【UFC ESPN33】アスカロフのバックから逃れたカイ・カラフランスが逆転判定勝ち。タイトル挑戦をアピール
<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス(ニュージーランド)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
アスカル・アスカロフ(ロシア)
間合いの探りあいのなかで、ジャブを伸ばしローを蹴るカラフランス。アスカロフも右ジャブを見せ、続く踏み込みでシングルレッグへ。レッグリフトで粘るカラフランスをテイクダウンしたアスカロフがサイドで抑える。反対側へ回りつつ巧みにバックを取ったアスカロフが四の字フックにカラフランスを捕らえる。テンプルを殴ったアスカロフは、カラフランスが立ち上がっても四の字フックを続け、アゴの上からRNCに入る。
手首を掴んで防ぐカラフランスを殴るアスカロフはエルボーに切り替え左手でRNCへ。カラフランスはこれも耐えて、タイムアップまで粘ると不適な笑みを浮かべた。
2R、ワンツーで右ロングを当てたカラフランスだが、アスカロフが再びシングルレッグへ。ケージに詰めてボディロックに切り替えたアスカロフは、河津掛けのような形でテイクダウンを狙いつつバックへ。カラフランスが胸を離れると、コロンバスのファンは大声援を送り、カラフランス・チャントでバックアップする。
左ジャブ、右を繰り出すカラフランスは、ケージを背負う。テイクダウン対策のためか、詰められているのか。いずれにせよ、テイクダウンを切ったカラフランスがワンツーで右、左フックを当てる。アスカロフもフックを打ち返すが、この打撃戦こそカラフランスが望んだもの。シングルを切って左フックを入れたカラフランスが形成逆転、しかも攻め急がず間合いを図る冷静さも見せた。
最終回、ジャブを伸ばすカラフランスが右ロングを打ち、アスカロフのテイクダウン狙いを切る。直後に左ローを急所に受けたカラフランスが苦悶の表情を浮かべる。試合は中断され、カラフランスの回復を待って50秒強で再開された。
カラフランスは左ローを蹴り、右ハイ。アスカロフはミドルキックでバランスを崩したが、立ち上がった次の局面でシングルからバックへ回る。ケージを使って背中に乗ったアスカロフが四の字フックも前方に振り落とされる。すぐにシングルに入ったアスカロフだが、カラフランスが足を抜いて離れる。
疲れが見えるカラフランスは、左に回って息を整える。スタンドでバックを取られてしのいだのだから、疲れて然りだ。懸命に足を使ってその時が来るのを待ったカラフランスは残り1分強で再び前に出始める。しかし、距離が遠すぎてクリーンヒットはなく、アスカロフが右クロスを放ち、シングルレッグへ。大ブーイングのなかテイクダウンは決まらず、試合終了と同時にカラフランスはケージに駆け上がり勝利をアピールした。
初回はアスカロフ、2Rはカラフランス、最終回をジャッジがどのように判断するか。ジャッジ3人揃って29‐28でカラフランスを支持。歓喜のカラフランスとアリーナのファン達、アスカロフはヒザをついて落胆した。
「動き続けることが作戦だった。アスカロフはタフなレスラーだけど、これはMMA。エンターテイメントな試合をしないと。ブランドン・モレノがタイトルに挑戦するようだけど、その次にタイトルにチャレンジさせくれ」とアピールした。