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【Black Combat10】王者の計量オーバーも――駒杵嵩大「僕は何も気にせず、いつもどおり戦う」

【写真】王者キム・ソンウンがまさかの計量オーバー。しかし駒杵は油断など一切なく、佐藤将光とともに細かく判定基準を確認していた(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)に韓国はソウルのソンブク区にある高麗大学校ファジョン体育館で開催される Black Combat10「Night in Seol」にて、駒杵嵩大がキム・ソンウンの持つ同フライ級王座に挑む――はずだった。
Text by Shojiro Kameike

キム・ソンウンが計量オーバーにより王座剥奪、駒杵が勝った時のみ新王者誕生という変則タイトルマッチとなった。駒杵にしてみれば昨年9月に腕十字で仕留めている相手——だが、今回の試合に油断は一切ない。計量直後の駒杵の意気込みをお伝えしたい。


――計量では駒杵選手が56.6キロで一発クリアしたものの、対戦相手のキム・ソンウォンが計量オーバーとなりました。

「相手は計量会場に入ってきた時から、雰囲気が暗くて(苦笑)。仮計量で体重計に乗って、セコンドの人といろいろ話をしていたんですよ。だから『体重を落とすことができていないんだろうな』と思いました。ただ、そこで椅子に座って動かなかったんです。普通、体重を落とせていなかったら体を動かしますよね?」

――確かに……。ただ、本計量から再計量まで時間が30分しかないことも影響しているかもしれません。800グラムオーバーで、30分で落とすことは難しいでしょう。

「どう考えても無理ですよね。自分としては『どうなるのかな……』と心配ではありましたけど、僕はそれぐらいのオーバーであれば試合すると考えていました。一度試合していますし、前回の感触だと『体重オーバーしても、力はあまり変わらないかな』と思って」

――昨年9月、DEEP×Black Combatの対抗戦で行われた初戦では、駒杵選手がテイクダウンを奪ったあと、リバーサルを許しました。あの時に相手のパワーは感じましたか。

「いえ、あれはパワーではなく――まず相手の手足が長かったんですよ。あの時は長い足を巧く引っかけられて、コロンと返されてしまいました。相手が足を入れてきているのは自分も気づかなくて。相手もまだまだ手足の長さを生かした寝技の強さを持っているかもしれないです」

――駒杵選手返されてすぐキム・ソンウォンの腕を狙い、腕十字を極めました。

「返された時に腕十字か三角を狙うことは想定していたので、そこはスムーズに動いて極めることができました」

――結果、キム・ソンウォンの実力はどのように感じましたか。

「前回はすぐに極めてしまったので、対峙した時間が短かったじゃないですか。それでもレベルの差はあるのかな、って思いました」

――それだけレベルの差があったことは予想外でしたか。

「試合に向けて佐藤将光さんと映像をチェックして、それほどレベルが高い選手ではないと思っていました。ただ、実際に試合をしてみると――とにかくフライ級にしては体格が大きいんです。だから、やりにくさはありますし、過去の試合では逆転勝ちも多いですよね。昨日も将光さんと『ストロングポイントはないけど、逆転勝ちできる何か強さはあるよね』という話をしていました」

――それはよく言われる、韓国人選手の気持ちの強さも関係しているでしょう。そして今回はキム・ソンウォンの地元、韓国で行われる試合です。

「柔道時代から韓国人選手は気持ちが強いと思っていましたし、今回も敵地だから――と考えていましたが、計量の様子を見ると気持ちの強さも感じられなくなっていますね……」

――計量オーバーの結果、キム・ソンウォンはベルトが剥奪され、相手のファイトマネー30パーセントが駒杵選手に入ることになりました。

「そうですね。あとで幾ら入るのか知らされるようですけど……。いやぁ、それはもう大きいですし、嬉しいですね。ハイ(笑)。試合もラウンドごとに、相手がマイナス1ポイントとなりますしね」

――そうなると試合前から勝敗が決していることになりませんか。駒杵選手にとって、試合に対するモチベーションは……。

「それが以前、同じケースで計量失敗した選手が勝ったこともあるらしいんですよ」

――ユ・スヨンがキムイ・ドンギュとバンタム級王座を争った時ですね。

「そうです。毎ラウンドがマイナス1ポイントでスタートしても、圧倒され続けたらラウンドを失ってしまいますから」

――キム・ソンウォンも必死に計量オーバーを挽回しようとするでしょう。

駒杵自身は仕上がりの良さがうかがえる(C)SHOJIRO KAMEIKE

「はい。だから僕は何も気にせず、いつもどおり戦えば良いと思っています。ここ最近は『いかに相手の打撃をかわしながら組むか』ということを課題にしてきました。あとは倒してからパウンドやヒジで攻めていけるよう練習しているので、そういったところも見せたいです」

――なるほど。では明日の試合への意気込みをお願いします。

「ここでBlack Combatのベルトを獲得して、また日本のケージで活躍できるキッカケにしたいです。明日は応援よろしくお願いします!」


■Black Combat10計量結果

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ:65.9キロ
ユ・スヨン:66.2キロ

<Black Combatフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]シン・スンミン:65.5キロ
[挑戦者] ソン・ユチャン:65.6キロ

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
キム・ソンウン:57.5キロ→57.3キロ
駒杵嵩大:56.6キロ

<ライト級/5分3R>
大原樹理:70.8キロ
ファン・ドユン:70.8キロ

<バンタム級/5分3R>
キム・ソンジェ:61.4キロ
パク・ソンジュン:61.8キロ

<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・シユン:48.2キロ
[挑戦者] 須田萌里:47.74キロ

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:65.8キロ
中村大介:65.8キロ

<フライ級/5分3R>
ジョン・ウォンヒ:57.0キロ
キム・ウジェ:57.1キロ

<バンタム級/5分3R>
山本聖悟:61.5キロ
イ・ソンウォン:61.5キロ

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