シウバ×ベルトソ

【写真】計量結果は両者揃って115ポンド。ベルトソの削られ具合が凄まじい。どれだかリカバリーするのだろうか (C)LFA

5日(金・現地時間)、ブラジルはクイアバのムシヴァでLFA216「Silva vs Bertolso」が開催される。メインはイベント名にある通り、LFA女子ストロー級選手権試合=王者ラニー・シウバ×挑戦者アイエサ・ベルトソだ。
Text by Manabu Takashima

シウバにとって、今回の試合は今年の2月にホージー・コイセンソンを5Rに左ハイキックで沈めて手にしたベルトの初防衛戦となる。対するベルトソはIMMAF世界王者からLFAでプロMMAデビューを果たし、この2年4カ月で6連勝、4つのフィニッシュ勝利を挙げ挑戦権を手にした。


上記にあるコンセイソン戦ではフィニッシュとなった左ハイ以前に序盤から左ミドルを継続的に決め、さらにボディショットのコンビでダメージを与えつつ、完全に腹を意識させておいての見事なKO勝ちだった。

ブラジル国内ではMMAグローブ着用のキック大会=SFTで女子ストロー級王者となり、K-1ブラジル大会のワンマッチにも出場経験があるシウバは、こと打撃に関しては既にUFC級といっても良いだろう。組み技でもテイクダウン防御は場数をこなして精度が上がり、寝技ではUAEWにおいてヒールで一本勝ちを飾ってもいる。

打撃強めのウェルラウンダーといえる王者だが、挑戦者ベルトソは総合力で上回っているという見方は十分に成り立つ。アマMMAで16勝1敗、そのアマMMAの多くをバーレーン代表として戦ってきた。

ベルトソはアマ時代にバーレーン王国に見初められ、国籍を与えられることで同国代表としてIMMAFのトーナメントに出場してきた。つまりアマ時代から生活が十分にできるプロ待遇をバーレーン王族が持つKHKジムから受けてきたわけだ。

同様にバーレーン代表としてIMMAFを戦ってきたブラジリアン女子のサブリナ・ソウザが、バーレーン国籍のままPFLと契約し、男子ダゲスタン勢も同国のファイターとしてステップアップをはかるなか、ベルトソはブラジルに戻り北南米#01フィーダーショーから世界最高峰を目指す道を選択した。

長身、そのリーチを生かしたファイトは打撃も組みも技術力は相当にある。その一方でややフィジカル面に課題が残るようにも感じられるが、そこを理解した戦術を立て勝ち続けている。

今やLFAはいわゆるコンテンダーシリーズ・ファイトと言っても過言でないフィニッシュ重視、攻撃の比重が高いファイトがオープニングからメインまで続いている。もちろん、それがUFCとの契約に近づくからだが、シウバもベルトソもしっかりと試合を組み立て、与えられたラウンドを戦い終えた時点で勝利を手するタイプだ。

その過程において、仕留められる機会になると一気に終わらせにかかるファイターだ。それでいてフィニッシュ力はある。UFC首脳が流すはずがないタイトルマッチで、王者と挑戦者はどのようなMMAを見せるのか――。

チャンピオンシップ以外で注目は、コメイン出場のマルセロ・マルケスか。20215年デビューの10年選手は、コロナ期に活動停止期間があったが、2022年9月からLFAブラジル大会を主戦場すると4連勝、この間BRAVE CFのブラジル大会でも勝利するなど、この世界を代表する――性格の違うプロモーションで結果を残してきた。

意外な打撃の跳び技とテクニカルかつ重厚なグラップリングを持つマルケスは正規と暫定王者が並び立ち、揃って防衛戦を戦うLFAライト級戦線の台風の目であることは間違いない。

恐らくはタイトルマッチ出場ファイターに何かあった時のためのバックアップの意味合いもあって組まれた女子ストロー級マッチ=ナタリア・アウベス×アレクサンドラ・サビチェバも興味深い。特にサビチェバはONEベテランで、1勝1敗。アジア最大のプロモーションを離れるとカザフスタンのドメスティック大手MMA=Octagonで女子フライ級王座を獲得し、ストロー級に落としてLFAブラジル大会で戦う。

戦場を求めロシア、タイ、カザフスタン、ブラジルと格闘大国を闊歩するサビチェバのゴールもいうまでもなく、UFC。ハングリーの塊がどのようなファイトを見せるか、楽しみだ。

■視聴方法(予定)
9月6日(土・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS

■メイン対戦カード

<LFA女子ストロー級選手権試合/5分3R>
[王者] ラニー・シウバ(ブラジル)
[挑戦者] アイエサ・ベルトソ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マルセロ・マルケス(ブラジル)
フィリップ・オリヴェイラ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ナタリア・アウベス(ブラジル)
アレクサンドラ・サビチェバ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・ペレイラ(ブラジル)
フィリッピ・ペレイラ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ジョナタン・マチャド(ブラジル)
ドゥグラス・ダ・ラパ(ブラジル)

<139ポンド契約/5分3R>
トーマス・ブライアン(ブラジル)
ダニエル・アラウージョ(ブラジル)

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