【ONE Revolution】パシオに挑戦、猿田洋祐─02─「青木真也や朝倉未来と違う、猿田洋祐を表現していく」
【写真】地道にコツコツの繰り返し、それが猿田洋祐だ(C)MMAPLANET
24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」でジョシュア・パシオの持つONE世界ストロー級王者に挑戦する猿田洋祐インタビュー後編。
2019年1月、そして4月に続きパシオとは3度目の対決となる猿田は、前回敗れた試合のことを悔いていた。楽な方を選択してしまった自分を──。
<猿田洋祐インタビューPart.01はコチラから>
──ジョシュア・パシオは2020年1月から1試合をしていないです。どのような彼をイメージしていますか。
「パシオ対策というものも確かにあるのですが、どちらかというと、のび太戦からアップグレードしたモノを試合で出して、それで勝ちたいです。打撃も組み技もそうですが、これまで出してきていなかったモノも含めて──ですね。ケガをして手術をし、練習ができない時間にこれまで以上に色々な試合をチェックしました。練習ができないからこそ、見えてきたモノがあるというか。気付いていなかったことに気付けたということが、たくさんありました。そこを踏まえて細かく練習しているので、よりMMAが楽しくなっています。15年やってきて、やっと気づけたということがありますね」
──手応えを感じることができた?
「できました。ある程度、固まってきています。ただし、それを試合で出すことができるのか。実戦の緊張感のなかで出せるのか……、楽しみです」
──猿田選手はSNSなどで、困難な方を選択するということを言われていますね。
「しんどい道を選ぶと言ったのは、前回のパシオ戦の後悔があります。15年間、MMAをやってきて、どの試合中でも厳しい方を選んで戦ってきました。それが……あの試合だけ一瞬、楽な方を選んでしまったんです。そこで一瞬にして負けてしまいました。
このことはずっと後悔しています。あの時、初めて『早く試合が終わって欲しい』という気持ちが本当に一瞬だけですけど、出てしまったんです。で、相手のことも見ずに闇雲に振ったパンチに蹴りを合わされて、KOされてしまいました。テクニックとかでなく、メンタルで負けた。
あれからは普段の生活から、楽をしないでいこうということを意識してやってきました。仕事でも練習でも、厳しい方を選んできました。そういうことが試合に生きる……今回は最初から最後まで辛い道、厳しい道を自分から進んで戦い抜きたいと思います」
──なぜ、楽な方を選択してしまったのか。その原因は掴めていますか。
「ハイ。あの時は、まずコンディションを創ることが難しかったです。チャンピオンになって、気持ちは次に向いていたのですが、12月、1月(2018年12月にアレックス・シウバに3R判定勝ち、2019年1月にジョシュア・パシオに5R判定勝ちでストロー級王者に)と連続で戦い、多少ケガもありました。防衛戦が決まってからは2カ月あったので、自分のなかでは2カ月あればもっと良い準備ができると思っていました。
ただ疲労、ダメージの蓄積というモノが体に残っていました。そこを考えることができず、万全の状態で防衛戦に臨めなかったです。そこも後悔しています。そんな状態だったので、早く試合が終わって欲しいという気持ちに向いてしまったかと思います」
──なるほどぉ。その経験をして、私生活から厳しい道を選択するという風に心掛けてきたと。その厳しさに通じるのですが、ONEストロー級はバンマードォーチーこそ経験不足を露呈した感もありますが、ボカン・マスンヤネやジャレッド・ブルックスなどニューカマーがおり、層が厚くなり、厳しい戦いが増えそうです。だからこそ、猿田選手が言われてきたストロー級も盛り上げることに通じるかと。今も、そのように思い続けていますか。
「そうですね。ONEのストロー級と日本のストロー級の違いは稼げるということです。やはりプロスポーツなので、お金のことは大切です。引退後のことを考えても。夢がないと続かない。
若い選手たちも日本でチャンピオンになってONEや海外で活躍できれば、体が小さくてもMMAで食っていける。そういう夢を以前より、持てるようになってきています。その一例に自分がなれれば……厳しい環境で、に勝っていければと良いなと思っています」
──ONEで戦うことで、その意識が芽生えたということですか。
「そうですね。国内だけで見ていると、稼げない。同じように体を張って、命を賭けてやっているのだから、今の自分からすると以前はよく戦っていたなと思うところは……本音ですけど、あります。
ただしONEのチャンピオンになっても人生は変わらなかったです。期間も短かったですし。チャンピオンになって、どういう人生を歩めるのか。ONEが人生を変えてくれるわけじゃない。ONEのチャンピオンになって、自分で変えていかないと。そこがまた楽しみでもあります。チャンピオンになってどういう発言をして、どういう行動をしていくのか。
前回はできなかったので、ここでベルトを巻いてやっていきたいと思います。青木真也とも朝倉未来とは違う、猿田洋祐というモノを表現していきたいです」
■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App
■ ONE「Revolution」対戦カード
<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)
<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)
<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)
<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)
<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
トーマス・ナルモ(ノルウェー)
<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)