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【SUPER RIZIN04】3年ぶりのRIZIN出場でNOELと激突、須田萌里「年下の選手と対戦することが初めて」

【写真】試合直後には21歳になる須田(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(日)にさいたまスーパーアリーナで開催される超RIZIN04で、須田萌里がNOELと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

須田はこれまでのキャリアハイとなる浜崎朱加戦の勝利を経て、5月には初めてムンジアルに出場。その直後、2022年5月以来の沖縄大会(にっせーに腕十字で一本勝ち)となるRIZIN出場が発表された。対戦相手は修斗を主戦場としてきた高校生――自身が20歳を迎えたことを実感しつつ、RIZINの頂点に向かってまた新たなスタートを切る。


自分も大人になったんだなと思いました。あぁ年老いたんだなぁって(笑)

――MMAとしては前回の浜崎朱加戦から3カ月が経ちました。浜崎選手に勝利して以降、自身のMMAファイターとしての評価が高まったような声は聞こえてきますか。

「はい。『あの試合、凄かったね』という声をかけてもらうことは増えました。でも私、試合会場にいても全然気づかれないんですよ……」

――えっ、そんなことはないでしょう。

「いやいや、本当です。私より父のほうが声をかけられるんです。一緒にいる時は、だいたい父を見つけてから私を見つけるとか。父は髪の毛の色が目立つから」

――ハハハハ。

「6月29日にDEEP大阪大会があったじゃないですか。私は一人で会場にいて、全く声を掛けられなくて。父は当日別の仕事があって、大会が終わる頃に会場へ到着したんですよ。なのに父のほうが『RIZIN出場決まったね』とか声を掛けられていて(苦笑)」

――須田選手が会場で『話かけるな』というオーラを出しているか、あるいは有名人になったから帽子やサングラスで変装しているのでは……。

「アハハハ! そんなことはないです。気づかれなくても、何か思うわけでもないですし」

――なるほど。浜崎戦から2カ月後には、初めてムンジアルに臨みました。茶帯女子ライトフェザー級に出場し、結果は2試合目で敗退。まずはムンジアルの感想をお願いします。

「海外で柔術の大会に出るのが初めてで、感動しました。凄かったです」

――というと?

「日本の柔術大会は、やっぱりプロ興行と比べると演出とかはないじゃないですか。ムンジアルは、特に黒帯の決勝の演出や盛り上がり方が凄くて。決勝は1マットで、会場が暗くなって出場選手がスポットライトで照らされながら入場してきたりとか。あれはビックリしましたね」

――そんななかで自身は試合前、緊張する姿が須田選手のYouTubeチャンネルにアップされています。少し目が泳いでいるようにも見えました。

「そうですか、アハハハ。やっぱり緊張していましたよ。ただ、緊張は1試合目でほぐれていました。負けた2試合目も、そんなに動きは悪くなかったんじゃないかと思っていました。負けてしまったけど、メッチャ良いい経験になりましたね」

――MMAの試合ではここ最近、須田選手があれほど緊張している姿は見たことがないです。

「あぁ、そうですね。MMAでは最近、緊張しなくなりました。特にここ2試合は緊張していなかったです」

――初のムンジアル挑戦で敗れたことにより、次もまた挑戦してみたくなりませんか。

「やっぱり黒帯でチャレンジしてみたいです。でも黒帯になるとポイントがないとムンジアルに出られないし、それはMMAを続けながらだと正直厳しいですね。アジア選手権で優勝すればムンジアルに出場できるポイントは得ることができるけど、だからもう今年のアジア選手権も半分以上が外国人選手で。それがもう黒帯だけでなく、ポイントは関係ない色帯も外国人選手のほうが多いカテゴリーばかりでした」

――つまり、しばらくはMMAに集中するということですか。

「はい」

――そのムンジアルの直後、東京の増上寺で超RIZIN出場の会見が行われました。

「水曜日に帰国して、その週の土曜日でした。会見がムンジアルと被っていなくて良かったです。(笑)。ずっと前から、父から『この日からムンジアルに行く』とは伝えてもらっていたので、会見のスケジュールも調整してくれていたとは思うんですけど」

――ロングビーチのピラミッドから、すぐ東京の増上寺へ。

「ニューピアホールで試合をする時って、昼夜興行になっていることが多くて。夜の部で試合をする時は昼の時間が空いているから、ニューピアの周りを散歩したりしていたんです。その時にチラッと増上寺を見たことはあったけど、そこで会見をするとは思ってもみませんでした(笑)。会見後に映像を視た時は、メッチャ綺麗でしたね」

――会見中に、そのような雰囲気は感じなかったのですか。会見に登壇している側からすると……。

「それどころじゃなかったんですよ。まず御祈祷して、会見の説明を受けて、そのまま会見へ――もちろんスタッフさんから説明は受けていましたけど、場所が場所やから、どういう感じになるのかイメージもつかなくて。自分が出ていった場所も、そこで合っているかどうかも分からなかったです」

――浜崎選手に勝利したあとにRIZIN参戦とあって、須田選手が誰と戦うかという点に注目も集まったかと思います。

「浜崎さんとの試合が終わったあと、『次はRIZINかもしれない』という話がありました。そのあと、ちょうど良いタイミングで対戦相手も決まって。別に相手は誰でも――『この選手と戦ってください』と言われたら、ハイって答えます」

――結果、会見では17歳で制服姿の相手と並び立ちました。

「まず自分より年下の選手と対戦することが初めてやし、『自分も大人になったんだな』と思いました。あぁ年老いたんだなぁって(笑)」

自分とはレベルの差がある。グラップリング力、極める力は全然違いますよね

――20歳で『年老いた』とか、何を言っているのですか(笑)。NOEL選手は修斗を主戦場にしていますが、対戦が決定する前から試合は視ていたのでしょうか。

「女子で階級も近いし、チェックはしていましたね。何でもできる選手ではあるけど、まだまだ自分とはレベルの差があるかなって思います」

――自分との差とは、具体的に何だと思いますか。

「グラップリング力、極める力は全然違いますよね」

――加えて、会見で並んだ時に体格差があるように感じました。須田選手のほうが身長も高くて。

NOELの髪型もあって分かりづらいが、須田とは身長差があると思ったが……(C)TAKUMI NAKAMURA

「いや、えっと……」

――何でしょうか。

「身長は同じぐらいやと思うんですけど、実はあの時、厚底の靴を履いていました(苦笑)」

――アハハハ!

「私のほうが1~2センチぐらい高いのかな? それでも直接見ると、想像していたより大きいんやなって思いましたね」

――RIZIN出場は2022年7月、RIZIN沖縄大会のにっせー戦以来です。改めてRIZINに出る実感はありますか。

「沖縄大会の時は会見もなかったし、学校から帰ってきたら試合が正式発表されていました。当時はまだ私の名前だけ発表されるぐらいで。今回は特に、大きな会場で戦えることは嬉しいです。何万人と入る会場やから緊張はしますね。どんな感じなのかが想像できないです。まず花道をちゃんと歩けるかどうか……」

――これまで花道を歩いたことはないのですね。

「RIZIN沖縄大会もブラックコンバットも花道はなかったので、これが初めてなんです。だから花道の歩き方から練習せなアカン(笑)。まぁ花道を歩いている時も、集中と緊張で周りは見えていないと思いますけどね。アハハハ」

――そう考えると、少し不安もありませんか。

「いつもより多くの人に視てもらえるというのは、気合も入ります。良い試合をしないといけないとは思いますけど、リングに入ったらやることは同じですから」

――それは頼もしい言葉です。須田選手がRIZINに出場するとなれば、やはり伊澤星花選手との対戦も話題に挙がるかと思います。

RIZIN女子スーパーアトム級王者の伊澤星花は、韓国のシン・ユジンと防衛戦(C)TAKUMI NAKAMURA

「いずれは戦いたいです。さすがに今回いきなりタイトルマッチは無理やと思っていたし、やっぱりRIZINを視ている方たちにも私のことを知ってもらってからのほうが――特に今回は超RIZINなので、そのチャンスやと思っています。皆さんにアピールできるような良い試合をして、会場で気づいてもらえるぐらいになりたいです(笑)」


■視聴方法(予定)
7月27日(日)
午後1時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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