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【Gladiator CS02】石田拓穂、トーナメント準々決勝のパン・ジェヒョク戦は「一番ハズレですよね」

【写真】石田は計量を66.15キロ(※1ポンド許容あり)でクリア(C)RANK5/ GYO DOK LEE

12日(金)に会場非公開で無観客&配信大会のGLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj」が開催される。そのなかでフェザー級次期挑戦者決定トーナメント準々決勝が行われ、石田拓穂が前フェザー級王者のパン・ジェヒョクと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2020年2月にグラジでプロデビューした石田は、ここまで修斗大阪大会とグラジでキャリアを重ねてきた。昨年3月には約2年半ぶりのグラジ参戦で、チハヤフル・ズッキーニョスに逆転KO負け――わずか1分弱の試合ではあったが、フィニッシュ直前まで石田が優勢であった。今回のトーナメント出場について、本人は「人数合わせかと思った」というが、だからこそトーナメントを盛り上げるという意気込みを語ってくれた(※取材は6月5日に行われた)。


ここ1年は打撃に重点を置いてきた

――MMAPLANETでは初のインタビューとなります。石田選手も他のリライアブル所属ファイターと同様、地元の繋がりでジムに入ったのでしょうか。

インタビュー時の石田(C)SHOJIRO KAMEIKE

「いえ。他の人は神戸の長田出身が多いけど、僕は兵庫県でも小野市という田舎の出身です。ただ、柔道時代に有(田中有)と仲が良くて。僕は柔道で大学に行って、卒業後は1年ぐらい東京で働いとったんですよ。その時、SNSで有が東京でMMAの試合に出ることを知って。あれは大尊伸光選手と戦った時ですかね(2018年9月、田中がKO負け)。

もともとMMAに興味はあったけど、生で観る機会がなくて。そこで有の試合を観た時に、負けたけど『めっちゃカッコエェな。俺もやりたい』と。どうせなら仕事を辞めて地元に帰ろうと思って、有がおるリライアブルに入りました」

――大学はどこへ?

「山梨学院大学です。高校の時は近畿大会で優勝して、大学に行ったんですけど……。大学は1年から3年までヒザを怪我して、復帰して怪我をして――という繰り返しで。4年の時にようやく団体戦に間に合ったという感じです。大学時代に全国大会に出たのは、その最後の試合ぐらいですね」

――柔道から離れたあとに田中選手の試合を観て「MMAをやりたい」と思ったのは、「柔道でやり切ることができなかった」という気持ちがあったのでしょうか。

「その気持ちは絶対にあったと思います。柔道も長いことやっていて、辞める時は『もうエェわ』とう感情でした。でも、よくよく考えたら――柔道やり切っていないし。それで有の試合を観て、自分の中でまた火がついた感じです。リライアブルでMMAを始めたのは23の時ですね。グラジでプロデビューする1年前です」

――その1年間はアマチュア修斗に出ていたのですか。

「はい。アマ修にはウェルター級で出ました。重たい階級は人数が少ないから、すぐ全日本に出られるんじゃないかと思って(笑)。全日本選手権で3位になってプロ昇格しています」

――2020年から2021年にかけてグラジと修斗で4連勝を収めています。しかし今年3月のチハヤフル戦まで1年以上も試合が空いたのは、何か理由があったのですか。

「海外で試合を組んでくれるという話があって、ずっと待っていたんですよ。去年の10月にウズベキスタンのタシュケントで開催される、NAIZA FCで試合が組まれて。だけど相手が計量オーバーで試合できなかったんです(※対戦予定だったシャクゾドベク・ズマノフが計量をクリアできず)」

――1年ぶりの試合で、ウズベキスタンまで行って試合不成立とは……。

「試合が決まった時は『ヨッシャ!』という感じで、かなり練習で追い込みました。でもいざ向こうに行ったら、相手が計量オーバーで……」

――キャッチウェイトで試合を行う話は出なかったのですか。

「それが――キャッチウェイトはキャッチウェイトですけど、『違う相手を用意する。ウェルター級でデビュー戦の選手と対戦してくれ』と言われたんですよ(苦笑)。さすがに周りからも『そんなの怪我するだけやから』って止められましたね」

――NAIZA FCの試合消滅後、復帰戦となったチハヤフル選手との試合ではKO負けを喫しました。あの黒星については、どのように受け止めていますか。

「負けて落ち込んだりはしなかったです。自分が『かっこつけたろ』と思ったせいで、あの結果に転がってしまいました。僕は本来、組みから試合をつくっていくタイプで、打撃も自分から倒しに行くものじゃないんです。イライラさせて、相手が振ってきたところに組みに行く。

でもチハヤフル選手と向かい合ったら相手の打撃も怖くないし、自分の距離でもあったので『これは行けるな』と思ったんですよ。いつもの試合やったら、スクランブルの中で組みに行けている。でもチハヤフル選手は河名マスト戦で、同じような展開で倒されとったじゃないですか。だから自分も『もうちょい殴ったら倒れんちゃうかな?』と打ち合いに行って。代表(田中淳リライアブル代表)からも『行き過ぎや』と言われました」

――そんななかで、フェザー級トーナメント出場のオファーが来るのは意外でしたか。

「意外でした。もともとライト級で試合をしていて、フェザー級はチハヤフル戦が初めてやったんですよ。だからトーナメントと言われても、評価してくれているのか、人数合わせで入れてくれたのか(笑)」

――ライト級時と比べて、フェザー級戦で動きは変わりましたか。

「ライト級の時は減量がなく、計量当日の朝に測って300グラムや500グラムのオーバーっていうぐらいで。そこから厚着して散歩していたら、リミットまで落ちているような感じでした。フェザー級に落とそうと思ったのは、NAIZA FCがキッカケなんです。海外でフィジカルが強い外国人選手と対戦するなら、ライト級やと危ないなと思って。

だからフェザー級でも、そんなに減量はキツくないです。チハヤフル戦は試合時間が短かったけど、ライト級時代と変わった感じはなかったですね。あの試合では組んでないから、まだ分からない部分もありますけど……」

――チハヤフル戦では、ライト級時代よりも打撃のスピードとキレは増していたように感じます。

「あぁ、そうなんですね。それは階級を落とした影響もあると思いますけど、ここ1年は打撃に重点を置いてきたんです。打撃ができんと組みつくこともできない。相手をイラつかせたり、『コイツ打撃が強いんちゃうか』と思わせたほうが、組みに行くタイプとしては有利じゃないですか。そのために打撃を練習してきました」

僕がフィニッシュしたら、バーンと一気に名前が上がる

――ではトーナメント初戦の相手、パン・ジェヒョクの印象を教えてください。

「一番ハズレですよね」

――……ハ、ハズレ!?

「だって今回の出場メンバーで、一番強いじゃないですか。日本のトップファーターは誰もパン・ジェヒョクをフィニッシュすることができていなくて。判定決着でもハッキリと負けたのは、前の河名戦だけやと思うんです。それだけ強いからこそ、一番オイシイ相手でもありますよね。これで僕がフィニッシュしたら、バーンと一気に名前が上がるので」

――パン・ジェヒョクを下したら、いきなりトーナメント優勝候補になります。

パン・ジェヒョクも66.25キロでクリアしている(C)RANK5/ GYO DOK LEE

「あんまりトーナメント優勝とかは考えていないんですよ。出ている選手はみんな強いから、自分としては1試合1試合、しっかり戦うだけで。

パン・ジェヒョクはテイクダウンディフェンスを見ると、体のバランスが良いなと思います。でも今まで対戦した相手は、みんなレスリングのテイクダウンですよね。僕の柔道式のテイクダウンは、他とは違います。僕は壁レスの仕方が変で」

――変、というのは?

「みんな壁レスになると、ガッチリとクラッチして倒しに行きますよね。僕は柔道の足払いを生かして攻めていくタイプなんです。だからパン・ジェヒョクにとっては、今までのレスラータイプとは違う攻め方やと思います。

相手は打撃のバランスが良いから、ジャブにレスリングのような足へのテイクダウンを合わせても倒せんやろう、と思っているんですよ。だから相手の嫌なことをしながら、組みに行きたいです」

――なるほど。

「このトーナメントでは、僕はダークホースですよね。だからこそ盛り上げたいです。面白くない試合はしないので、皆さん配信を視てください。自分はやります!」

■視聴方法(予定)
7月12日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS02対戦カード

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準々決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ソドノムドルジ・プレブドルジ(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準々決勝/5分3R>
パン・ジェヒョク(韓国)
石田拓穂(日本)

<Progressフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]竹内稔(日本)
[挑戦者] 上久保周哉(日本)

<バンタム級/5分3R>
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)
南友之輔(日本)

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