【ONE126】2022年1月28日時点の現実。15分間、攻められ続けた箕輪がブルックスに完敗
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
Def.3-0
箕輪ひろば(日本)
鋭い踏み込みからパンチを連打したブルックス。いきなりパンチを纏めると、左から右フックを打ち抜く。明らかに効いた箕輪のテイクダウン狙いを切ったブルックスは、バックに回るとワンフックへ。
腕を向き、ガードに戻した箕輪は頭を抱えるが鉄槌から左エルボーを打たれる。クローズドを続ける箕輪だが、エルボーで左目尻をカットする。早くも我慢の展開となった箕輪は、流血で視界を奪われているか。
足を抜くことなくパンチで傷を狙うブルックスが、エルボーを振り落とす。左のエルボーでカットした箇所とは違う場所を打ちつけると、そこを箕輪が守ろうとした刹那、カットした場所にヒジを打っていく。残り1分、エルボーからパンチと攻撃の強度を上げるブルックスに対し、箕輪は何とか下からエルボーを見せ、ケージを背負って立ち上がろうとする。左足を制して立たせないブルックはジャンプしてエルボー、そしてヒザを突き刺してギロチンへ。体を捻ってエスケープをはかった箕輪──ここで時間となった。
2R、ワンツーの右を被弾した箕輪は、ステップインに真っすぐ下がる。直後の右オーバーハンドも遠く、ブルックスは冷静に攻撃を見ている。ここで箕輪は飛び込んでヒザを顔面に届かせる。直後のパンチの交換から、蹴りをキャッチされた箕輪はシングルでテイクダウンを許す。ブルックスはガードの中からヒジやパンチを落とす。
と右足を抜いたブルックスはパス、背中を見せた箕輪の立ち上がり際にRNCを仕掛けて寝技に持ち込む。半身で絞めを続けるブルックスは、耐えた箕輪のシングルを切ってヒザを頭部に蹴りこむ。座った箕輪は、さらに顔面にヒザを受け、背中をマットに着けるとエルボーを打たれる。
ブルックスがパンチを纏め、箕輪にスクランブルを許さず両足を束ねる。懸命に固める箕輪だが、ブルックスに立たされるとダブルで尻もちをつかされ時間に。
最終回、「ここで終わんな。パシオが待っているんだろ」というセコンドの声を受けた箕輪だが、開始直後にダブルレッグで肩に担ぎあげられスラムを許す。ブルックスは箕輪の立とうとする力を利してもう一度担ぐと、ケージ中央まで運んで叩きつける。パスのプレッシャーを掛けるブルックスは、左のパンチを入れスクランブルでバックへ。ケージを背負って正対した箕輪は、エルボーを落とすが、これでは逆転の目はない。
残り3分、アナコンダでも狙ったか力が入っていた箕輪をすかして、頭を抜いたブルックスがトップコントロールを続け。立ち上がり際には既にダブルレッグに入っている。寝かせると肩固め、立って来ると足をホールドした倒すという二段構えのブルックスは、箕輪にエルボーや細かいパンチ以外の反撃を許さず試合をコントロールする。最後の30秒で立ち上がった箕輪は、ここで急所にヒザを受け──声を挙げて倒れ込む。
立ち上がって試合再開に応じた箕輪は、前に出て飛びヒザ。待っていたブルックスは2発目のヒザ蹴りにもパンチを打ち込み、スピニングバックフィスト。箕輪も最後は打撃戦に応じたが、時間に。当然ジャッジは3者ともにブルックスを支持し、箕輪は完敗だった。
北米的なジャッジがあれば30-25がついていてもおかしくない勝利後に、箕輪の健闘をたたえたブルックスは「彼はグッドシェイプだった。僕は完璧に準備できていた。ジョシュ・パシオ、準備はできているか。この階級で誰も俺に勝てない。マスンヤネも。フライ級と2階級制覇する」と力強い言葉を続けた。
完全に力負けの箕輪──試合中と同じように、投げない気持ちを持ち続け、日々のトレーニングからやり直すしかない。これが2022年1月28日時点の、現実だ。