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【Gladiator029】2025年第一弾でフェザー級王座決定戦&南友之輔×吉田開威=バンタム級暫定王座戦!!

【写真】これは面白い。グラジで負け知らず、世界を狙えると期待される若い選手がタイトルを戦う。時代は変わる (C)MMAPLANET

26日(火)、GLADIATORより1月12日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催される2025年度イベント第一弾=GLADIATOR029でGladiatorフェザー級王座決定戦とGladiator暫定バンタム級王座決定戦の2試合が組まれることが発表されている。
Text Manabu Takashima

フェザー級王座を争うのは韓国のパン・ジェヒョクとモンゴルのダギースレン・チャグナードルジ。バンタム級暫定王座のベルトを賭けて戦うのは南友之輔と吉田開威だ。

グラジでは7月から次期挑戦者決定トーナメントが実施されており、同大会の決勝戦で相対することが決まっていたパン・ジェヒョクとダギースレンが河名マストの王座返上を経て挑戦権でなく、ベルトを賭けて戦うこととなった。

リリースに寄せられた河名マストの返上に関するコメントをまず掲載したい。

河名マスト
「この度、私河名マストはGLADIATORフェザー級王者を返上します。GLADIATOR王者になったことで、格闘技の世界で何者かになることができました。自分の目標であるUFCへの挑戦、RTUで戦うことができたのもGLADIATOR王者になったおかげです。これからも自分の信じる相手に向き合い、格闘技界をサバイブしていきます。GLADIATORで戦えたこと、櫻井代表、長谷川さんをはじめ運営の皆様、ファンの皆様に感謝します。ありがとうございます」

河名は今年の2月にパン・ジェヒョクへのリベンジを果たし同王座獲得後、Road to UFCへの出場が決まった。しかし、8月の準決勝でシェ・ビンに敗れ残念ながらUFCとのサインはならなかった。

その後、河名は即グラジのベルト返上を決意。グラジで再生でなく別ルートから世界最高峰を目指すこととなった。その河名は既に12月14日(土・現地時間)に韓国はコヤンのキンテックス7Aホールで開催されるZFN02でユ・ジュサンと再起戦を行うことが決まっている。


河名なきあとのグラジ・フェザー級の頂点を争うにことになったパン・ジェヒョクとダギースレンは昨年9月に一度対戦し、前者が判定勝ちを収めている。

この時、両者はフェザー級王座決定トーナメントの決勝戦で戦う予定だったが、ダギースレンが規定体重まで落とせずに王座決定T決勝としてはパン・ジェヒョクの不戦勝となり、第5代王者に輝いた。そのうえでノンタイトル戦のキャッチ戦で両者は戦い、集中力が切れていたダギースレンの前進をあしらう様なスコアリングゲームを展開したパン・ジェヒョクが判定勝ちを収めている。

その後、河名にベルトを奪われたパンジェヒョクは挑戦者決定トーナメント準々決勝で石田拓穂を1RTKOで下し、準決勝では水野翔に3-0の完勝を収めている。

一方、ダギースレンは初戦でチームラカイのアドニス・セビジェーノに競り勝ち、準決勝では王座決定Tで対戦した際には、大激闘の末2-1で競り勝ったチハヤフル・ヅッキーニョスを2RにRNCで仕留めている。

前回の試合は距離のコントロールのみで勝利した感のあるパン・ジェヒョクは凌ぎ合いの強さに定評があるが、力の差があっても様子見を続けた水野戦に関して師匠ハ・ドンシンが大激怒したという話も伝わってくる。対して、今も荒さは残るものの距離を詰めるステップワークを修得しつつあるダギースレンは、せめぎ合いの強さに加え極め力がついてきたことをヅッキーニョス戦で示した。

昨年のパン・ジェヒョク戦の敗北から、師匠ナラントンガラグが時間を置いて再起させた判断が功を奏したようにも感じられた挑戦者決定Tでのダギースレンのパフォーマンスだった。そんなダギースレンの強さが、パン・ジェヒョクの巧さと如何にやり合えるのか興味深いフェザー級王座決定戦──両選手のタイトル戦に向けた抱負は以下の通り。

パン・ジェヒョク
「河名選手とタイトルをかける試合が出来なく、すごく残念です。お互いもっと上の舞台で、いつか戦えることを期待したいですね。今回の相手は以前、勝っているので今回こそKO勝ちし前回取り逃したボーナスも手に入れたいと思います。殺すか殺されるかの命かけて試合するので、応援宜しくお願い致します」

ダギースレン・チャグナードルジ
「1月12日の試合、凄く楽しみです! 去年は自分のミスで体重を落とせず、ベルトを獲る機会を逸して悔しい思いをしました。チャンピオンベルトを賭けて戦えること、本当に嬉しいです。あの時とは違う、成長した自分を見せたいと思っています。トレーニングに励みます。対戦相手のパン選手には、1年前の自分とは違うことを知っていてほしいです。最高の試合をして、必ずベルトを持ち帰ります」

フェザー級王座決定戦と同様、いやそれ以上に興味深いのがバンタム級暫定王座決定戦だ。グラジでは8月のGladiator Challenger Seriesで元王者テムーレン・アルギルマーを下した南友之輔はタイトル挑戦の資格有りとし、今大会で竹中大地への挑戦という形で選手権試合を組む意向であった。

しかしながら海外のマネージメントを受けることになった竹中陣営は、来年春ごろのRIZIN出場とRoad to UFC出場を視野に、1月の防衛戦をスキップする方向を固めた。結果、南は吉田と暫定王座を争うことに。

南は昨年9月にグラジでプロデビュー後、Grachanでの計量失敗──パウンドアウト勝利もNC──を挟み、キャリア1年で4連勝&3試合でフィニッシュしている。一方の吉田も昨年6月にグラジでデビューすると、現在6勝0敗。今年6月には中国のWKG&M-1でウー・シャオロンから僅か10秒でKO勝ちを収め、9月のグラジではグラップラーの上田祐起のオタツロックを耐えてスピニングバックフィストでKO勝ちし急激に頭角を表してきた。

両者ともに剛柔流空手を幼少期から習ってきたが、そのスキルを養かった空手競技は別だ。南は全空連、WKFルールのノンコン&ポイント空手という五輪競技にもなったフィールドで中学、高校、大学と各世代の日本代表に選ばれている。その後、空手がパリ五輪から外れたことでMMA転向を決意したエリート空手家だった。

硬式空手を主戦場に戦い全日本、アジア、世界王者となり、直接打撃のポイント制空手のトップに君臨していた吉田。とはいえ、今の両者は空手とMMAへの向き合い方も違う。

吉田は「硬式空手を知らしめる」ことを意識し、培ってきた距離感を武器に空手家としてMMAを戦う。南といえば空手の良さをMMAに取り入れているが、あくまでもMMAストライカーという位置づけを取っている。

ムチミを生かしたジャブなど空手家然とし、間合いが絶対の吉田と、ポイント空手とボクシングを融合させたパワフル&スピードの南。世界を見据えた24歳の南と25歳の吉田の一戦、ベルトを巻くのはどちらか注目が集まる。

そんな暫定王座決定戦に挑む両者、プレスリリースに寄せられたコメントは多分に相手を意識しておりさらに興味がそそられる。

南友之輔
「チャンピオンが逃げたので暫定になりましたが、ベルトはしっかりもらいます! 打撃も組みもパワーアップした姿をお見せします。応援宜しくお願いします」

吉田開威
「いつかやる事になると意識していたので、このチャンスが貰えて嬉しいです。違うルールの空手の打撃家同士ですが、硬式空手がより強いことを証明します。自分の打撃を出し切ってKOします。必ず面白い試合になると思いますので注目して下さい!

PS 南選手へ。体重には気をつけてください」

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