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【ONE171】シャミル・ガザノフのTD&押し込みに完敗――マーチン・ウェンがグローブを置く

【写真】下がらせる圧からの押し込み(C)ONE

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガザノフ(ロシア)
Def.3-0
マーチン・ウェン(豪州)

ケージを背負って回るウェンに対し、牽制のハイを見せたガザノフ。ウェンがカーフを蹴ると、組みついたガザノフがアッパーを被弾しながらテイクダウンを決める。レッグマウントを許さずにケージを使ったウェンが立ち上がる。そのままケージに押し込むガザノフがヒザ蹴りからバックを伺いつつ、ボディロックテイクダウンを狙う。シングルのガザノフはエルボーを落とされ、頭の位置を高く置き直す。

片ヒザをついてヒジを落とし、テイクダウンを許さないウェン。ハイクロッチからシングルで足を抜いた刹那、ガザノフが右を打ち抜く。ダウン気味でテイクダウンを許したウェンは、ここで追撃のパウンドを許さず立ち上がる。残り35秒でブレイクが掛かり、ガザノフが右カーフを蹴ったぐらいでラウンド終了を迎えた。

2R、牽制の打撃戦から右を当てたガザノフ。組みたいガザノフの方が、良い打撃を入れている。そしてカーフからパンチを見せて組んだガザノフが、ケージにウェンを押し込む。ケージを背にしてテイクダウンを防ぐ展開が続くウェンを倒せず、残り半分でブレイクが命じられる。打撃の間合いに戻ってもウェンは拳も足も当てることなく、組まれてケージに押し込まれる。ここはガザノフが右を見せた隙に、ウェンが離れてボディを殴る。次の手がなく、時間が進むとレフェリーからアグレッシブに戦うように注意が入る。しかし、遠い間合いでの蹴りが見られた程度で時間となった。

ハグで始まった最終回も蹴りの間合いとなり、ウェンのジャブをガザノフがバックステップで返す。ガザノフが右を当ててからのシングルで思い切りドライブし、ケージにウェンを運ぶ。細かいパンチを入れ、ダブルへの以降を許さないウェン。早目にブレイクが入り、直後にガザノフがダブルレッグを仕掛ける。シングルに移行したガザノフが、足を抜かれても即組みついてケージに押し込む展開を続ける。

左ミドルを蹴った離れたガザノフに対し、ウェンが右を当てシングルレッグを切る。オーバーハンドを見せ、前に出るウェンがボディストレート。ガザノフはケージを背負った状態でウェンの攻撃を見る。と、なんとここでレフェリーがイエローカードを提示する。初回や2Rより圧を掛け、前に出ていたウェンにとっては不可解なイエローだ。

結果、組んで打撃の間合いを外すという戦いを続けるガザノフは、右オーバーハンドを被弾して右を返す。ここからリスクをおかす必要がないガザノフは、詰め切れないウェンのパンチをかわしてタイムアップを迎えた。結果はガザノフが3-0の勝利を収めた。

「12カ月で4試合戦った。1カ月、休ませてく。77キロでも戦う」といったガザノフに続き、コメントを求められたONE発の同時二冠王だったマーチン・ウェンは「その時が来た。やれることはやってきた。ビビアーノの直後だけど、今日が最後だ。ガキが夢をかなえることができた。チャトリ、ビクトー・クイ、マット・ヒュームのおかげだ。夢を追う機会を与えてくれた。今、去ることが正しいだろう」とグローブをキャンバスに置いた。


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