【UFC317】ペース配分もバッチリ、パントージャが3RにカラフランスをRNC葬。ヴァンが次期挑戦者に
<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
Def.3R1分55秒by RNC
カイ・カラフランス(ニュージーランド)
コール前から鋭い視線を送り合う、両者。凄まじい緊張のなか両者はタッチグローブし、パントージャが左ミドルを蹴る。そのまま回転数の速いパンチで距離を詰めたパントージャが、組んでバックに回る。離れようとするカラフランスを制したパントージャが早々にボディトライアングルに捕らえる。ワキ腹からテンプルに左のパンチを打ちつけるパントージャに対し、カラフランスは懸命にリストを取って絞めを防ぐ。パントージャは組んだ足を下にすると、チョークへの圧力を高める。胸を合わせに来たカラフランスに対し、パントージャはマウントを取りつつ肩固めに。ここからマウントに戻ると、カラフランスがハーフガードを取る。
残り90秒、パントージャは肩パンチを落としてヒザを横っ腹に突き刺す。カラフランスは堅いディフェンスを見せ動かない。最後に挑戦者が動きを見せると、すかさずバックを取り直し四の字フックとしたパントージャが初回をドミネイトした。
2R、右ストレートから右ミドルを蹴ったパントージャ、初回のようにすぐに距離を詰めることはない。続いて左ミドルを入れると、右ストレートを見せて右カーフを2度蹴る。カラフランスはボディストレート、ショートのコンビもパントージャのワンツー&ローの突進にバランスを崩すように下にされる。パントージャは腰を上げて切ると、立ち上がったカラフランスのバックへ。正対してシングルを仕掛けたところで、カラフランスが離れる。
息を整えるような感じのパントージャは、細かいパンチから腹を蹴っていく。カラフランスも無暗にステップインができない。とハイキックを狙われたカラフランスが、距離を詰めて組んでいく。すぐに体を入れ替えたパントージャがケージにカラフランスを押し込む。ただし、組みを続けることなく簡単にカラフランスが離れた。勢いのあるローを蹴ったチャンピオンは、カラフランスのボディにも前蹴りで突き放しラウンド終了。全体的にペースを落として戦ったパントージャだが、この5分でどこまで回復できただろうか。
3R、右を振り、連打からローのパントージャは、懸命に組んでバックに回る。ヘンゾ・フックから後方に倒れてボディトライアングルに取ったパントージャ。カラフランスの対応も、淡泊になってきたか。と、パントージャは左腕を喉下に差し込みRNグリップへ。何度も手首を取ろうとするカラフランスだが、パントージャは小刻みにリリース&キャッチを繰り返すと、ついにRNグリップを完成させタップを奪った。
「誰もがバックを取られた時の対処を練習している。でも、今も進化しているんだ。ATT、ダン・ランバートが創った世界最高のジムで。これで4度目の王座防衛、僕はP4Pでのランクを上げたい」と話すと、ジョシュア・ヴァンが次のタイトルコンテンダーとしてケージに登場して握手、そしてハグをする。
「彼は偉大なチャンピオンだけど、ジョシュア・ヴァンとは戦っていないんだ」と次期挑戦者が不敵に話す。笑顔を耳を傾けていたパントージャは「謙虚なヤツだよ(笑)。次、戦おう」と返答し、フェイスオフを自ら要求すると――チャンピオンの表情は、既にカイカラフランスに送った視線に変わっていた。