【ONE171】ストロー級王座統一戦=ブルックス戦へ、ジョシュア・パシオ「躊躇せずに拳を振るって戦う」
【写真】「カタールはフィリピン人ファンの声援が大きくてマニラで戦っているよう」というパシオ(C)ONE
20日(木・現地時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツアリーナで開催されるONE171「Qatar」で、ジョシュア・パシオがジャレッド・ブルックスを相手と11カ月振りの試合=ONE世界ストロー級王座統一戦に臨む。
Text by Manabu Takashima
その11カ月前の試合はところも同じ、カタール。立場は挑戦者だが、相手もブルックスだった。バックを許し、キムラロックに取ったパシオはそのままリフトされ、頭から落とされパウンドの餌食に。そのまま試合は終了し、結果はブルックスが失格で、パシオはベルトを巻くことに。
ダイレクトリマッチまでの11カ月。ブルックスは暫定王者となり、ベルトを持って再びパシオに前に立ち塞がる。対してマーシャルアーチストとしてMMAを戦うジョシュア・パシオは、この間のブランクを経験してよりジョシュア・パシオになって戻ってきた。
――去年の3月にジャレッド・ブルックスの頭から落とす投げで、反則勝ちという結果によってチャンピオンに返り咲きました。あの試合以来の実戦復帰になりますが、それだけ負傷が長引いたということでしょうか。
「あの試合で受けた首のダメージは問題ではなかった。試合の2週間前に前十字靭帯を負傷していて、その方が問題だった。ONEに迷惑を掛けたくないから戦った。結果は、あの反則勝ちだったんだけど、試合後にヒザの診断を受けて手術かリハビリかのどちらかを選択しないといけなくなった。僕はリハビリを選択した。ヒザの周囲に筋肉をつけて、より強くする方がカットするより良いと思ったんだ。
ただ、それには時間が掛ったし、これからもずっと強化し続ける必要があるんだ。トレーニングに戻ることができたのは、3カ月前だから11月だね。でもヒザにメスをいれていたら、もっと時間が掛ったはずだ」
――筋肉をつけて、動きに変化があったようなことは?
「痛みがないし、打撃のハードスパーリングやレスリング、グラップリングの練習をしても問題はないよ」
――ジョシュアも気づけば29歳。でも過去5年間は1年に1試合しか戦えていないです。
「選手だから、1年に3試合はしたいと思っていた。この時期にたくさん試合に出ていくことが、とても大切だと分かっていた。33歳や34歳になると、そうはいかなくなるからね。そりゃあ僕でなくても、誰もが同じ状況ならストレスを感じる状況だったよ。でも、過ぎたことだ。今後は少しでも多く試合を戦っていきたい」
――現在はライオンネイションMMAでだけで練習をしているのですか。
「ストレングス・コンディショニングはスティーブン・ローマンのジムでやってきた。彼のお兄さんが、腕の立つトレーナーなんだ。レスリングや柔術でも専属のコーチに指導を受けている。柔術はMMAファイターのガドウィン・ランバヤンとやってきたよ。ローマン、ダニー・キンガドという練習パートナーも変わらない。まだローカル大会しか戦っていなけど、選手も育ってきた。そうだね、この試合に向けてのキャンプは楽しく準備できた」
――ONE階級でもフライ級やバンタム級の選手が練習仲間にも多そうですね。
「そうだね。ジャレッド・ブルックスはナチュラルではストロー級だけど、トレーニングをしてバンタム級ぐらいになっているからね(笑)。それでもスピードの速さは維持している」
――ジャレッドは前回の試合で、フライ級で戦いリース・マクラーレンに敗れました。あの試合はどのように捉えていますか。
「1階級上の試合に3週間のショートノーティスで戦うのは、簡単じゃないよ。だから別物だと思っている」
――そのジャレッドは試合を盛り上げるためとはいえ、かなりジョシュアを軽視する発言をしてきました。
「気にしてないよ。対戦相手が僕のことをどう言おうが。僕はマーシャルアーチストだ。本物のマーシャルアーチストは常に対戦相手を尊敬している。フィリピン、日本、中国のファイターはそういうものだよ」
――前回の反則勝ちは、強弱を荒そう戦いにおいてジャレッドの方が強く見えた。そのような試合でのあったかと思います。
「そうだね。そういう風に思われてもしょうがない。だから、そういう意見も気にしないようにしている。実際、あの試合でジャレッド・ブルックスの方が僕より強かったとしよう。彼はそれからも成長している。僕も同じだ。あの時とは違うジョシュア・パシオになっている。
あの反則勝ちから学ぶことは本当にたくさんあった。その経験があるから、今回は前回と同じようにはならない。それでもジャレッド・ブルックスに適わなかったとしても、また強くなる努力を続ければ良い。それがマーシャルアーツだよ。技と技を競い合い、僕が勝てば成長を感じることができる。レベルアップしたことになる。それが全てだよ」
「キーは如何に自分に自信を持って戦うことができるか。躊躇せずに、しっかりと拳を振るって戦うこと。テイクダウンをされたらどうするのか、そこに捉われすぎない。僕は今やコンプリート・アスリートだから。テイクダウンをされても、何をすれば良いのか分かっている。逆に僕がテイクダウンをする機会だってあるはずだ」
――自分の戦いをするということですね。
「そうなんだ。相手の攻撃に捉われて、自分の戦いを忘れてはいけない。それが躊躇を生み、隙を与えることになる。こうなってはいけないなんて考えないこと。どうなろうが、戦える。それだけ練習してきたのだから。自信を持って、自分の戦いをするんだ。
特にケガで苦しんだ分、僕がどれだけ強くなっているのかを皆に見て欲しい。選手としてレベルアップし、人間としても精神的に強くなっている。新しいジョシュア・パシオを見て欲しい」
■視聴方法(予定)
2月20日(木・日本時間)
午後11時45分~U-NEXT
■ONE171対戦カード
<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)王座統一戦/5分5R>
[正規王者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[暫定王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] ジョナサン・ハガティー(英国)
[挑戦者] ウェイ・ルイ(中国)
<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ロベルト・ソルディッチ(クロアチア)
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)
<キック・バンタム級/3分3R>
イリアス・エナッシ(オランダ)
ブレイク・クーパー(米国)
<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
シャミル・エンドラン(トルコ)
オンラ・ンサン(ミャンマー)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガザノフ(ロシア)
マーチン・ウェン(豪州)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
キリツ・グリシェンコ(ベラルーシ)
<ムエタイ・バンタム級/5分3R>
ジェイク・ビーコック(カナダ)
鈴木真治(日本)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
リトゥ・フォーガット(インド)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
ニコラス・ビグナ(アルゼンチン)
<サブミッショングラップリング無差別級/10分1R>
ザイード・アルカシリ(UAE)
モハマド・アブラハム(ヨルダン)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アブドゥロ・コツハエフ(タジキスタン)
ウィリアム・ポールス(カナダ)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
フセイン・サレム(イラク)
ヴァルテル・コグリアンドロ(イタリア)