【UFN257】ロナー・カヴァナと対戦する元LFA王者、チャールズ・ジョンソン「英雄は自分でなるもの」
【写真】LFA王者となり、チャンスを掴み取ったジョンソン(C)MMAPLANET
23 日(土・現地時間)、中華人民共和国は上海の上海インドアスタジアムでUFN 257:UFC ESPN+115「Walker vs Zhang」が開催され、チャールズ・ジョンソンが中国系英国人のロナー・カヴァナと戦う。
Text by Manabu Takashima
堀内佑馬に勝利しLFAフライ級王座を2度防衛し、UFCと契約。序盤の6試合で3連敗も経験し、2勝4敗もその後は4連勝を収め、フライ級戦線で確かな存在感を示してきた。
そんなジョンソンに、カヴァナ戦前の心境を尋ねた。
――今週末、ロナー・カヴァナと上海で戦います。普段は最大で4時間ぐらいの飛行時間で米国内を移動すると思うのですが、体調管理は難しくなかったですか。
「実はオーランドからLAに行き、LAから上海へのフライで5時間ぐらい経過したときに、乗客の一人が体調を崩してLAに引き返したんだ。だから、上海まで30時間ぐらい掛かった。ただ米国で戦う時と変わらない。ハイドレートがどうなのか。ちょっと、いつもと違うかもしれないけど体重を落としている最中だよ(※取材は19日に行われた)。でもエネルギーを感じるし、バイオリズムは日に日に良くなっているような気がする。いつもと変わりない。肉体的にも、しっかりと動ける状態になっている。だから気分も上々だよ」
――以前はタイガームエタイで練習をしていました。同じアジアといっても、雰囲気も相当に違いませんか。
「それはそうだけど、僕が今住んでいるフロリダのオーランドと上海は気候が似ているんだ。37度とかあって、湿気も凄くて蒸し蒸ししている。だから、ホームで戦っているようなものだ。そうそう実は9月10日に子供が生まれる予定で、今回の試合は特別なモノになるよ」
――おお、それはおめでとうございます。
「ありがとう」
――自分は出産を経験することはできないですが、家内の出産に立ち会い、人生最大の戦いだと感じました。しっかりと、奥さまにバトンを渡せるような戦いが必要ですね。
「イエース。妻の出産が近いことも含めて、凄く良い空気なんだ。コーチ、チームメイトのサポートもあって最高の状態だよ。しっかりと戦って、ワイフとともに前に進みたい。と同時に、ここまで来たことにも誇りを持っている」
――UFCフライ級が盛り上がるなか、前回のラザマン・テミロフ戦の敗北が痛かったですが、4連勝をするなどチャールズのしっかりと存在感を残していますね。
「う~ん、僕はLFAで世界チャンピオンを経験した。LFAから多くのUFC世界チャンピオンが育っている。LFAではショートノーティスで試合をして、防衛もした。それは自分との戦いでもあったんだ。UFC世界チャンピオンが世界で最高で、世界のベストと戦っていることは分かっている。でも、僕も長い間戦ってきた。そして、UFCでも世界チャンピオンになれると思っている」
――とはいえUFCでは最初の6試合で3連敗を経験しました。
「それでも自信を失うことはなかった。カヴァナは無敗の選手だ。でも、彼が戦ってきた相手はプロスペクトで、僕が戦ってきたのはコンテンダーだ。全く違う。僕の過去7試合の相手の成績を合算すると、80勝11敗なんだ」
――クオリティ・ファイターと戦ってきたということですね。
「別に戦績で試合を戦うわけじゃない。でも、それだけ自分を試してきた結果だ。それに連敗をした時期は、ケガがあっても戦っていた。言い訳じゃないけど、2022、2023年の自分と2024年の自分は違う。2023年なんてショートノーティスの試合しかなかった。2024年は、ジョシュア・ヴァン戦以外はファイトキャンプができた。凄く体の調子は良いし、世界の誰とでも戦える」
――では改めてカヴァナの印象を教えてください。
「イージーな相手に、輝かしい結果を残してきた。UFCには素晴らしいファイターが揃っているけど、タフファイトを繰り返し無敗のトップ選手なんていない。自分が背負っている全ての背景を抱えて、ケージに入る。ロナー・カヴァナが無敗とか、全く関係ない。しっかりと勝って、パントージャのところまで進むつもりだ」
――ストライカー対決ですが、K-1スタイルのカヴァナに対し、チャールズはムエタイも使いこなします。
「う~ん、どういう感じになるかな。ケージのドアが閉まり、そこで全てが始まる。彼のポイントヘビーなスタイルも気にならない。僕は自分のファイトを貫く。そこに、彼が自分の戦いを仕掛けてくることができるか。
早いペースで手数を多くしても、カヴァナは僕を倒すことはできないだろう。僕はどの局面でも、穴をついていく。彼はフィニッシュすることも、ラッシュすることも、逃げることもできない。僕のエネルギーが、それを許さない。自信はあるよ」
――次期タイトルチャレンジャー、ジョシュア・ヴァンに勝利したことで、チャールズ自身もタイトルに挑む力があると思っていますか。
「イエス。その機会が巡ってきたら、いつでも戦える。でも、ジョシュア・ヴァンは素晴らしい試合をしてきたから、彼の成功を願っている。UFCタイトル戦線は、椅子取り合戦だけど、僕は彼に上手くやってほしい。そして彼の成功が、僕の成功に影響を与えることはない。
UFCは実力者ばかりで、目の前のドアが開いた者からチャンスを手にしていく。僕もドアを開けて欲しくて、いつもノックしている。あとはノックに応えてくれる日がくるだけだよ。自分の力を信じているから、その機会が訪れる日を待っている」
――ところでフライ級には4人の日本人選手が在籍しています。いつか、戦うこともあるかもしれないです。
「皆、良い選手達だよ。キャリアの長い選手も、若くて勢いのある選手もいる。でもケージの中は毎試合が別モノだ。彼は、4人とも素晴らしいよ。僕は誰からも戦うことを嫌がられる。誰も僕と戦いたいたがらない。でも、僕はファンのために戦いたい。そのために全てを捧げて戦っている。倒すために全力で戦い、試合が終われば握手だ。それがマーシャルアーチストだろう? だから僕は日本の武士道が好きなんだ。
全ては自分自身に掛かっている。そういう日本の人々、そして文化が好きなんだ。日本のMMAファンに伝えたい。強い意思のあるエネルギーを持って、僕はケージに入る。英雄は自分でなるものなんだよ」
■視聴方法(予定)
8月23日(土)
午後4時00分~UFC Fight Pass
午後3時45分~U-NEXT
■UFN 257対戦カード
<ライトヘビー級/5分5R>
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)
チャン・ミンヤン(中国)
<153ポンド契約/5分3R>
ブライアン・オルテガ(米国)
アルジャメイン・ステーリング(米国)
<ヘビー級/5分3R>
セルゲイ・パブロヴィッチ(ロシア)
ワルド・コルテスアコスタ(ドミニカ)
<フライ級/5分3R>
スムダーチー(中国)
ケヴィン・ボルハス(ペルー)
<ウェルター級/5分3R>
タイラクー・ヌールアチィー(中国)
キーファー・クロスビー(アイルランド)
<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ(中国)
ゲージ・ヤング(米国)
<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ(英国)
チャールズ・ジョンソン(米国)
<ライト級/5分3R>
ロン・チュウ(中国)
オースティン・ホバード(米国)
<ミドル級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)
カイル・ダウカウス(米国)
<フェザー級/5分3R>
イー・チャー(中国)
ウェスティン・ウィルソン(米国)
<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
ユ・スヨン(韓国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ディアル・ニュルゴジャイ(カザフスタン)
ウラン・サチバリディエフ(キルギス)