【Breakthrough Combat03】Progressでエリック・メネギンと対戦。神龍誠「野性の勘や嗅覚で極める」
【写真】大晦日のホセ・トーレス戦を踏まえて、神龍は「持ち味の思いきりの良さを残して、雑な部分を修正している」と語る(C)TAKUMI NAKAMURA
26日(水)に無観客&配信大会として開催されるBreakthrough Combat03で、神龍誠がエリック・メネギンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
今大会のビッグサプライズとなったのが神龍の参戦だ。年内にRIZINフライ級グランプリ開催も噂される中、神龍は2025年の初陣としてMMAではなく、Breakthrough Combatでのグラップリングルール=Progressルールを選択した。しかも対戦相手のメネギンは道着とノーギどちらでも結果を残す軽量級トップ柔術家で、MMAと柔術のトップファイター同士が戦うという意味でも興味深いマッチアップとなった。なぜ神龍はBreakthrough Combat参戦、そしてProgressルール挑戦を決意したのか。
――神龍選手のBreakthrough Combat03参戦には我々も驚きました。どういった経緯でBreakthrough Combatに参戦することになったのですか。
「今年は色んなことに挑戦しようと思っていて、それで上田(貴央)さんに相談していた時に、Breakthrough Combatの話も上がってきて、『興味があります。話を聞かせてください』というところからですね」
――神龍選手はMMAファイターで、MMAの試合をするチャンスもあったと思います。そのなかでMMAではなくグラップリングの試合を選んだのはなぜですか。
「もともと寝技(グラップリング)の試合に興味があったんですよね。最初は柔術の試合に出てみようかなと思って、それを上田さんに相談したら『プロでやっているんだから、タダで試合するのはもったいないよ』と言われて、その時にプロのグラップリングがあるという話を聞いて興味を持ちました。あとマネージャーには海外のMMAの試合にも出たいと話していて、それが流れちゃったんですよね。それで候補にあったグラップリングの試合に出ようと思いました」
――グラップリングの試合はいつ以来になるのでしょうか。
「プロになってからはやってないんじゃないかな………。いや、デビューしてすぐの頃にフューチャーキングトーナメントの特別試合で井上直樹選手とやったことがありますね。その時は一本決着のみのルールだったのでドローでした(※2017年2月のDEEPフューチャーキングトーナメント2016で行われた)」
――客観的に見て、グラップリングにおける自分の一番の強みはどこだと思いますか。
「身体能力です」
――Progressルールはグラップリングのなかでも比較的MMAに近いルールで行われます。過去のProgressルールの試合はご覧になっていますか。
「そうですね。テイクダウンだけじゃなくて、相手が引き込んで自分が上になってもポイントが入ったりするんですよね? そこまで細かくルールは把握してないです」
――グラップリングルールだからと言ってMMAと戦い方を変えるつもりはないですか。
「グラップラーの人とグラップリングの技術で勝負しても勝てないと思うんで、僕の身体能力だったり、そういうものをより活かす試合になるかなと思います。自分としてはトリッキーに行きたいですね」
――やはり極めにはこだわって戦いたいですか。
「もちろん勝ちにもこだわりますけど、そのうえでしっかり極めて勝つことが一番の成長に繋がるのかなと。相手は寝技・グラップリングのトップ選手だから、その相手を極めたら自信にもなると思います」
――例えばその辺りの部分で、大晦日のホセ・トーレス戦の反省点だったり、改善しようと思って取り組んでいることはありますか。
「反省点はありましたね。どうしても僕はちょいちょい雑なところが出ちゃうんで。あとで試合映像を見返したり、レスリングの友達にも意見を聞いたりしながら、ダメだったところを修正しています」
――神龍選手は思い切りの良さが武器だと思いますが、その半面、雑になってしまっていたところがある、と。
「思い切りの良さは残したまま雑すぎるところを修正する、ですね。前回も雑なところがなければもっと余裕だったと思うんですよ。そういうポイントポイントを修正して、自分らしく思いっきりいきたいなと。さっきの友達も思いきりの良さが僕の武器だと言ってくれているので、そこは忘れずにいいところを伸ばしたいと思います」
――対戦相手のエリック・メネギンにはどんな印象を持っていますか。
「メネギン選手のグラップリングの試合映像がなくて1~2試合見たぐらいですが、手足が長くて、クレベル(・コイケ)選手とか、ああいう感じのイメージですね。まあ僕がメネギン選手の試合映像を見たところで、どう対策しようとかあんまり出来ないんで、自分らしく行こうかなって感じです」
――MMAファイターの神龍選手とは違い、メネギンは柔術・グラップリングの専門家です。その相手に勝つことになったら大きな自信になると思います。
「絶対に自信なりますよね。MMAに例えるならクレベル選手から一本取るみたいな感じじゃないですか。そういうイメージで見てもらったら分かりやすいかなと思います」
――理想とする試合展開とフィニッシュを教えてもらえますか。
「身体能力の高さを活かしつつ、あとは野性の勘だったり嗅覚で取れるところでスパっと取りたいです」
――グラップリングだからこそMMAではできないことにチャレンジしたいという気持ちはありますか。
「自分は結構思いつきで試合しているんで、どうなるか分からないんですよね…。いざ試合でメネギン選手と組み合ってみた時に、体が動いていると思います」
――メネギン選手は煽り映像の取材で「1Rで三角絞めを極める」と発言していました。
「極めさせないですよ。僕はどういう形になっても一本取りたいし、メネギン選手に対しては極められるもんなら極めてみろよと思っているので試合が楽しみです」
――Breakthroughには現状打破という意味があります。今回の試合を通して、これからどんなキャリアを作っていきたいですか。
「自分はMMAが本業なんで、今回の試合の経験がMMAにも活きると思っているし、ここで色んなものを吸収して、今年RIZINでフライ級のトーナメントがあると言われているんで、そこで優勝できるように自分のレベルを上げていこうと思います」
――RIZINのスケジュールにもよりますが、噂されているトーナメントに向けて色んなことにチャレンジしていきたいですか。
「そうですね。やっぱり試合をすることで毎回自分のダメなところが見つかるし、最近は試合をすることが一番の成長に繋がるんだなと思っています。試合だから勝ち負けは大事ですけど、色んな経験を積んでMMAのトップに行きたいです」
■視聴方法(予定)
2月26日(水)
午後6時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル
■Breakthrough Combat03対戦カード
<Progressフェザー王座決定戦/5分3R>
竹内稔(日本)
須藤拓真(日本)
<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヨン(韓国)
上田将年(日本)
<バンタム級/5分3R>
トレント・ガーダム(豪州)
竹本啓哉(日本)
<バンタム級/5分3R>
チェ・ハンギ(韓国)
寒天マン(日本)
<フライ級/5分3R>
ベ・ジョンウ(韓国)
山崎蒼空(日本)
<Progress60キロ契約/5分2R>
神龍誠(日本)
エリック・メネギン(ブラジル)
<Progressフェザー級/5分2R>
大脇征吾(日本)
中島太一(日本)
<Progress87.5キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(米国)
二宮寛斗(日本)