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【GLORY×RISE】過去最大規模のトーナメントが開幕。一回戦の注目は万能ムエタイ戦士=ボボ・サッコ

【写真】昨年末のワンデートーナメントから、さらに規模を拡大して行われるGLORY×RISEの65キロ世界トーナメント。日本での開幕戦ではボボ・サッコに注目したい(C)RISE/KUSHIMAX

21日(土)、神奈川県横浜市中区の横浜BUNTAIで開催されるRISE WORLD SERIES 2025 YOKOHAMAにて、GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(65キロ以下)STANDING TOURNAMENTが開幕する。
text by Takumi Nakamura

RISEは2022年からGLORYとの提携をスタートし、昨年12月に幕張メッセにて「GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX」として、65キロ以下の8選手によるワンデートーナメントを開催。

RISE・GLORYからそれぞれチャンピオンを含むトップランカーが4選手ずつエントリー、一夜にして65キロ最強の座を争い、現役のGLORYフェザー級(65キロ)王者のペットパノムルン・キャットムーカオが優勝を果たした。


この世界トーナメントが今年は「GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT」としてさらに規模を拡大。総勢24選手が参加する過去最大級のトーナメントとして行われる。

トーナメントはGLORYブロックとRISEブロックに12名ずつ分かれ、各ブロックでワンマッチによる1回戦4試合からスタート。2回戦からはシード選手4名も参加し、3回戦まで試合を行い、各ブロックで代表選手2名を選出する。そしてGLORYブロック2名+RISEブロック2名=4名によるワンデートーナメントで優勝者を決めるトーナメント形式だ。

GLORYブロックでは昨年のトーナメント王者ペットパノムルン、ミゲール・トリンダーデ、他2選手。RISEブロックではRISE世界スーパーライト級(65キロ)王者チャド・コリンズ、原口健飛、イ・ソンヒョン、白鳥大珠がシード選手となり、トーナメントは今大会=6.21RISE横浜大会からスタートし、RISE・GLORYの両大会で試合が組まれ、来年2026年に決勝が行われる予定だ。

今大会ではRISEブロック=伊藤澄哉×ペトル・モラリと笠原弘希×ロンペット、GLORYブロック=ボボ・サッコ×ヤン・カッファとアユーブ・ブーラス×アイトール・クリートの4試合が組まれているが、ここでピックアップしたいのは今回が初来日となるボボ・サッコだ。

サッコは今年37歳のフランス人ムエタイファイター。これまでWBCムエタイ・インターナショナル王座をはじめ、数々のタイトルを獲得し、90戦近い戦績を誇るベテランだ。GLORY参戦前にはRISEの世界王者にしてシード選手のチャド・コリンズ、ONEでも活躍しているリアム・ハリソンやラフィ・ボヒックに勝利している。

昨年2月からサッコはGLORYに主戦場を移し、その初戦でダビド・メヒアと対戦。K-1で野杁正明と判定までもつれる技術戦を展開し、GLORYで王座挑戦も経験しているメヒアに対し、サッコは左ミドルからの右フックを叩き込み、倒れたメヒアが足を痙攣させたまま失神するという衝撃的なKO劇を見せた。

続くGLORY2戦目=10月のデニス・ウォーシック戦ではサウスポーから繰り出す左ミドルを軸に、前に出てくるウォーシックに右フック・左のヒザ蹴りを的確に突き刺し、ウォーシックの追撃を首相撲で遮断。クリンチの多い展開にブーイングも起き、決してコンタクトが多い試合ではなかったが、ポイントでは完封と言える試合展開だった。一撃で相手を失神させる攻撃力を持つ一方、ムエタイ的な試合運びでポイントアウトできる試合を選択できるのがサッコの強みだ。

またGLORY参戦前の2019年9月に出場したONEでのクラップダム・ソーチョーピャッウータイ戦では、1Rにクラップダムの左フックを浴びてスタンディングダウンを取られて判定負けしたものの、試合後半は射程の長いジャブを起点にした左ストレートを的確にヒットさせるなど、パンチ主体で戦う引き出しの多さも見せている。

今回のトーナメントは最大で5試合を戦うことになる長丁場。対戦相手や試合展開によって、臨機応変に戦い方を変えることが求められる。一回戦で対戦するカッファはパンチ&ロー主体で前に出るタイプで、サッコは左ミドル&クリンチを駆使してカッファにパンチの距離を作らせない戦い方もできるはずだ。

そういった観点からもサッコの変幻自在のスタイルはトーナメントの台風の目となりうるもの。サッコがシード選手以外でトーナメントを勝ち上がる可能性を持っているかどうかにも注目したい一回戦だ。

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