【Grachan74】ライト級王座戦=林×ビラル、フライ級統一戦=御代川×小田のダブルタイトルマッチ決定
【写真】林、ビラル、御代川、小田のタイトルマッチ出場選手(C)GRACHAN
7日(月)にGrachan実行委員会より、5月31日(土)に東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan74の追加対戦カードが発表された。
Text by Shojiro Kameike
すでに発表されていたライト級選手権試合=林RICE陽太×芳賀ビラル海に加え、正規王者の御代川敏志と暫定王者の小田魁斗がフライ級王座統一戦を行う。ダブルタイトルマッチをメインに据えた大会となった。
4連敗から5連勝中のビラルが、遂にベルトに挑むこととなった。2023年8月よりグラチャンに戦いの場を移し、さらに安定した試合ぶりを見せるようになったビラル。今年3月のロクク・ダリ戦前のインタビューでは、「一番変わったのはメンタル」と語っており、面たるの変化で本来の実力を発揮できるようになったということか。しっかりと相手の苦手な部分を突き、自身のフィールドに持ち込む。それはMMAファイターとして最も必要な成長でもある。
ビラルの挑戦を受ける林は、2023年12月に暫定王座を獲得後、正規王者に昇格。続く2024年4月の韓国Road FC参戦、パク・シウォン戦ではKO負けを喫したものの、同12月にはダリを判定で下してベルトの初防衛を果たしている。ビラルは前述のインタビュー時にオフレコで、林×ダリについて「林選手は柔らかさが増している」と印象を述べていた。林も苦しいキャリアを歩みながら、まず打撃面で進化し、その打撃があるからこそガードワークやバックテイクにも強みが増していることは事実だ。
ともに苦杯を舐めながら自分の強みを発揮できるようになった王者と挑戦者。「常に発見があり、一つひとつの技が正確なものになることで自分のレベルが上がるのが楽しい」と話すビラルだけに、次の試合でも過去とは違う新しい一面を見せることは考えられる。前回のダリ戦でリーチ差を克服する展開を見せたビラルに対し、さらにリーチとコンパスが長い林はどのような打撃を見せるか。一方でグラウンドに持ち込んでも、林のガードワークとバックテイクは手堅い。試合前はもちろん試合中も戦術を一つ間違えれば、どちらに勝利が転ぶか分からないライト級タイトルマッチだ。
そして、もう一つのタイトルマッチは御代川と小田によるフライ級王座統一戦に。正規王者の御代川は昨年2月に松場貴志を下してベルトを巻くも、負傷により長期欠場。グラチャンを経てONE FFで2連勝を収めていた小田が、ONEとの契約終了とともに暫定王者決定戦に出場して道端正司をKOした。このような経緯を踏まえて、負傷が癒えた御代川と小田による統一戦が組まれたわけだが、当然のことながら試合勘と勢いは小田に分がある。ノンストップで展開される小田のバックコントロール、バックテイクからのパウンドを止めることができるか――。
そう考えた時に、ポイントは御代川が長期欠場を経ても、松場戦の調子をキープできているかどうかにある。松場のコントロールを凌ぎ、反対にヒジ打ちで削り続けた御代川が小田を相手にタフファイトに持ち込むことも十分に考えられるだろう。松場戦ではゴング後の加撃、小田の戴冠直後の乱入や読めない言動などが目立つ御代川だが、自分自身をキープできれば小田をかく乱することも可能だ。これほど「試合が始まってみないと分からない」タイトルマッチが2つ揃うことも珍しい大会となっている。
■Grachan74 視聴方法(予定)
午後12時30分~
GRACHAN放送局
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