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【POUNDOUT02】ライト級復帰2試合目=葛西和希戦へ、山本琢也「試合が決まれば、もうやるしかない」

【写真】国内MMAで最も覚醒ーー再覚醒を期待したいファイターの一人だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、千葉市中央区のTKOガーデンシティホール千葉で開催されるPOUNDOUT02にて、山本琢也が葛西和希と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

「ライト級の山本さんは強い」――以前の練習仲間であり、今回対戦する葛西はインタビューで、キッパリと言い切った。緩やかな言葉とは裏腹に、山本が試合で見せる獰猛な姿には、まさに生物としての強さが感じられるという。

Grachanでライト級のベルトを巻き、続いてフェザー級も制した。以降はフェザー級を主戦場にしようとしたものの、RIZINでの計量失敗もありライト級に戻る決意をした山本。復帰第一戦となった昨年10月の岡野裕城戦では、本来の持ち味であるパンチからトップコントロール&パウンドで岡野を仕留めている。これこそ、まさに山本らしい試合内容だった。

既報どおり、三上ヘンリー大智×イ・イサクの一戦が消滅したことで、山本と葛西の激突が今大会のメインとなった。そんななか、山本は葛西を相手にどんな試合を見せるか。山本は――いつもどおりの口調で、しかしより明確に今後について語った。


――昨年10月のPOUNDOUT01以来、約9カ月ぶりの試合となります。これだけ試合間隔が空いたのは、何か理由があったのでしょうか。

「いや、特にないですね。アハハハ」

――山本選手の場合、これまでも試合間隔が開くことが多く、しかも特に理由はない。現在はどのようなペースで試合を行っていきたいと考えているのですか。

「できればコンスタントに試合をすることが大事だとは思います。そのために自分から発信して試合を組んでもらうというか。前回のPOUNDOUTで勝った後も、関係者の方とも『すぐに次の試合を組もう』という感じにはなっていたんですよ。でも、自分もダラダラとここまで来ちゃって……。そんななかで、今回のオファーを頂きました」

――試合をする場合、どこで誰と対戦したいという希望はありますか。

「そうですね……誰と、という具体的なものはないです。ただ年齢も年齢ですし、それなりのチャンスに繋がる相手と試合をしたいとは思っていますね」

――それなりのチャンス、というのは?

「ベルトに絡める試合とかですね。少しでもステップアップに繋がる試合ができたら」

――2022年にGrachanのライト級とフェザー級のベルトを返上したあと、翌年1月に修斗で山本健斗デリカット選手にKO勝ちしました。当時、修斗フェザー級2位だった健斗デリカット選手に勝利したことで、修斗のベルトに挑戦するチャンスもあったとは思います。

「その次の試合、RIZINで計量失敗しているんですよね。やっぱり計量オーバーで『やっちゃいけないことをやってしまった』という気持ちはありました。そのあとライト級に戻ろうと考えたけど、普段の体重が重いので、何か試合を挟もうとキックの試合に出て」

――昨年7月、RWS JAPANで翁長将健選手にKO勝ちしています。

「仲良くしてもらっている先輩が出場することになって、『お前も出るか?』と声をかけてもらいました。その試合でなんとかKO勝ちできて――やっぱり試合が決まり、『試合に向けて頑張ろう』と気持ちをセットすること。それができました」

――キックの試合を経て、昨年10月にMMAで岡野選手にKO勝ち。ライト級の試合は計量もコンディション調整もうまくいったのでしょうか。

「いやぁ、それもまた何とも言えないところです(苦笑)。一度キックの試合に出て、それなりに体重が増えて、また落とすことになるのでキツイといえばキツイですね」

――山本選手は通常体重が100キロ近くになるそうですね。もしコンスタントに試合があると、通常体重を保てるものですか。

「コンスタントに試合をしたことがないので、想像つかないですね。アハハハ」

――2014年にプロデビュー以降、9勝3敗1分。1年に1~2試合のペースです。

「あぁ、全然していないですね」

――それでも岡野戦のKO勝ちは「やはり山本選手は強い。もっと試合が見たい」と思わせてくれるような内容でした。

「そうですか。自分としては『たまたま良いのが当たってくれたなぁ』と思うぐらいで。ダウンを奪った右も特に狙っていたわけではなく――試合をしている時は考えている部分もあれば、考えていない部分もあるので。あの時は考えていなかったかもしれないです」

――なるほど……。岡野選手も、今回対戦する葛西選手も練習仲間だと聞きました。

「そうです。でも基本的に茨城の方たちなので、自分もそれほど練習に行けるわけではなくて。だから年末の練習会で一緒になったりとか、葛西君が松戸の選手練習に来ていたりとか。今はもう来ていないけど、一時期は毎週のように朝の選手練で一緒に練習していました」

――2試合連続、練習経験のある選手と対戦することになりましたが……。

「前回もそうですけど、オファーをもらった時に少し気まずいんですよ。僕は2回とも『相手の選手がやるということなら、僕もやります』と返答していて。そうしたら2回とも相手がやるというから、自分もやるしかないと……」

――そこで「やるしかない」と気持ちを切り替えるのですか。

「あまり深く考えるタイプじゃないので、試合が決まってしまえば、もうやるしかないです。試合が始まったら『早く終わってくれ』と考えているだけですね」

――今回対戦する葛西選手について、練習と試合の印象を教えてください。

「練習している時は体が強くて、組みも強いと感じました。打撃のスパーはやったことがないけど、凄く打撃が綺麗だなっていう印象はあります。寝技でもしっかり極めることができるし、全部できる選手だと思いますね。

試合は――いつだったか葛西君の試合を会場で観たことがあります。その時は結構打撃で殴り合っている印象がありました。もともとあまり格闘技の試合を視ないので、すみません(苦笑)。僕の場合は周りの人たちが対戦相手の試合を視て、『こういうタイプだよ』と伝えてくれることが多いです」

――その葛西選手と、どのような試合をしたいですか。

「自分から当てていきたいですね。圧をかけながら前に出て、しっかり打撃を当てて入っていきたいです。6月22日は気持ちを見せられる試合をしようと思っているので、楽しみにしておいてください!」

■視聴方法
6月22日(日)午後1時30分~
YouTube 高谷裕之チャンネル
※第4試合まで無料配信
大会全試合を収録したフルバージョンは7月7日よりU-NEXTにて配信開始予定

■POUNDOUT02 対戦カード

<ライト級/5分2R+ExR>
山本琢也(日本)
葛西和希(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
岡田達磨(日本)
大搗汰晟(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
松井涼(日本)
武田勇輝(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
小林大介(日本)
能坂陸哉(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
八木敬志(日本)
藤村健悟(日本)

<ウェルター級/5分2R+ExR>
岩倉優晟(日本)
宇土冬真(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
椎名渉(日本)
後藤浩希(日本)

<ストロー級<フライ級/5分2R+ExR>
樋口幹太(日本)
工藤善哉(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
内山国光(日本)
渡部大斗(日本)

<キック 67キロ契約/3分3R>
RYUMA(日本)
倉津カムイ(日本)

<チャレンジマッチ バンタム級/5分2R>
今井大暢(日本)
竹内正樹(日本)

<チャレンジマッチ フェザー級/5分2R>
立川フミヤ(日本)
金子尚史(日本)

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