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【RIZIN LANDMARK11】マゲラムと対戦──キャリア最終章、安藤達也「腹を決めて全員ぶっ倒してやります」

【写真】結果を残して、有言実行を期待 (C)MMAPLANET

14日(土)に札幌市南区の真駒内セキスイハイムアイスアリーナにて開催されるRIZIN LANDMARK11で、安藤達也がマゲラム・ガサンザデと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年5月のRoad to UFCでチュウ・カンチエに敗れて以降、戦いの舞台から離れていた安藤。2022年3月修斗で岡田遼に勝利したあとは海外に戦いの場を求めていたが、このタイミングで国内復帰戦=RIZIN参戦が決まった。安藤はRIZINへの定期参戦を決意し「日本の格闘技をもう1回盛り上げることが俺のキャリアの集大成」、「RIZINに新しい風を吹かせたい」と語る。35歳を迎え、新たなキャリアを歩み出した安藤の言葉をお届けしたい。


今のRIZINは日本のMMAのレベルを底上げするような試合を組んだり、そういうカードが増えている

――安藤選手、お久しぶりです。昨年5月のRoad to UFC(RTU)以降、試合から遠ざかっていましたが、この間どのように過ごしていたかを聞かせてください。

「まずRTUのチュウ・カンチエ戦は今までで一番ボコられたかなぐらいボコボコにされて、伸びた鼻を折られました。あれから正直格闘技を続けるかどうか悩んで、色々と旅をしたり、絵を描いたりして過ごしていたんですけど、去年の夏くらいからちょっとずつ動き出して、年末から本格的に練習を再開して……って感じですね」

――安藤選手はUFC出場が大きな目標だったと思います。そのなかでRTU敗退という結果に終わり、RIZINへの参戦を決めた理由は何だったのですか。

「自分はUFCを目指して色んな道を模索していて、UFCにつながるチャンスも幾つかあったなかで、去年のRTUに出たんですけど、そこで負けちゃって。そういうなかで、RIZINの人が自分のことを気にかけてくれていて、ちょこちょこ試合の話をくれていたんですよ。RTUで負けたあとにも試合の話をくれて、結構それが自分のことを期待してくれるような内容だったんです。それで日本の格闘技をもう1回盛り上げることが俺のキャリアの集大成だなと思って、RIZINに出ようと思いました」

――そんな経緯があったのですね。

「しかも最近のRIZINは(一般層を)盛り上げるマッチメイクだけじゃなくて、本気の面白いマッチメイクが増えていて、海外の強豪選手もどんどん出てるじゃないですか。バンタム級にも魅力的な選手が増えてきたし、その中に自分が入ったら面白い試合ができんじゃねえかなと思ったことも理由です」

――RIZINというイベントそのものにも魅力を感じていたわけですね。

「俺は面白い感じの試合も好きですけど、今のRIZINは日本のMMAのレベルを底上げするような試合を組んだり、そういうカードが増えてますからね。だから俺もわちゃわちゃした感じじゃなくて、しっかり実力を証明していきたいです。自分は3年くらい日本で試合をしていないし、日本で名前を知られていないのは結局自分の実力だと思うので、そこを変えたい。レスリング時代の自分はダークホース的な立ち位置で大会に出て優勝したりしていたので、今回もそういう逆境みたいな感じが面白いじゃんと思います」

――試合そのものはこのくらいの時期を想定していたのですか。

「最初は3月の香川大会を目指していたんですけど、そこからスライドして、最終的に6月になった感じです」

――練習環境に関してはずっと日本で練習されているのですか。

「基本的には日本なんですけど、試合が決まってからタイのマスター・トンのところに行ったんですよ。暑いところで練習して体力をつけて、マスターにしっかり追い込んでもらいたくて。それで一カ月くらい行く予定だったのですが、一週目の練習が終わったあとに食ったカオマンガイで食中毒をくらったんです。それで2日くらい全く動けなくなって、バケツを抱えてひたすら吐いていました(苦笑)。結局タイ合宿は2週間くらいで切り上げて、そこからはずっと日本で練習しています」

――日本ではどこを練習の拠点にしているのですか。

「結構バラバラなんですけど、MMAはクロスポイント吉祥寺で(山本)アーセンたちとみんなでスパーリングをバチバチやらせてもらっています。寝技とレスリングはカルペディエム青山で世羅(智茂)さんたちとやっていますね。あとはセコンドについてくれる高野(優樹)がパーソナルジム(Dreamin’新宿)をやっていて、そこで個人的にミットを持ってもらったり、対策練習をやったり。

打撃は元ボクサーの先輩に声をかけてもらって、現役のボクサーの方ともスパーリングしてきました。日本に戻ってきてからは結構調子いい感じで来ていて、体重もいつもより2週間くらい早く落ちているんですよ。ここ2試合は直前まで海外で練習して最後に日本で調整していたんですけど、怪我や体調不良があって最後の最後でいい追い込みが出来なかったんです。今回はギリギリまで追い込みのスパーリングが出来ていますね。自分はフリーというちょっとよく分からない感じなんですけど(笑)、いろんな方に協力してもらって、ここまで来れたんで、しっかり次の試合で自分の実力を出せればなと思います。今回は自分的には楽しみで、自分でも結構ワクワクしています」

面白い試合をして勝っていくしかない

――対戦相手のマゲラム・ガサンザデにはどんな印象を持っていますか。

「相手にとって不足なしですね。最初はいきなり強い相手を出してきたなと思ったんですけど、きっとみんなよく分からない強いやつだからやりたくなかったんだろうなと思います。でもどうせ上に行って一番になるつもりだったら、誰とやっても面白い試合をして勝っていくしかないし、俺は相手を選べる立場でもない。ガサンザデみたいなヤツに勝っていかないと先はないと思っています。あと実はMMAでゴリゴリのレスラータイプの選手とやった記憶がなくて、そういう相手に勝って自分のことをアピールしたいですね」

――ガサンザデのファイトスタイルについてはいかがでしょうか。

「パワフルで一発がありそうだし、遠い距離から飛び込む感じの選手なんで、割と自分に似ている気がします。あと最近はかなり打撃の練習をしているそうなんで、自分が見た映像よりも打撃が上手くなっているイメージでやろうと思っています。まぁこういう強いヤツに勝って下から上がっていくのが俺っぽいし、前回負けていて、今は逆風が吹いていると思うんですけど、この逆風で自分が実力を出せるかどうか。ここから上に行けるかどうかは自分への挑戦です」

――先ほどもお話にあったようにRIZINでベルトを獲ることが格闘家としての最終目標ですか。

「もし海外でもチャンスがあるんだったら、もう1回日の丸を掲げて再出撃したいなとは思うんですけど、自分はRIZINに継続参戦していくと決めたんで、RIZINで上を目指してやっていきます。ただ、いいところ取りして上手くやって上に行こうなんて思っていないんで、腹を決めて全員ぶっ倒してやりますよ」

――安藤選手にとってはRIZIN初参戦ですし、これから継続参戦することになれば、今まで絡むことがなかった選手たちと対戦することにもなると思います。

「今は個人名をあげないですけど、コイツとやったら絶対面白い試合になるだろうなと思っている選手もいるんで、俺自身もワクワクしています。ただそういう相手と試合を組んでもらうためにも、自分の実力を示さないと次に繋がらないし、誰々とやりたいなんて言う資格はないと思うんで。とにかく今は次の試合で自分の実力を証明する。それがベストだと思います。自分がRIZINにいい感じの新しい風を吹かせたいと思います」

■視聴方法(予定)
6月14日(土)
午後2時~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■RIZIN LANDMARK11 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
木村柊也(日本)

<ライト級/5分3R>
堀江圭功(日本)
西川大和(日本)

<フェザー級/5分3R>
ビクター・コレスニック(ロシア)
SASUKE(日本)

<RIZINワールドGPヘビー級T一回戦/5分3R>
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
プリンス・アウンアラー(フランス)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
CORO(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
鹿志村仁之介(日本)

<52.5キロ契約/5分3R>
ソルト(日本)
万智(日本)

<バンタム級/5分3R>
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)
安藤達也(日本)

<フェザー級/5分3R>
イルホム・ノジモフ(ウズベキスタン)
新居すぐる(日本)

<ヘビー級/5分3R>
シナ・カリミアン(イラン)
荒東“怪獣キラー”英貴(日本)

<フェザー級/5分3R>
山本空良(日本)
鈴木博昭(日本)

<フェザー級/5分3R>
遠藤来生(日本)
ザーシバーディン(中国)

<キック 61キロ契約/3分3R>
上野奏貴(日本)
山川賢誠(日本)

<キック 64キロ契約/3分3R>
上野空大(日本)
ファーパヤップ・GRABS(タイ)

<キック 55キロ契約/3分3R>
としぞう(日本)
鵜澤悠也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
成田佑希(日本)
能登崇(日本)

<フライ級/5分2R>
鈴木嵐士(日本)
早坂優瑠(日本)

<バンタム級/5分2R>
小林大希(日本)
森永ユキト(日本)

<キック 52.5キロ契約/3分3R>
西島恭平(日本)
林修斗(日本)

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