【Black Combat10】敵地で王者パク・シユンに挑戦、須田萌里「私は自分のスタイルを貫く」
【写真】1月19日にBlack Combat10の計量が行われ、須田は47.74キロ一発クリアで笑顔を浮かべた(C)MMAPLANET
J-MMA 2023-2024、第七弾・須田萌里&雄律の姉妹インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
後編では姉・萌里のBlack Combat女子アトム級王座挑戦について話を訊いた。萌里は1月20日(土・現地時間)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校ファジョン体育館で開催されるBlack Combat10にて、パク・シユンが持つ同女子アトム級王座に挑む。パク・ジョンウン戦のKO負けを経て、現在に至る自身のファイトスタイルとパク・シユン戦について語ってくれた。
<須田萌里&雄律インタビュー Part.1はコチラ>
――萌里選手にとって2023年は、どのような1年でしたか。
萌里 いろんなことを経験できましたね。負けも経験しましたし。
――敗戦といえば、5月にはパク・ジョンウンにKO負けを喫しています。それまで打撃を強化していたとはいえ、なぜ1Rから打撃のみの勝負に行ったのでしょうか。
萌里 エヘヘヘ。
――微妙な笑いですね。
萌里 何発か良いのが当たったので、イケるかなぁと思ったんです(苦笑)。
――このような敗戦の時、お父さんの智行さんはどのように見ているのですか。
智行 パク・ジョンウン戦にかんしては、娘が作戦を無視したんですよ。『あ~あ、打ち合いはアカンて言うたのになぁ』と思いながら……。
雄律 たまに思う時があるんですよね。パク・ジョンウン戦は特に、『なんで打撃でやるんかな?』って。すごく勿体ないなぁ、という試合でした。直接は言ってないけど(笑)。
萌里 ……(苦笑)。
――MMAと柔術を並行して戦っている場合、一方で敗戦を経験すると、もう一方の試合出場を抑えようとするケースもあります。萌里選手はMMAでパク・ジョンウンに、グラップリングでマユミ・グラップリングシュートボクサーズジムに敗れた時、何かしら方向転換などは考えなかったですか。
萌里 たとえば柔術をやらずにMMAだけ出るとか、そういうことは全く考えなかったですね。ただ、私はやっぱり組みの選手なので打撃にこだわらず、もっとしっかり組みに行くって考え方に変わりました。
智行 ウチの場合、柔術をやめるという考えはないです。MMAで勝つためにも柔術は大切な要素ですからね。
――なるほど。パク・ジョンウン戦までは、しっかりと打撃の攻防に対応しながら組みに行くスタイルを強化していたと思います。それが9月のケイト・ロータス戦からは、開始早々から組みに行きました。
萌里 あれも作戦です。ケイト戦は『最初から組みに行け』という指示が出ていました。11月の彩綺戦も、『打撃をやらんでも寝技だけで勝てるかな』って。さっきの話でいうと、打撃か寝技か――っていうより、もっと賢く戦わないといけないと思ったんですよ。
引き込むことについても、組んでからテイクダウンを奪うことができたら、それが良いです。でもテイクダウンを奪うまでには、すごく体力も必要じゃないですか。そこで削られて後半に影響が出るなら、引き込んだほうが良い時もあって。引き込みやったら自分の好きな形へ楽に持っていけるから、っていうのも大きいです。
――そして2024年初戦は、韓国Black Combatでのタイトルマッチが決定しました。今回、雄律選手も同行するのですか。
雄律 いえ、僕は行かないです。すごく寒そうですよね……。
萌里 今日はマイナス11度とかって出ていましたよね。とりあえず会場は暖かいから大丈夫だとは思うんですけど(笑)。
――萌里選手は昨年2月に韓国で開催された、DEEP×Black Combatの対抗戦の第一弾を現地でご覧になっていますよね。
萌里 映像や盛り上がり方が凄いですよね。日本のDEEPとも違う良さがあって、次は自分がそこで試合することになって楽しみです。
――Black Combat女子アトム級王者パク・シユンは、昨年9月に行われたDEEPとの対抗戦で大島沙緒里選手を下し、DEEPジュエルスのベルトも巻いています。
萌里 パク・シユン選手はまだDEEPジュエルスの試合が2回目だったのに、ベルトを持っていき――私はずっとDEEPジュエルスに出ているのに、「なんでソッチが先なん?」と思いました(苦笑)。
――萌里選手にしてみれば、列に割り込まれたようなものですか。結果、割り込んできた選手が勝利したことに対してはいかがですか。
萌里 結果は結果なので仕方ないけど……。その時に「今度は私が!」と思いました。
――ではパク・シユン選手の印象を教えてください。
萌里 まず赤林檎選手との試合は、私も同じ大会でアマチュアの試合に出ていたので、現地で見ていました。大島さんとの試合では赤林檎戦とも、その後に出ていたBlack Combatの試合ともスタイルが違っていて。試合ごとに違うスタイルで戦えるのでしょうし、とても難しいタイプだと思います。
――では今回、パク・シユン選手はどのようなタイプで戦ってくると思いますか。
萌里 大島戦と同じように、私との試合でも徹底して組まれないように戦うんじゃないかと思っています。相手がどう来ても、私は自分のスタイルを貫くだけですね。
――なるほど。最後に須田家の2024年の目標を教えていただけますか。
智行 今年のテーマは海外での挑戦ですね。まず萌里が韓国でベルトに挑戦します。雄律も海外で試合をさせたいと思います。今年でキッズの試合に出るのは最後になるんですよ。だから一番強い緑帯で優勝してからアダルトへ――と考えています。
■Black Combat10計量結果
<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ:65.9キロ
ユ・スヨン:66.2キロ
<Black Combatフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]シン・スンミン:65.5キロ
[挑戦者] ソン・ユチャン:65.6キロ
<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
キム・ソンウン:57.5キロ→57.3キロ
駒杵嵩大:56.6キロ
<ライト級/5分3R>
大原樹理:70.8キロ
ファン・ドユン:70.8キロ
<バンタム級/5分3R>
キム・ソンジェ:61.4キロ
パク・ソンジュン:61.8キロ
<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・シユン:48.2キロ
[挑戦者] 須田萌里:47.74キロ
<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:65.8キロ
中村大介:65.8キロ
<フライ級/5分3R>
ジョン・ウォンヒ:57.0キロ
キム・ウジェ:57.1キロ
<バンタム級/5分3R>
山本聖悟:61.5キロ
イ・ソンウォン:61.5キロ