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【DEEP TOKYO Impact2025#02】1年ぶりのMMA=ハルク大城戦、中島太一「自分からチャンスを掴みに」

【写真】Progress連敗は、中島が組み技勝負をグラップラー相手にしたから(C)TAKUMI NAKAMURA

13日(日)東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2025#02にて、中島太一がハルク大城と対戦する。
text by Takumi Nakamura

中島にとって約1年ぶりのMMA戦が迫ってきた。RIZINで戦うことにこだわっていた中島だが、昨年末からBreakthrough Combatでグラップリング=Progressルールでの試合に連続出場し、試合のチャンスを求めてDEEP参戦を直談判したという。

RIZIN再出撃のためにも「待っているだけじゃチャンスは来ないし、自分からチャンスを掴みに行きたい」と語る中島。新たな心境でMMA復帰戦を迎える中島に話を訊いた。


『俺はRIZINでやっていくんだ』という頑固な感じだった

――昨年4月のRIZIN46でのキム・スーチョル戦以来、中島選手にとって約1年ぶりのMMA戦が近づいてきました。今回の試合が決まった時、中島選手としては「やっとMMAの試合が決まった!」という心境でしたか。

「やっと決まったというより、僕自身がRIZINで試合をすることにこだわりすぎて、僕が動かなかったから(MMAの試合が)決まらなかった部分があったんです。それで今回は自分からDEEPの佐伯(繁)さんに相談して、DEEPで試合を決めていただきました」

――RIZIN以外で戦うことは考えていなかったのですか。

「そうですね。自分は2021年12月にパンクラスでベルトを獲って、自分としてはもう一つ上のステップに行きたいと思ってRIZINに出て。(2023年9月のRIZIN44で)岡田遼選手に勝ったあと、パンクラスのベルトを返上して、RIZINで成り上がっていくんだぞという気持ちだったんです。それでスーチョルに負けてしまって、またRIZINという舞台でリベンジしたいという気持ちが強かったのですが、試合が決まりそうで決まらないというのが続いていて。妻からも『いい加減試合しないの?』と言われていたのですが、僕自身は『俺はRIZINでやっていくんだ』という頑固な感じだったんです(苦笑)。

それで自分から試合の機会をなくしてしまっていて、結局昨年はMMAで1試合しか出来なかったんです。今の自分の年齢を考えると年1試合なんて余裕をぶっこく暇はないし、さすがにこれはまずいぞと。今となっては自分の頑固な姿勢には後悔と反省があるんですけど、もう今年はRIZINにこだわらずどんどん試合をやっていこうという考えに変わりました」

――例えばRIZIN以外からも試合の打診などはあったのですか。

「ありました。でもそれに対しても『今はRIZINにこだわってやっていきたいんで』という話をしていましたね(苦笑)」

――その考えが変わるという意味ではBreakthrough Combatでグラップリング=Progressルールの試合をしたことが影響している部分はありますか。

「そうですね。グラップリングの試合は試合間隔を空けたくなかったので出たのもあるし、純粋にグラップリングが楽しそうだと思ったのもあるし、全てMMAに繋げるために出た試合です」

気軽にグラップリングの試合には出ちゃいけないもんだなと思いました

――Progressルールでは須藤拓真選手と大脇征吾選手と対戦し、結果としては2敗に終わりました。この2試合を経験したことで、何を得ることが出来ましたか。

須藤選手とやった試合ではブルドックニーバーを極められたのですが、あれってめちゃくちゃ使えるんですよ。僕としては須藤選手にブルドックニーバーという新しい技を教えてもらった感じです。須藤選手に極められるまで(ブルドックニーバーは)知らなかったし、あれから僕も使うようになって、MMAのスパーリングでもめちゃくちゃ使えますね」

――まさに試合で学んだわけですね。

「そうやって試合を通して教えてもらった技もあるし、一番は僕とグラップラーではグラップリングという競技にかける気持ちが違うなと思いました。それを実際に2人と肌を合わせて感じて、気軽にグラップリングの試合には出ちゃいけないもんだなと思いました。僕は事前のインタビューでもMMAにつなげるために出ると言っていましたが、須藤選手や大脇選手からすると舐めんじゃねえぞという気持ちだっただろうし、その気持ちを試合を通して感じました。単純な技術だけじゃなく、試合に対する気迫や技を仕掛ける覚悟とか、そういったものが肌を合わせて伝わってきました」

――なるほど。でもそれは中島選手が勝敗がつく試合という形でProgressに挑んだからこ感じることが出来たであり、得られたものだと思います。

「プラスになることは本当に多かったです。やっぱり試合するのは緊張感が違うんですよ。MMAの試合は約1年空いちゃいましたが、年末と2月にProgressで緊張感のある試合を経験できたので、試合が久しぶりという感覚は全くないですね」

――今回のMMA復帰戦ではハルク大城選手と対戦することになりました。大城選手の印象を教えてもらえますか。

「首が太くて首がないって感じですね。あとは頑丈でパワーがある。誰がやってもやりづらそうな選手だなと思います」

――そのやりづらい相手に対して中島選手はどんな準備をしてきましたか。

「自分が得意な部分も磨いてきたし、そこで戦えるとは思っていますけど、相手がこう来るんだろうなという予想を立てて、そこに合わせる技も磨いてきました。ハルク対策はかなり出来ているのかなと思います。あとはそれを試合で出せるか出せないかが。そこが自分でも楽しみにしています」

――かなり大城選手と戦うことがイメージ・想定できているようですね。

「はい。で、ハルク選手が想定外のことをやってくる可能性があるということもイメージしています。今回はいつも以上に入念に考えて練習してきました」

――先ほどは組み技についてお聞きしましたが、打撃に関してはどんなことを意識して練習してきましたか。

「今回は過去最高くらいミットをやり込んでいて、それこそ1週間で70Rぐらいはやりましたね。ハルク選手もキックボクシングのチャンピオンでもあるんで、打撃に関しては自分のリーチとスピードを活かして戦いたいと思っていて。スタミナでは絶対に負けないし、フルラウンドずっと早くて強い打撃を打てるように準備してきました」

――中島選手のSNSを拝見させていただいて、最近はK-1にも参戦した元キックボクサーの恭士郎さんにミットを持ってもらっていますよね。中島選手はボクシングのイメージが強かったのですが、新たに蹴りも磨こうと思って練習しているのですか。

「僕自身かなりボクシングをやりこんで、ある程度のレベルまではいけたと思うんですね。ただそこからボクシングを伸ばそうと思ったら、もっとボクシングの練習に時間を割かないといけないじゃないですか。もうボクシング技術はそこら辺の選手には負けないと思うところまで来たので、それだったら蹴りを磨いていこうと思いました。だから今回はかなり蹴り込みました」

――では打撃に関しても技術の幅が広がっていますか。

「そう思います」

――MMAとしては再スタートの一戦です。今後はまたRIZINを目指して戦っていくことが目標ですか。

「格闘家はみんな大きな舞台でやりたいし、僕もそれは同じなんですけど、DEEPにもいい選手は多いし、その選手たちと交わることができて、ベルトが見えてくるんだったら、DEEPのベルトを目指すこともありかなと思います。去年のように待っているだけじゃチャンスは来ないし、自分からチャンスを掴みに行きたいと思います」

――中島選手のMMAの試合を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「僕の試合を見てもらえれば、どれだけ格闘技にかけて練習しているのかが分かってもらえると思います。スピードだったり、殺気だったり、迫力だったり……それは僕が口で言わなくても試合を見てもらえれば分かると思うので。それを通して僕の格闘技にかける思いや覚悟、覚悟の違いを感じとってもらえたら嬉しいです」

■DEEP Tokyo Impact2025#02視聴方法(予定)
午後5時40分~ YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT

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