【DEEP127】大島沙緒里×須田萌里が決定。総合力でリードする須田、大島は判定勝ちスキルが欠かせない
【写真】戦績は14勝6敗同士。一本勝ちは大島が9回で、須田が10度だ(C)MMAPLANET
4日(月)、9月15日(土・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP127で大島沙緒里×須田萌里のアトム級マッチが組まれることが発表されている。
Text by Manabu Takashima
DEEP & DEEP JEWELSミクロ級王者、元DEEP JEWELSアトム級王者の大島が、2022年5月にそのアトム級王座を賭けて戦い、キムラで初回で下した須田と3年4カ月振りの再戦を戦う。
大島は柔道で培った肉体&気持ち、そして極めの強さで早々に国内ミクロ級とアトム級の頂点に立った。適正階級はミクロ級と考えられるが、層の薄さもありアトム級はおろかRIZINではスーパーアトム級でも戦い結果を残してきた。
44キロ~49キロを行き来するキャリアで、最近は体格差のある相手のMMAとしての技量が上がり、苦戦を強いられることも増えてきた。特に今年5月のイ・イェジ戦では序盤の攻勢時を凌がれると、テイクダウンを切られ、スクランブルで劣勢となり判定負けを喫した。
絶対的な強さを持つ一方で、その形以外の部分でアップグレードが必要だと感じられた大島に対し、柔術ベースの須田はMMAファイターとして得意分野以外のアップグレードを着実にしてきた。
柔術の強さは維持し、打撃を怖がらない姿勢と起伏の多い土地の走り込みで体ができてきた須田。MMAに欠かせない要素の補完が進むと、須田は今年の3月に浜崎朱加をRNCで下し、7月の超RIZINではNOELを腕十字で一蹴している。女子MMAをリードし続けてきたベテランと、長期展望でいえば将来のエース候補からのフィッシュ勝利は、彼女の成長及び充実ぶりを顕著に表している。
今の須田なら大島が組み一辺倒で来るなら打撃で突き放し、倒され、ひっくり返されることがあっても慌てずに組みでも渡り合えるに違いない。一方大島としては、3Rを通して判定勝ちできる戦術に基づいた一本狙いができるか。両者とも一本勝ち率が非常に高い。が、現状はその一本が取れなくても試合を纏める力は須田の方が上をいくか。判定で勝てる――競り勝てるスタイルの構築こそが、大島がアトム級で再浮上するのに欠かせない強化ポイントだ。
佐藤洋一郎×ストラッサー起一のウェルター級戦。フェザー級では木下カラテ×相本宗輝と五明宏人×関鉄矢。フライ級の柴田“MONKEY”有哉×濱口奏琉という既報の3回戦ラインナップに加わった大島×須田の女子アトム級戦は、同大会をよりボリューミーにするカードといえる。