【UFC ESPN12】壮絶な削り合い。殴り、蹴り、倒され、絞めて、起き上りポイエーがフッカーを下す
<ライト級/5分5R>
ダスティン・ポイエー(米国)
Def.3-0:48-46.48-47.48-47
ダン・フッカー(ニュージーランド)
まず右ローを見せたフッカー、ポイエーも左ローを返す。サウスポーのポイエーに対し、フッカーは右ボディフックから左を顔面に届かせる。ボディ&顔面のコンビ、カーフキックで先にペースを握った感のあるフッカー。ポイエーは右カーフで、前足を削られる。フッカーの蹴りが2度、急所に入りかけるも試合は続行。右カーフに反応するポイエーの顔を狙うフッカーだが、組まれてケージに押し込まれる。
フッカーは回ってすぐに離れると左フック、右ボディから左ジャブを入れる。ポイエーは2発左ミドルを蹴るが、フッカーがガード。しかし、続くミドルから右を受けたフッカーはたまらずに組みに行く。近距離で頭を掴んで鉄槌というユニークな攻撃を見せたポイエーだが、フッカーはヒザからボディを打ち抜く。ポイエーも左フックを返すが、フッカーは距離を取り直しカーフを続ける。最後の10秒でジャブを当てたフッカー、右をポイエーが返し最初の5分が終了した。
2R、フッカーの右ミドルをブロックしたポイエーが右を当てる。ヒザ蹴りにも右を打っていくポイエーだが、右を受けて体が揺れる。フッカーはヒザの追い打ちをかけるも、ポイエーは組んで攻撃を遮断する。ケージに押し込み、アッパー。回ったフッカーにエルボーからフックの連打を放つポイエー。フッカーも左右のフックやボディを返し、ポイエーは左フックをヒットさせる。
間合を取り直した両者、ポイエーは左ミドルから左を当てて前に出る。右前蹴りを腹に突き刺したフッカーは、左から右を打ち込む。すぐに左を返したポイエーが、組みへ行く。ポイエー、フッカーともに疲れが目立つなか、ケージ中央で向き合うとポイエーが左ミドルに続いて、パンチを纏める。さらに右を被弾したフッカーは、全くカーフを蹴らなくなっている。ポイエーはパンチで前に出やすくなるが、フッカーはそこに左を突き上げ、ボディを左で打ち抜く。
ポイエーも左ボディフックを返し、ワンツーを当てる。直後にワンツーからスリーフォー、さらにファイブ・シックスとパンチを入れたフッカーが、ケージに詰まったポイエーのボディを攻め、さらにヒザを顔面に突き上げる。ポイエーは動きを止めたが、同時にラウンド終了となった。
3R、まだ10分しか戦っていないとは思えないタフな消耗戦──フッカーが前に出て前蹴りをボディに入れる。ポイエーは左ミドルを返し、これまでのようにそこからパンチにつなげる。さすがにペースが落ちた両者、フッカーが再びカーフを出すようになる。ポイエーは右オーバーハンドを繰り出すが届かず、逆に左を被弾する。フッカーもペースが落ち、手数が限られてくる。ポイエーは左ミドルから持ち直したようにパンチを纏める。
マウスピースを吐き出したフッカー、レフェリーがブレイクを与える。再開後、ダブルレッグをギロチンで捕えたポイエーだが極め切れず、頭を抜かれると三角を伺う。腕を畳むが、やや腕を前に置くフッカーはポスチャーが十分でない。それでもワキを締めて、守りに徹したフッカーは、スクランブルでバックに回りヒザを突き上げる。
すぐに胸を合わせたポイエーはエルボーから思い切りフックを振りまわす。ここに来て体に軸があるポイエーのパンチの威力が、軸が乱れるフッカーを上回りつつあるか。
4R、フッカーの左ジャブに右を当てたポイエーが、続けて右ジャブを伸ばす。さらにポイエーは右リードフックを当てて前に出ると、ジャブを2発ヒット。ミドルをキャッチしてテイクダウンしたフッカーは、スクランブルでポイエーの背中に飛び乗る。ワンフックから着地したフッカーは、スイッチに合わせてバックを伺う。しかし、抑えが十分でなくポイエーが胸を合わせるように立ち上がると、続くテイクダウン狙いも即スクランブルに持ち込まれ、逆にポイエーが上を取る。
ここで背中を見せたフッカーは、左のパンチを纏められ動けない。亀になり立ち上がろうとしたフッカー、背中に乗ったポイエーは前方に落とされ腕十字へ。さらにオモプラッタに移行したポイエーが鉄槌を打っていく。我慢の時を凌ぎ、フッカーは腕を抜いてトップへ。ポイエーも立ち上がり、ダブルレッグにギロチンに入る。スラム気味に叩きつけ、頭を抜いたフッカーがトップでラウンドを戦い終えた。
ポイントも先行きも見えない魂と身を切る攻防は、フッカーをより消耗させているか。最終回、左から右をポイエーが当て、フッカーが前蹴りを繰り出す。互いにスピードとキレがなく、重い動きになるなかポイエーが左を当てる。さらにポイエーは左ミドルを入れ、フッカーの組みを切る。ポイエーは左で前に出て、右をヒット。フッカーは左を被弾し、テイクダウンも腰が崩れる。
それでもケージにポイエーを押し込んだフッカーだが、スタミナの消耗は著しくポイエーがすぐに押し返す。再びパンチを貰ったフッカーが、根性のダブルレッグでテイクダウンを奪う。しかし、スクランブルでバックに回りワンフックも、ポイエーは苦も無く胸を合わせる。離れてダブルレッグを執拗に狙うフッカーは、スプロールしたポイエーをケージに押し込みシングルへ。
残り1分、頭を上げたフッカーが逆に押し込まれると、回って首相撲へ。振り払って右、続いて左を当てたポイエーは、テイクダウン狙いにギロチン。ポイエーを振り回すように尻もちをつかせパンチを入れタイムアップを迎えた。
序盤の2Rはフッカー、4Rと最終回はポイエー。3Rをどのようにジャッジが判断するか。結果、ポイエーが3-0の判定勝ちを手にした。
ピンチを耐え、逆にフッカーに攻め疲れを起こさせたポイエーは、カーフで蹴られた右足を引きずってインタビュースペースへ。そして次を訊かれ、「今年の終わりか、来年」と答えたポイエー、「自分をプッシュし続けるの限界がある」という言葉を吐いた。